ステップシーケンサーの使い方(ランダマイズとヒューマナイズ)
投稿日:2008-01-31 Thu
ステップシーケンサーのランダマイズ機能とヒューマナイズプリセット機能を紹介します。どちらの機能も打ち込んだリズムに対して人間味を加えます。
ランダマイズ機能を使うことで音程や音量などをランダムに変化させ、人間らしい演奏にすることができます。ヒューマナイズプリセット機能を使うことで、プリセットで定義された「ノリ」をリズムに加えることができます。
今回紹介する内容は次のとおりです。
・ランダマイズ機能を使う
・ヒューマナイズプリセットの基本的な使い方
・ヒューマナイズプリセット(Grooves)を使う
・ヒューマナイズプリセット(Level)を使う
・ヒューマナイズプリセットを作成する
■ランダマイズ機能を使う
ランダマイズするチャンネルを選択し、[EDIT]-[Randomize]メニューを選択します。
ランダマイズ画面が表示されます。
[Pattern]ではランダムな「機械っぽい」フレーズを作ることができます。
[Levels]では、定位・ベロシティ・カットオフ・レゾナンス・ピッチにランダムな揺らぎを加えることができます。ツマミを左右に回すほど、変化の度合いが大きくなります。
■ヒューマナイズプリセットの基本的な使い方
[F8]キーを押してブラウザを開きます。
Humanizing presetsフォルダの下に2つのサブフォルダGrooves、Levelsがあり、それぞれのフォルダの下にファイルが入っています。
このファイルをチャンネル上にドラッグアンドドロップすることで、ヒューマナイズプリセットを適用することができます。
■ヒューマナイズプリセット(Grooves)を使う
Groovesフォルダには、リズムの「ノリ」が定義されたプリセットが入っています。
試しに「Swing(50%)」を適用してみましょうか。
プリセットをチャンネルにドラッグアンドドロップします。
単調な16ビートのハイハットにスイング感が加わりました。
グラフエディタのShiftを開くと、値が設定されていますね。
このように、Grooveプリセットを使うことでShiftの値を変更し、「ノリ」を変化させることができます。
残念なことに、マニュアルにはプリセットに関する説明がありませんでした。プリセットを選択すると簡単な英語のメッセージが表示されましたので、この英文をベースに代表的なプリセットを紹介します。
(1) LateSnare
スネアを遅らせ、「レイドバック(laid back)」な感じを与えます。
(2) PushPull / PushPullHeavy
ヒップホップな感じ(少しのシャッフル感)を与えます。
PushPullHeavyは変化の度合いが大きいバージョンです。
(3) Swing/Swing(50%)/Swing(75%)
スウィング感を与えます。ステップシーケンサーのスイング機能と同様の効果を持ちます。Swing、Swing(50%)、Swing(75%)の順に変化の度合いが大きくなります。
(4) Triplets
3連符にします。
前回の記事で紹介した3連符の打ち込み方法と同じです。
(5) Triplets(New)
Tripletsというからには3連符のためのプリセットでしょうけれど使い方が謎に包まれています。何がNewなんでしょうか。私には使い方が分かりませんでした。
■ヒューマナイズプリセット(Level)を使う
Levelフォルダには、アクセントとパンポットがが定義されたプリセットが入っています。これらのプリセットをチャンネルにドラッグアンドドロップすることで、グラフエディタのベロシティとパンポットに変化を与えることができます。
代表的なプリセットを紹介します。
(1) FadeLR
定位を左から右に変化させます。
(2) FadeRL
定位を右から左に変化させます。
(3) その他のプリセット
FadeLR, FadeRL以外のプリセットはリズムにアクセントを付けるためのものです。例えばHardTranceでは、次のようなアクセントが定義されています。
アクセントを標準の状態に戻すには、プリセットInitialを適用します。ベロシティが図のような状態に戻ります。
■ヒューマナイズプリセットを作成する
ヒューマナイズプリセットファイルはテキスト形式となっており、メモ帳で手を加えたり、新しいプリセットを作成することができます。
(1) 格納場所
ブラウザでHumanizing presetsを右クリックし、[Explore folder]メニューを選択します。
ヒューマナイズプリセットが格納されたフォルダが開きます。
拡張子 fpr の付いたファイルがヒューマナイズプリセットファイルです。
(2) ヒューマナイズプリセットを開いてみる
試しに Swing.fpr を開いてみます。
メモ帳で編集可能なテキスト形式であることがわかります。
golさんがfprファイルの使い方について書いてくれていますね。
(3) fprファイルの書き方
fprファイルの書き方は次のとおりです。
' コメント ←行の先頭にアポストロフィを付ければコメント行になる
FXID=FXの種類
Val=数字 ←ステップの数だけ記述する。
Val=数字 60個書けば足りなくなることはない。
:
FXID=FXの種類 ←1つのファイルに複数のFXIDを定義できる
Val=数字
Val=数字
:
FXIDとValに指定できる値は次のとおりです。
FXID | Valの指定範囲 | 説明 |
Shift | 0~48 0がシフトなし | 発音タイミングのシフト幅を指定します。 グラフエディタで表示される値とは異なり、 Timebase(PPQ)が192のときの値を指定することに 注意してください。 |
Vol | 0~128 | ベロシティを指定します。 |
Pan | 0(左)~128(右) 64が中央 | 定位を指定します。 |
Release | 0(0%)~127(100%) 64が50% | リリース(音の余韻)を指定します。 |
Pitch | 0(-1200セント) ~240(+1200セント) 120が±0 | ピッチを指定します。 |
ModX | 0(-100%)~255(100%) 127が0% | カットオフ周波数を指定します。 |
ModY | 0(-100%)~255(100%) 127が0% | レゾナンス(エンファシス)を指定します。 |
Note | 0(C0)~127(G10) 60がC5 | 非アクティブノートを指定します。 上限が127(G10)となっていますが、ピアノロールからはみ出して しまいますので、実質的な上限は124(E10)です。 |
次回に続く
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