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2013.07.14

[書評」老けない筋トレ(山本ケイイチ)ほか筋トレ関連の本

 筋トレを再開して1か月。以前もなんどかやっては挫折している。たいていは病気や発作とかで中断してしまうとなかなか再開できずにいる、というのがある。今回もどこまで続くやら。でも、猛暑の前に体力作っておこうと思ったら、もう猛暑ですよ。もうもう。
 今回の筋トレ再開でいろいろわかったことがある。というか、以前は一定の筋力が維持できればいいやと思っていたし、そのレベルでは順調だったこともあるのだけど、今回はもうちょっと組織的に取り組んでみた。先日、『ライフ・プラン: どんな男性でも健康を維持し、セックスを楽しみ、強くしまった体が持てる』(参照)の話を書いたのもその一環。他にもいろいろ読んでみた。

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ジムに通う前に
読む本
スポーツ科学からみた
トレーニング
 『ジムに通う前に読む本―スポーツ科学からみたトレーニング (ブルーバックス)』(参照)は、その表題どおり、ジムに行く前に知っておくとよいことが書かれている。ジムといっても筋トレに限らず、ストレッチング、ウォーキング、ランニング、エアロビクス、水中トレーニング、ピラティス、ヨガなど多岐に亘っている。どれも的確にまとまっているという感じがした。筋トレ関係では、こんなあたりが重要点だと思った。引用ではない。

  • 筋トレと有酸素運動をするなら、筋トレが先で、その後、有酸素運動。
  • 筋トレ大きな筋肉から小さな筋肉への順で行う。
  • 筋トレは適切な負荷が大切。「これなら10回は反復できるという負荷」をかけて休息し、それから「10回はできない」という負荷を割り出す。例えば、40kgのバーベルを8回しか扱えないなら、IRM(repetition maximum:最大筋力)は、40÷0.8で50kgになる。
  • 筋トレでは、IRM70%以上が必要。持久力アップなら60%から70%。
  • 筋肉を増やす「超回復」は、初心者だと2、3週間かかることもあり、最初は注意。
  • 通常、超回復は2日、最終的には3、4日かかる。
  • 筋トレで筋肉が増えるのは2か月移行。それまでの2か月間は抑制がかかる。初心者なら筋トレの効果がでるのは3か月後。
  • 初心者のレベルを終えたら筋トレにはバリエーションを。または分割してトレーニングを。

 考えてみたらこれまでの筋トレは、ブルワーカーやチューブ、自重(自分の体重)とかで、IRMはあまり意識していなかったなと思う。そこで今回の筋トレでは、IRMを意識しようと思った。が、これ、けっこう大変だった。ダンベルにしても細かく重さの調節をしないといけない。さてどうするか。
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効く筋トレ・効かない筋トレ
体脂肪を落とす・
締まったカラダをつくる
(PHPビジュアル実用BOOKS)
 効果的な筋トレはなんだろうか、と思って読んだのが『効く筋トレ・効かない筋トレ―体脂肪を落とす・締まったカラダをつくる (PHPビジュアル実用BOOKS)』(参照)。まさに実用書という感じのつくり。自分にとって大切だったのは、こんなあたり。

  • 筋肉を増やす筋肥大は、筋肉を引き延ばす(エキセントリック収縮)による筋損傷で起きる。ダンベルなら上げるよりも降ろすときに起きる。例えば、上げる動作は1から2秒で、降ろす動作は2秒じっくり行う。
  • スロートレーニングや加圧トレーニングなどで、筋肉を低酸素状態にすると筋肥大しやすい。
  • 有酸素運動では基礎代謝は向上しないが、筋トレだと向上する。
  • 「超回復」で筋肉の増加がすべて説明がつくわけではない。
  • 筋トレには3つのポイントがある。(1)体幹周辺の大筋群種目を優先する、(2)多関節を動かす種目を入れる、(3)全身にバランスよく行う。
  • 筋トレは、IRMを考慮して8から10の反復が限界の負荷で行う。10回やって余力があれば足りない。回数より限界が重要。
  • 初心者は1種目を2から3セットまでにする。
  • セットのインターバルは、1から3分くらいとる。小さい筋肉なら1分、大きい筋肉なら3分。
  • 筋トレは、1週間に2から3回程度にする。筋肉を休ませることも大切。スプリットルーティン(部位を日で分ける)も検討してよい。
  • マシントレーニングでは筋損傷が起きにくい(効果が低い)。フリーウェイトがよいが難しいが、初心者には向かない。
  • 動作はストリクトに行う。チートしない。
  • 動作範囲はフルレンジにする。
  • 関節の動きをよく知ること

 チートは「ずる」ということだが、普通の意味とはちょっと違う。たとえば、ダンベルを持ち上げるときでも、鍛える対象以外の筋肉を使ってしまうことを指す。私は自著でも書いたが、フェルデンクライス・メソッドというのを長くやっていた。効果的に身体を動かす訓練で、これは筋トレ的にはチートの訓練だったわけだ。筋トレでは、あれと逆になるのかと今回考えさせられた。
 このムックではマシントレーニングはあまり勧めていないが、私のように自然にチートしてしまう人だと、マシンのほうが有益かなと思った。
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5つのコツでカラダが変わる!
筋力トレーニング・メソッド
 もう一冊似たようなムック『5つのコツでカラダが変わる! 筋力トレーニング・メソッド』(参照)も読んだ。こちらは、表題どおり5つのコツがポイント。

5つのコツ


  1. 対象となる筋肉の特性――どこにあるか、どう動くか――を知る。
  2. どの動きでも体幹(コア)を意識する
  3. トルク(関節を回す力)を最適にする
  4. 筋肉の動作の方向を意識する。動作で筋肉を選ぶ。
  5. 一定速度で負荷をかける。急がない。


筋肉を大きくする5つのメカニズム


  1. メカニカルストレス(適切な負荷)
  2. 筋繊維の損傷と再生(適度な筋肉痛)
  3. 代謝環境を整える
  4. 低酸素状態
  5. 成長因子を考慮(60秒休みで3セット)


 このあたりで、筋トレってけっこう難しいものだなとようやく思うようになる。ただし自分の場合は、それほどムキムキになるつもりもないのでとも思う。

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やってはいけない筋トレ
(青春新書)
 混乱するだけかもしれないが、ちょっと別の視点の筋トレ本も読んでみるかなと思って選んだのが、新書の『やってはいけない筋トレ (青春新書インテリジェンス)』(参照)。さらっと気軽に筋トレの全体像を見直そうと思って読んだのだけど、こういうのもなんだけど意外に良書だった。気になったのは次の点。
  • 腹筋が見えるのは体脂肪が10%以下になってから。つまり、腹筋は体脂肪がなければ見えるものだ。
  • 血糖値を保たないと筋肉が分解される(異化作用)なので、一定の糖分も大切になる。
  • 1セットで使われる筋肉は30%ほどなので、まんべんなく筋肉を使うなら3セットが大切。
  • エネルギー消費の点からすると、体幹よりも下半身・大腿筋が大切。
  • 腕立て伏せの自重では、膝をつけて制御するとよい。
  • 筋トレ効果が出るのが8週目以降なのは、脳がそれまでは筋トレに調整されないから。
  • 筋トレの基本は一関節で一筋肉を動かすこと。

 他の本と思想が違う点もあるが、読んでいるとけっこう説得力がある。逆にいうと、細かいところで混乱は増えた。でも自分は初心者なのでそれほど詳細が重要ということはないだろうと思うことにした。
 自分としては、チートが身につきすぎているので、筋肉をストリクトに適切に動かすのには、やはりマシンが適切だろうというのが現状の結論。

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老けない筋トレ
 そして、55歳の私としては『老けない筋トレ』(参照)。ということなのだが、この本、読んでみると、だいたい40歳くらいがターゲットのようだ。考えてみたら「老けない」を意識するのはその年代かもしれない。
 この本だが、こないだの『ライフ・プラン: どんな男性でも健康を維持し、セックスを楽しみ、強くしまった体が持てる』でも思ったのだけど、筋トレに特化せず、柔軟や有酸素運動もバランスよくプログラムしている。
 半面、プログラムはかなりきっちりと3ステージに分かれていて、なるほどこれがベスト・ソリューションなんだろうなとは思うし、ちょっと見た目は難しくはないのだけど、現実にこのステージをこなしていくのは、ほぼ無理なんじゃないかとも思った。
 ステージというのは、たとえば、最初の1か月に当たるステージ1であればまだ筋トレに入らず、ウォーキングなど有酸素運動やストレッチが中心。それから2週目のステージ2で自重系の1か月に入る。これはなんとなく学校時代のトレーニングっぽい。それからいわゆる筋トレのステージ3に入る。ようやく筋トレ。道は意外に長く厳しい。
 というか、私はこれ、参考にはするけど、これにそってすることはないなあとも思った。そういう我流がいけないのかもしれない。
 それでもこうした本を読んでみて、筋トレだからって有酸素運動は疎かにはできないというのは、この1か月の筋トレでもわかった。前からやっている水泳とエリプティカルというマシンも使うようにした。
 かくして1か月。
 どうなったか。
 各種入門書が言うように、筋肉への効果は弱いように思う、というか、あのレベルで筋肉が増えるわけないよな。
 そもそも筋トレをしようと思ってきたのは、55歳なんだから当然なんだけど、大腿筋が細りだして、まいったまいった、ということになったからだった。若い時から着やせするタイプで、でも以前はけっこう大腿筋があった。ジーンズがあまり似合わん。
 でも、大腿筋が細ってくるわけですよ。ええ、これ俺の足かよ、という感じ。年取るってこういうことかとがっかり。
 肩や腕の筋肉はもとからないし、40代にきちんと四十肩もやってしまった。ほんと肩が上がらないという経験した(病気のせいだったかもしれないけど)。
 それでもわずかな期間の筋トレだけど、機能的には少しずつ回復している気がする。身体が軽くなった感じがする。駅の階段が二段おきにひょいひょいと上れる。そういえば30代のころ、駅の階段はこうしてひょいひょいと走って上っていたものだった。今思うと不思議だけど、スーツ着て、けっこう大手町とか走り回っていたものだった。
 あくまで主観だけど、身体がしまってきた印象もある、あくまで主観ね。以前から腹周りは細いのだけど(76cmくらい)脂肪はついている。
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TANITA
【乗った人をピタリと当てる
「乗るピタ機能」搭載】
体組成計 シルバー
BC-705-SV
 先日、タニタの体重計で体内年齢(参照)というが計測できるので、冗談で計ったら、41歳と出た。あはは、間違っとる。俺、そんな若いわけないって。
 数日後、再計測した。体内年齢、28歳。
 なんじゃこれ。笑いを通り越して、苦笑。機械が壊れているんじゃないかな。まあ、また数日してやってみるか、今度は14歳だろうとか思って、やったら、27歳。よくわからん。
 普通に考えたら、間違っているのでしょう。でもま、悪い気はしないな。若くなりたいとかあまり考えなかったが、老化がずんずんと身体に来るようになったので、日常生活の機能維持にも一定の筋肉必要だなと思うようになった。
 今回はどこまで続くかな。
 
 

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コメント

最近、老人のアル中の人は、酢を飲むといいとかいうのをネットで読んで。酢酸が脳のエネルギーになるように適応してしまってるらしいかららしい。でね、酒のせいでそうなったのではなく、もともと脳エネルギーに酢酸が必要になるような、悩みとか豊富な知的活動があるからではと。

ま、老人でなくても、若い人で、よく頭を使う人には筋肉がつきにくいのはよく見ているわけで、酢酸のために、酒を飲めば、酒が多くなって栄養不全というか、たんぱく質不足になるわけで。こちらのせいで筋肉はつかないだろうし、酒を飲まなければ、酢酸不足ということで。一番いいのは、頭を使わないことなんだろうけど。

で、今、酢を多くというのを試しているのだけど、たしかに、筋肉の反応は変るし、頭も楽になるね。ただ、料理に酢を多く使う分には、ま、いいんだけど、酒代わりに飲むとなると、水で薄めても、美味いという感じはしないのと、適量がどのあたりなのかは、まだ不明。酒を飲むよりは酢の方がカラダには楽だけどね。どうなるやら。あと、安い酢を飲むなら、食べるたんぱく質が重要だし。高い酢なら、アミノ酸が豊富らしいから、さほどでもなのかなぁ。

基本、体重だけでも筋肉はついてくることはついてくるね。あと、欧米人と日本人では、体内で酢酸をつくる能力が違うのだろうね。でもま、つくことはつくけど、やっぱり、脳内のエネルギー代謝の方が影響が大だと思う。

あと、印象深かったのは、頭が切れるらしい人が、どうも都こんぶを若いとき、せっせとデスクワークのかたわらに食べていたらしいのを覚えていて、酸味と昆布っていいのかなぁとか、頭に。

以上、笑。

投稿: | 2013.07.14 22:22

うーん、まだ日本のトレーニング書ってこんな7~8年ぐらい前の学識を書いてるんですね。やっぱトレーニング後進国なんだなぁ…
今の科学理論と照らし合わせると、半分は適切だけど
半分は間違い(というより迷信とか最適解ではないといった方がいいかも)ですね

投稿: | 2013.07.25 22:39

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