カテゴリー「軍事」の58件の記事

November 03, 2022

横浜に動くカンダムを見に行ったら海上自衛隊フリートウィークをやっていた

 11月3日に横浜に動くカンダムを見に行った。以前にお台場にあった原寸大ガンダムを見に行ったこともあり、割と期待していたのだが、どうやら調べると今回は入場料を取る上に(入らなくても外から見られるが)、本当ににじり寄りたければ更に3千円近く払って整備塔に登る必要があるらしい。とはいえ事前に情報がなかったので念の為に前売り券を入手して会場に向かったところ、海上自衛隊のフリートウィークで護衛艦の一般公開をやっていたので予定を変更して護衛艦に乗ってみた。なにせガンダムは今後しばらくは見る機会はあるのに対して護衛艦はこの機を逃したら二度と見れないかも知れないのだ。
 会場では動くカンダムのそばに輸送艦くにさきと護衛艦あたご、横浜港大さん橋に護衛艦いずも、新横浜港に潜水艦たいげいと護衛艦しらぬいがそれぞれ停泊し、全部見学することが出来たのだが(とはいえ最新艦の機密の塊であるたいげいは甲板を歩けるだけだが)時間の関係もあってくにさきとあたごしか中を見ることは出来なかった。とはいえ実はいずもは以前に見学することが出来たので唯一の心残りは潜水艦たいげいぐらいである。なにせたいげいは今年3月9日に就役したばかりの最新艦でこれまでの鉛蓄電池に代えてリチウムイオン電池を搭載した新造艦なのだ。
 こんなスペックながら見た目は地味な潜水艦なので多少遅れても見学できるだろうとたかをくくっていたのだが、くにさき、あたご、昼食、ガンダム後に行ってみるととうの昔に整理券が配り終えていて、見学はおろか近づくことさえ出来なかった。
 後になってわかったことだが、最新型の潜水艦が公開されると言う情報を入手したマニアがいち早く並んで整理券が捌けてしまったらしい。人のことは言えたものではないがマニア恐るべしである。

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護衛艦あたご

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くにさきの船内や甲板では運搬される自衛隊の車両やドローンなどが展示されていた。

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くにさきの甲板

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あたご甲板よりくにさきの後部を望む
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後部甲板上にあるヘリコプター管制室

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護衛艦しらぬい

 

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February 16, 2018

AIの判断と人間の判断の話

大昔にサーバー管理をしていた錆びついた知識をリフレッシュするために、最近のセキュリティ事情をおさらいしている。
今のセキュリティ最前線で使われている技術は、基本的にはこれまでと変わらないものの、多くの手法が自動化されている。これまでなら人間が試行錯誤しなければ出来なかったことでさえ、AIを使った機械学習によって自動化されていることに驚いた。例えば、少し前に仮想通貨交換業者のコインチェックがハッキングを受けて、P2P暗号通貨XEMが流出した事件では、その攻防は互いに自動化されたAIによって行われ、人間は直接細かい作業をせずに監督作業だけをしていたという。
 これはインターネットの世界だけに限らない。インフラの制御でもあまりに巨大化複雑化したために、人間が個別に対応してはダメという段階に入っていて、その制御は自己学習するDeepLearning系AIによって自動化が進んでいる。更に軍事分野でさえ、今では多くの部分が電子化・ネットワーク化しているが、最初に書いたようなAIを使ったサイバーセキュリティの流れも、いずれ軍にも降りて来るのだろう。既にロシアの最新鋭戦闘機Su-57では、パイロットの負荷を下げるために行動指針を提示する、人工知能システムが搭載されてるといわれている。
 問題なのはその先だろう。有名な論理学のテーマに、トロッコ問題というものがある。これは「ある人を助けるために、他の人を犠牲にすることは許されるか?」という思考実験だ。例えば、線路を走っていたトロッコの制御が不能になった時に、ポイントを切り替えれば、その先にいる5人の代わりに一人が犠牲になるが、どうするのが正しいのかというものだ。一見すると、より少ない犠牲の方を選べばいいという見方も出来るが、それなら誰がそれを判断して実行するのかという問題もはらんでいる。これまでは運転手など責任を負った人間がその責を負っていたわけだが、AIによって多くの機械が自動化されるにつれて、こうした論理的な問題も出てくるのだ。
 現在、軍隊など人命に関わる判断については、AIはあくまで提案をするだけで最終的な判断は人間が行うという方針が貫かれている。しかし、より高速化する戦場で、コンマ数秒の時間でこうした判断を行うのは人間であっても難しい。映画「ロボコップ」の中では、実は主人公マーフィーは電子頭脳の補助を受けて常人の何倍もの速さで動くことができるが、実は人間の頭脳が追いつかないので、緊急時にはAIが先行して判断・動作を行い、後からマーフィーの脳に結果を送る仕組みになっていた。その結果、当人は自分がやったと思っていた動作が、実はコンピュータによって行われていたと言う裏設定があって戦慄したことがある。
しかし、こんな極端な例でなくても、例えば先程のSu-57に搭載された行動指針を提示する人工知能であっても、A、B、Cと提示された中から人間が判断してどれかを選んだとしても、元のA、B、Cは機械が考えた結果に過ぎないといえないだろうか。

もしかしたら、提示されていないDが真の正しい回答かもしれないのだ。こうした問題を秘めながら、今では多くのものがAIによって制御されつつある。

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December 29, 2017

【告知】冬コミで宇宙の傑作機「ソビエト・ロシアの早期警戒衛星」を出します

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*告知・紹介で使用する限り上記の画像は自由に使って構いません

 少し前に幸か不幸か仕事が途切れてる間に原稿を書くことが出来たので、同人誌ながら商業誌レベルの内容と執筆陣の本を出している風虎通信より、今回も本を出させて戴けることになった。
 今回は前回の偵察衛星に続いて知られざるソビエト・ロシアの早期警戒衛星について解説した内容になる。また早期警戒衛星だけでなく、地上の早期警戒システムやあわや核戦争を引き起こしかねなかった過去のミサイル誤検出事件の原因や背景についても書いてみた。冒頭には早期警戒衛星とはなにかといった概論も載せたので気楽に手にとって欲しい。

*本はコミックマーケット93の3日目、12月31日(日)に風虎通信(東P-7b)で頒布いたします。会場に行かれる方で興味のある方はぜひお立ち寄り下さい。なお時期と部数は不明ですが神保町のくだん書房に少数入荷するので、もし会場に行けなくて興味のある方はそちらに当たって頂くと入手できるかも知れません。

2018/1/15追記:くだん書房さんでの委託が決まりました。コミケで書いそびれた方はこちらから購入出来ます。

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August 09, 2017

【告知】夏コミで宇宙の傑作機「ソビエト・ロシアの偵察衛星」を出します

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*告知・紹介で使用する限り上記の画像は自由に使って構いません

 同人誌ながら商業誌レベルの内容と執筆陣の本を出している風虎通信より、今回も本を出させて戴けることになった。
 今回は知られざるソビエト・ロシアの光学偵察衛星について黎明期のゼニットから現用のモルニアまでの開発・構造・運用について解説した内容になる。冒頭には偵察衛星とはなにかといった概論も載せたので気楽に手にとって欲しい。

*本はコミックマーケット92の2日目、8月12日(土)に風虎通信(東ペ-60b)で頒布いたします。会場に行かれる方で興味のある方はぜひお立ち寄り下さい。なお時期と部数は不明ですが神保町のくだん書房に少数入荷するので、もし会場に行けなくて興味のある方はそちらに当たって頂くと入手できるかも知れません。

2017/8/13追記:本書中に以下の間違いがありました。現在確認している訂正個所は以下の通りです。
・P99:貼られているソビエト・ロシアの偵察衛星運用期間にZenit-6TMが抜けていました。正しい表は以下の通りです。
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February 05, 2017

SM3ブロック2Aの能力は本当か

「防衛省は4日、日米で共同開発中の新型海上配備型ミサイル「SM3ブロック2A」について、米ハワイの太平洋ミサイル発射場で同日試験したと発表した。イージス艦から発射し、弾道ミサイルに模した標的を正常に迎撃した。今後、取得した試験データの詳細な解析を進める。

 同ミサイルは最高高度1千キロメートル超に対処でき、同300キロメートルにとどまる現行のSM3よりも迎撃能力が高まる。日本では2017年度に量産を開始し、19年度に配備する予定だ。」
新型迎撃ミサイル試験に成功 日米共同で

 2017/2/4に掲載されたこの記事だが気になったので少し検証してみた。気になった点はこのミサイルの交戦可能高度である。記事では1000kmとあるが、複数の情報によればその倍以上あると言うのだ。高度2000kmと言えば国際宇宙ステーションの軌道(高度約415km)はおろか衛星電話用の衛星(イリジウム衛星で高度780km)にさえ到達する。つまりSM3ブロック2Aはちょっとした衛星打ち上げロケット並の能力をもつと言う事になる(注:ただしロケットの到達高度と衛星投入高度はイコールではないので、これは正確な比較ではない)。
 このまえ世界最小の衛星打ち上げロケットと話題になった日本のSS-520は本来高空観測ロケットで、その到達高度は1000kmなので少なくともそれ以上の能力はある訳だ。
 通常の弾道ミサイルの最高高度は約1000kmなのでそれ以上の到達高度はオーバースペックのように見える。ただしロフテッド軌道と呼ばれる通常よりも高い高度を通る場合は1000km以上に達する事もあるので、交戦可能高度が1000km以上あっても不自然という訳ではない。2000kmもあればおそらくほぼ全ての弾道ミサイルの最高高度よりも高いので、逆に言えば全ての弾道ミサイルを最高高度でも迎撃可能なスペックをもたせたと考えることも出来る。
 だが本当にそんな能力を持たせているのだろうか? 日米ともに衛星打ち上げロケット保有国なので別に高度2000kmに到達する弾道ミサイル迎撃ミサイルを開発することは不可能なことではない。だがそれにしても本当にそれだけのスペックが必要なケースが現実にどれだけあるかと考えるとSM3ブロック2Aの能力はオーバースペックのように見えるのだ。もしかしたら交戦可能高度はこれよりもずっと高くSM3ブロック2Aの真の目的は相手のGPSに当たる位置情報サービス衛星を破壊すことを見据えているのかも知れない。(とは言えその場合は高度20200kmまで到達する必要がある)
ただ弾道ミサイルが最高高度に到達する場所はこちらからは選べない、そうした点なども考慮するとロフテッド軌道の最高高度である高度2000kmを狙うならそこに到達する分のマージンを考えるとミサイルの到達高度は交戦可能高度よりも大きなマージンが必要なのを考慮するとGPS衛星軌道までとは言わないがおそらく到達限界高度自体はかなりの余裕があると考えてもおかしくはないだろう。

 こうして色々と検証して見るとSA3ブロック2Aの高度2000kmと言う値は全てのICBMを迎撃する点からはそれほど過大な数字ではないようだ。しかし従来のミサイルから見ると随分大きな数字に見える。過去のSDI計画ではないが弾道ミサイル迎撃を真面目に考えるとSFじみたスペックに見える。

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August 15, 2016

【報告】夏コミで宇宙の傑作機別冊「ソビエト・ロシアの固体燃料式ICBM」を出しました

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 今年も同人誌ながら商業誌レベルの内容と執筆陣の本を出している風虎通信より、再び本を出させて戴けることになったので、「ソビエト・ロシアの固体燃料式ICBM RT-1からTopol-Mまで」を頒布致しました。ソ連、ロシアにおける固体燃料ロケット開発史と構造、核戦略システムを包括した盛りだくさんの内容になります。
 実はTwitterでちゃんと宣伝したものの、Twitterでは検索エンジンに引っかからないのか、後で探すと全くHitしなかったので忘備録として記載します。そんな訳で既に入手困難ですがもし再販等で入手可能になったら再度告知する予定です。

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October 13, 2015

横浜大桟橋で一般公開された「いづも」を見に行く

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ファランクス艦艇用近接防御火器システム

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いづも後部飛行甲板パノラマ(クリックすると別画面が開きます)

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SH-60J

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厳重に密閉されているがこれは防水のため。なお中は倉庫。

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人が出入りする扉。一見物々しいが横に見える長いレバー一つで周りの留め金が連動して開く

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RAMミサイル

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いづもを見学した後は、近くでやっていたよこはま国際フェスタに行ってきた

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 三連休の合間に観艦式に参加するために横浜大桟橋に寄港した護衛艦いづもの一般公開に行ってきた。これまでロシア軍の兵器は何故か色々見てきたものの、よく考えたら自衛隊特に海上自衛隊の船を近くで見たことは一度も無かったので、せっかく近くに来ているなら一度見てみたいと思ったのである。それにしても博物館においてある動いていないものと違って現役で動いている巨大な船に乗るのは感慨深い。ありきたりな感想だがとにかく大きくて船というよりは何か巨大な建築物を見ているような感じである。しかも停泊していると言うのもあるのだろうが、甲板に登ってもその巨大さと微動だにしない安定感もあって船に乗った気がしない。あとミリタリーイベントと言うとちょっと敷居が高い感じがあるかもしれないが、何度も公開されて客層のマニア度が下がったせいか(笑)良い意味で普通のイベント風なので普通の人にもお勧めだと思う。実際来ていた人も三連休で横浜に来てたまたま見かけた感じの家族連れも多くて面白かった。
 翌日には横須賀で米空母「ロナルド・レーガン」が一般公開されていてこちらも大人気だったそうだが、とにかくすさまじい行列で、こちらは相当行き慣れた人ではないと見ることすら出来なかったのでは無いだろうか。何でも公開後1時間足らずで入場制限がかかってその日の受付を終了してしまった位なのだ。
 いづもを見終わるとちょうどお昼ぐらいだったので、たまたま近くでやっていたよこはま国際フェスタで昼食を食べて一休みする。最初はちょっとしたイベントかと思って手近な屋台で済ましてしまったが、実は十数カ国の本格的な屋台料理屋さんが出ていて、この手の各国の外国料理が食べられることで有名な東京外国語大学の外語祭に勝るとも劣らない規模だった。最初から知っていればもっと胃袋と時間を調整して色々と食べ歩いたのだが勿体無いことをしてしまった。しょうがないのでお土産にグルジアワインを調達して帰路につくのであった。

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December 09, 2010

「ソ連/ロシア巡洋艦建造史」を購入した

 雑誌「世界の艦船」別冊のアンドレイ・V・ポルトフ氏の「ソ連/ロシア巡洋艦建造史」を購入した。
その手のものが好きな人以外には興味が無いとは思うが、いくつか万人受けしそうな面白そうなところと興味深い部分を上げてみたい。

 ソ連末期に作られたスラヴァ級はアメリカの空母艦隊の防空圏の外から核弾頭付き対艦ミサイルを撃ち込んでそれを無力化すると言う方針で作られたミサイル巡洋艦だが、恐ろしく強力な攻撃力を備え(何せ通常弾頭でも戦艦大和を一発で沈められるミサイルや魚雷を山のように搭載しているのだ)かつ巨大なサイズを誇る巡洋艦である。
だが大きくなると建造費もかかるし維持運用するのにも膨大な手間と金がかかってしまう。そんな訳で巨大兵器というのは得てして歓迎されない物なのだ。
 ところがとにかくソ連・ロシアの軍艦は巨大兵器が多かった。これには様々な理由があるが、最大の理由は軍部が技術上の問題を無視した要求に答えるため、設計官や製造者が勝手に重量やサイズを拡大したために大きくなったと言う事情がある。
ところが現場の開発者達がこうした無茶な要求で困ったかと言えばどうもそんな事は無いらしい。彼らは冷戦時に軍事費が聖域化されて自由に予算が使えるのを良い事に嬉々としてこれらの巨大兵器を作り、また軍やそれに関わる軍事産業の人間もこれで予算が増える事もあり、皆大いに喜んでいたという。
この下りがどうにもマッドサイエンティスト的だと思ってしまう。


 ところでスラヴァ級に搭載された巨大対艦ミサイルだが射程1000kmにも及ぶ為、誘導には偵察衛星・偵察機・レーダー基地などを含むウスペク型(後にレジェンダ型)と呼ばれる総合誘導システムが必要な実に大がかりなものだった。ミサイルを使うために地球全域に及ぶ衛星網が構築され、常にアメリカの空母艦隊の位置が監視され、いざと言うときはその情報を元にはるか遠方からミサイルが誘導されるのである。
 こうして書くと実に大がかりなシステムに見えるし、事実ソ連崩壊の一因はこうした巨大なインフラの維持費にもあるのだが、実は今や軍に限らず多くのインフラはこうした地球規模の大がかりな物になっているのを知ってるだろうか。
 一番象徴的なのは携帯電話で、今や多くの機種に搭載されているGPSは地球全域を取り囲む30個あまりもの衛星を使って位置を割り出し、通話やネットも海底ケーブルや衛星網を使って行われる。いまや我々の日常生活は冷戦時代の米ソもかくやという地球規模の大がかりなシステムに寄って支えられているのが現状だ。
 旧ソ連はこうしたインフラを結局は維持しきれなかったが、果たして我々の生活を支えるインフラは維持しきれるのだろうか。

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September 17, 2010

自動化される戦争

 最近、仕事が忙しいのとtwitterにすっかりはまってBlogの更新が滞っている。
とりあえず生存報告を兼ねて小ネタなど。


 今月の日経サイエンスでロボット兵器の小特集記事が載っていた。軍事雑誌と違うので主に現状分析や背景などが中心で、兵器の解説はあまりないが興味深い分析があった。それは今の戦争は米軍を中心に遠隔化・無人化などに加え自動化がますます進んでいるが、それは兵器がますます高速化し人間の反射神経が追いつかなくなっている為でもあるという。つまりステルス化などで発見が難しくなり、しかも兵器自体のスピードも弾やミサイルのスピードも速くなっているので、戦闘が始まってわずか数秒足らずで決着が付いてしまうようになりつつあり、それに対抗するためにコンピューターが人間に替わって攻撃するようになっているというのである。
 確かに近代兵器の大半は敵の発見から照準まで自動的に行い、人間がやるのは引き金を引くだけになりつつある。記事によると突然の攻撃に対する反撃などはもはや引き金さえ人間が引く必要は無いという。確かに突然ミサイルが飛んできたときに人間が判断する時間はないに等しい。こうしたときにコンピューターが人間に替わって自動的にミサイルを迎撃する事が必要とされているのだろう。
 将来、レーザー兵器などが実用化されれば判断する時間はさらに短くなってくる。また今の無人戦闘機のように何百kmも離れた場所から兵器をコントロールするようになれば、どうしてもタイムラグは避けられない。
 将来は地球との交信に何時間もかかる惑星探査機のように、各種兵器にも高度なAIが搭載され人間に替わって判断までするようになるのだろう。
 しかしどんなに完璧を期してもプログラムで想定していない事態はいつか必ず発生する。その時に兵器の進歩で戦闘がわずか数秒で決するようになっていれば人間のフォローは間に合わず、被害は瞬く間に広がってしまうだろう。
 分野は違うが似たような事態は既に経済分野で起きている。シティバンクのトレーダーが「ミリオン」(100万)単位で注文を出そうとした際、誤って「ビリオン」(10億)と打ち込んだ事が原因(ただしまだ未確定)でNYダウ平均株価が一時1000ドル近く下落した事件があったが、これは自動売買システムがこの価格変動に対応して大量の売り注文を出したことが背景にあるという。
 経済分野では被害はまだ金銭的な範囲でとどまるが、軍事分野で同じ事が起これば被害は直接人命に関わることになる。果たしてその時が来るのだろうか。

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March 22, 2010

ロシアネタのリンク覚え書き

たまたまTwitterでソ連の怪物航空艇「エクラノプラン」の話題で盛り上がっていたので、そこで出てきたリンクをメモ。

Экраноплан "Лунь" проект 903

 おまけ、ロシア語のエクラノプランの写真を紹介しているサイト。凄い量の写真がある。

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