桧塚奥峰 DAY1
AM6時30分にアンニョンさんと合流し、東吉野の大又林道へ向かいます。やはた温泉あたりから路面は積雪状態となり、七壺八滝より先は完全な雪道に。やはた温泉からの積雪は冬季に来た過去3回でもなかったことで、軽四FFで最後まで登れるのか!と冷や冷やしましたが、最後の200mもテールを振られながら何とか登ってくれました。9時頃に大又林道終点Pに到着です。
今回は雪中テン泊のお誘いをアンニョンさんにしたところ、シュラフやダウンシューズもゲットされ、ご一緒頂くことになりました。3回目の泊山行になりますがとても心強いです。幕営の場所は、アンニョンさんが雪中テント泊が初めてだったのでまずは明神平にしようかと思いましたが、前から桧塚奥峰で張ってみたいと思っていたので提案したところ快く了承頂きました。
9時30分、アイゼンを装着して出発です。気温-5℃。
2011年の台風12号被害跡。
2回目の渡渉ポイント。
明神滝は明日の朝の方が良さそうですよね、なんて言いながらあっさりやり過ごします。
天気は優れませんが、時折、光が射しこみます。
薊岳
徐々に周りが白くなってきました。
11時50分、明神平に到着です。かなりゆっくり歩いたのですが、そこそこ踏まれていたので2時間ちょいで到着しました。気温は-9℃。
今日のお昼はコンビニのミニおにぎりにおかず付き弁当。ラーメンではなくたまにはこういうのもいいものですね。温かいお湯を飲みながら、おいしくお弁当を頂きました。
この日はツアーの団体が入っていたのでちょっとせわしなかったです。風が強かったので小屋横(写真の壁沿い)で食べましたが、次から次へと人が来るので、そそくさと食べてすぐに移動しました。
12時25分。さぁ、昼食も食べたことだし桧塚奥峰へ向かうことにします。
写真をパチリとしてる間にさっきの団体さんがやってきました。仕方ないので先に行ってもらいますが、後ろから見ているとこのガイドさん、来たことがないのか道を探しながら歩いているように見えます。しかも三ツ塚もきっちり踏んで行かれました。その間に僕たちは通常の巻き道を行き先頭になりました。そして、そこからP1394手前まで先行させて頂きました。こんなんアリ??とちょっと思いましたが。。。
明神岳
ガスに強風。。。今日の天気は諦めました。
桧塚との分岐。
14時15分。桧塚奥峰に到着です。途中、雪が深くなりましたが2時間弱で到着しました。名板が埋もれてしまってます。気温は-12℃です。
先ほどの団体さんが桧塚から戻ってきました。
P1394手前で先を譲ったのでてっきり桧塚奥峰に行ってると思ってましたが、僕たちが桧塚奥峰に着いた時に山頂にはトレースがなかったので、「桧塚奥峰踏まんかったんや!!!」と思いました。そして時間も14時を回ってますので、この先を抜けて下山したんだろうとアンニョンさんと言っていたところに桧塚から戻って来たのでビックリ!それほど難しいルートではないとは思いますが、ガイド登山って結構無理な行程を組むものなんですね。人数も約30人だったし。僕なら時間的に明神岳で引返してるやろうなぁと思いました。
なんて、他人の心配をする場面もありましたが、それよりも今日の宿泊場所を決めなければなりません。山頂を少し下ったところに良さそうな場所があったのですが、傾斜があり、整地が大変そうなので諦めました。結局、山頂標識すぐ横の林の中に一瞬風が治まる場所があったので、そこに張りました。ほぼ平だったので整地もさほど苦労しませんでした。
整地途中
張り終わったので少し撮影タイムです。
ヒキウス平
16時30分、撮影を終了しテントでゆっくり過ごします。
今回、テントはインナーテントを張りませんでした。いわゆるフロアレスの張り方を試してみました。
先日の軽量化レポでパンダさんから色々とアドバイスを頂き、考えた結果、逆にこの時期にフロアレスを試した方がいいんじゃないかと思い始め、たまたまアンニョンさんも一緒にテントを張ることだし、最悪逃げ込ませてもらったらいいかな、なんて甘い考えにアンニョンさんも快く了承頂きトライすることにしました。気が変わった時用に一応インナーテントも積んできましたが。
クロノスドームの場合、グランドシートをペグダウンしてからポールを立て、上からフライをセットして何ヶ所かフライをペグダウンしたら完成です。ペグはその辺に落ちていた木を使い雪に刺して埋めたらそこそこ張ることが出来ました。フライと床の隙間はある程度雪で埋めました。この時の注意として、フライは通気性がないので酸欠しないように、上部2ヶ所のベンチレーターと下の隙間は何箇所か少しだけ開けておきました。これで翌日朝まで酸欠の問題はありませんでした。居住性についてはクロノスドームはそこそこ広いテントなのでインナーテントがないお陰でさらに広く感じました。
装備は下から
・グランドシート
・アルミシート(100均、アルミ面を上)
・Therm-a-Rest Z Lite Sol (Small)
・モンベル U.L.コンフォートシステムパッド150キャンプ
・モンベル S.S.ダウンハガー#3
でしたが、とても温かく、正直衝撃を受けました。マットを重ねたこともあると思いますが、今までの中ではかなり温かい方でした。
この時、外気-12℃に対しテント内気温は-6~7℃。アンニョンさんの普通張りしたテント内は-7~8℃ほど。温度計はどちらもEMPEXサーモ・マックス50で、お互いアルミシートの上に置いて測定しました。アンニョンさんは100均ではなくキャンプ用の1cmほどの分厚いシートで僕のは1mm程度です。この結果の原因は、アンニョンさんのテントが3人用で広いのと、生地の違いやフライと床の隙間を雪で埋めたことで密閉性が上がったのかなと思っています。あとは温度計の±1℃の精度かな。
アルミシートは100均のものでも十分効果がありました。試しに外してみましたが、グランドシートだけだと冷たすぎてとても手を置いたり出来ませんが、アルミシートの上からだとブーツを履く際に座ったり、手をついたりを余裕で行えましたし、下からの冷気も幾分かシャットアウト出来たので、外気-12℃くらいならアルミシートは効果ありと改めて判断しました。
風雪の入り込みですが、やはりベンチレーターや下に隙間を開けた部分から粉雪が入り込みます。それが気になるかどうかは個人の感覚だと思いますが、軽くはたけば済む程度の粉雪だったので、僕は全く気になりませんでした。むしろ、寝てるすぐ横に雪があるのだから、なんて自然を満喫出来るんだろうと、いつもよりテント泊を楽しむことが出来ました。
この張り方においては、kurosawaさんや他の方のblogで気になっていた張り方でした。インナーテントは無用!なんて挑戦的な発言をされている方もおられ、ほんまに~??なんて思ってましたが、実際試してみた感想としては、テントの種類や天候にもよると思いますが、このレベルの雪山なら、正直別になくてもいけるかなというのが僕の実感でした。くどいようですが、これはあくまで僕の感想であって、感じ方は各個人によって違うと思いますので念のため。ただ、この広さで二人寝るとなると、ちょっと体がずれたらすぐ横が雪なので、狭い思いをしそうです。(嫁さんはフロアレス反対派なので、この張り方で二人で泊することはないと思いますが。。。)
軽量化の一環としてトライしたフロアレス、本当は4月に試すところが予定外の厳冬期でのトライ。パンダさんのコメントのお陰でまた一歩違う世界に踏み込めたような、そんな気がしました。パンダさんには本当に感謝しています。あと気になるのは風雨が強い時の対処法かな。双六のテン場のような開放的な場所だと、たちが悪そうな気がします。岩で隙間を埋めたりも見たことがありますが、岩がなかったらみなさんどうしてるのかな。。。
ちなみに今回省略したインナーテントの重量は、1kgちょいになります。
左の入口の雪はこのあと少し除雪しましたw
アマノフーズのかに汁で温まり、一息ついてから夕食のラーメンを食べました。
アンニョンさんが外を見ると、曇って星は出ていないと。。。
天気予報を信じ、翌朝の満点の星空に掛けて、19時就寝。あっさり深い眠りに落ちました。
つづく
撮影機材
CANON EOS 7D
SIGMA17-70mmF2.8-4MACRO・HSM
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| 台高山系・曽爾周辺 | 00:00 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑
COOPERさん、おはようございます。
アンニョンさんの記事でも拝見させていただいてましたが、
良き冷え込みの中でのテント泊、良かったですね。
紅葉の時に歩いたヒキウス平が真っ白に染められている様が
台高の冬の美しさをより一層、感じさせてくれますね。
自然の中で夜を過ごせるのはやはり憧れます。
続きも楽しみにしております。
| ke-n | 2013/02/26 09:49 | URL |