今日は
no_tenkiさんとこで見つけたネタを。
韓国の保守系大手新聞社(日本ので例えると読売か?)、朝鮮日報の5月16日の記事(韓国語版)に、
こんな記事があります。
「南のパイロット、平壌~ソウル~光州を飛ぶ」
6.15共同宣言*記念日に民間グライダーで
イ長官、母校での講義で明言
「6.15共同宣言の記念日に南側のパイロットが民間のグライダーに乗って平壌からソウルを経由し、光州まで飛ぶ計画です」
統一部**のイ・ジョンソク長官が15日の「恩師の日」に母校のソウル竜山高等学校を訪れ、後輩たちを前にして「統一」に関する講義を1時間にわたって行った。イ長官はこの席で「6.15南北共同宣言」6周年を迎え、サプライズイベントも準備していることを明らかにした。
イ長官は「最近の学生たちが統一の必要性を理解していないのは、我々が手足を引きちぎられた状態のまま、その傷が癒えてしまったからだ。グローバル時代に入り、わが民族はとてつもない力を発揮しているが、分断は我々に甚大な苦痛を与え続けている」とし、平和統一の重要性を強調した。さらに、来月15日に韓国のパイロットが北朝鮮の平壌からグライダーに乗って韓国のソウル、光州まで飛行する計画も明らかにした。
この飛行計画の主人公はオ・セフン航空スポーツ学会会長。今月22日に開城(ケソン)で開かれる南北実務会議でこの計画が確定すれば、グライダーを操縦する予定だ。
イ長官のこの日の講義は、終始一貫して親しみやすい雰囲気で進められた。イ長官は「私が高校生だったときは無鉄砲なこともたくさんやり、女子生徒の問題でケンカしたこともあった」などと、高校時代のエピソードから講義を始めた。
イ長官は韓国社会の南北問題やファン・ウソク教授事件、米韓同盟などについて説明し「韓国社会は共生するよりも、お互いを排除することに慣れており、二分法的な論理がまかり通っている。自分と違うものを受け入れる文化が韓国では極めて脆弱だ。自分と意見が違うからと言って一緒にはいられない、一緒には勉強できないという言い訳にはしない寛容な心を常に持って欲しい」と話した。イ長官は詩や歴史の本を多く読み、数学の勉強をがんばるように後輩たちに呼びかけて講義を終えた。
注*)2000年6月13日金大中大統領(当時)が北朝鮮を訪問し、金正日国防委員長と6月15日に署名した南北共同宣言
注**)○○部:韓国の省庁
以上が韓国語の原文をすべて翻訳したものです。
ま、テキトーに要約すれば、政府のおエライさんが母校で講義っつーか講演して「こんな計画があるんだ」→「ほうほう」、「今の社会はこうだ」→「はいはい」、「俺も昔はワルだった」→「ぷっ…」、「勉強がんばれ」→「へいへい」みたいな内容ですね。
なのに、朝鮮日報日本語版では、前半と後半部分を「
平壌から光州までグライダー飛行」と「
韓国には自分と違うものを受け入れる文化がほとんどない」というまったく違う記事にぱっくり分けています。何も知らずに見たら、完全に別個の記事だと思っちゃいますね。
「南北をグライダーでぴょ~ん」(←ワタクシ的解釈)といったほのぼのタイトルを「韓国には自分と違うものを受け入れる文化がほとんどない」っていうタイトルにしちゃったら、嫌韓モードな人は「ソーカソーカ“
韓国には 自分と違うものを受け入れる 文化がほとんどない ”んだなっ。だって韓国政府の要人がそう言ってるじゃないかっ」と、喜んじゃいますよ。
しかも、タイトルに致命的な誤訳があります。イ長官は「自分と違うものを受け入れる文化が韓国では極めて脆弱」と言ったにもかかわらず、日本語版は「韓国には ほとんどない」と言い切っちゃってます。翻訳は訳す人によってはニュアンスに違いが出てくることもありますが、インパクトはやはり「極めて脆弱 < ほとんどない」だと思います。っていうか、この「굉장히 취약하다」の「취약」という表現は漢字語なので、そのまま「脆弱」と訳すべきです。
いいんですか~!いまだに韓流ブームにしがみついてる朝鮮日報(日本語版にはヨン様がいっぱい)が、「韓国には自分と違うものを受け入れる文化がほとんどない」なんて 某ポンチ絵みたいな 嫌韓流モードなタイトル。誤訳というよりは、なにやら作為的なニオイがプンプンしますなぁ。
でも朝鮮日報ばかりを非難はできませんよ。国境なき記者団によると、2005年の報道の自由度は韓国が34位で日本は37位ですから。ま、朝鮮日報も、日本だったらイイや。逝っちゃえ。ってことなんですかね。