Fruity Peak Controllerの使い方(その1)
投稿日:2008-05-20 Tue
Fruity Peak Controllerは、入力された音声信号の大きさに従い、他のオートメーションパラメータを制御するエフェクタです。Fruity Peak Controller自身が音を変化させるわけではないので効果がわかりにくいですが、他のエフェクタと組み合わせることで色々な使い方ができる優れものです。
今回紹介する内容は次のとおりです。
・Fruity Peak Controllerの追加方法
・使用例:ゲインパンピング
・使用例:ステップゲート(トランスゲート)
■ Fruity Peak Controllerの追加方法
ミキサーのFXスロットで[▼]ボタンを押し、[Select]-[Fruity Peak Controller]メニューを選択します。
Fruity Peak Controllerが追加されます。
追加直後は[Mute]ランプがオンになっていて、入力された音がミュートされることに注意してください。
■ 使用例:ゲインパンピング
ゲインパンピングとは、リズムと同期してパッドの音量を上下させ、独特の「うねり」を出すエフェクトのことです。特にダンスミュージックで利用されています。
一般的にはサイドチェイン(キーイン)機能を備えたコンプレッサーで実現することが多いようですが、FL Studioにはサイドチェインコンプレッサーが標準添付されていない(※)ので、Fruity Peak Controllerを使って代用してみましょう。
※:FL Studio 8にはMaximusというコンプリミッターが添付されており、これにサイドチェイン機能が付いています。ただしデモ版であり、別途購入が必要です。
サンプルプロジェクト: [ flpeakctrl-demo-1.flp ]
キック音のチャンネルを用意し、4つ打ち(4拍子)のキックを打ち込みます。
キック音の出力先ミキサートラックに1を指定します。
次にパッド音を追加します。
[CHANNELS]-[Add one]-[Sytrus]を選択し、Sytrusを追加します。
Sytrusの音が鳴るよう、小節先頭をオンにします。
Sytrusの出力先ミキサートラックに2を指定します。
ミキサートラック1のFXスロットにFruity Peak Controllerを追加します。
ミキサートラック2のFXスロットにFruity Balanceを追加します。
(Fruity Balanceとはパンポットと音量を調節するだけの簡単なエフェクタです。今回はSytrusの音量調整に利用します。)
Fruity Balanceの[Volume]ツマミを右クリックし、[Link to controller...]メニューを選択します。
[Internal controller]から"Peak ctrl(Insert 1) - Peak"を選択し、[Accept]ボタンを押します。
Fruity Peak Contollerの画面に戻り、[MUTE]を押してミュートを解除します。
[Peak base level]を100%に、[Peak amount]を-150%ぐらいにします。
以上で設定は完了です。
演奏を開始すると、ビートに合わせてパッド音量が変化するはずです。
[ flpeakctrl-demo-1.mp3 ]
うねり具合はFruity Peak Controller上段の4つのツマミで調整できます。
[Tns]グラフを上下させると音量変化のカーブを変えられます。グラフを上にするほど音量変化が急激になります。
[DEC]ツマミで音量変化のスピードを変えられます。
[BASE]ツマミと[VOL]ツマミで音量変化の量と範囲を変えられます。このツマミの調整にはちょっとしたコツがあります。入力信号の大きさに比例してFruity Peak Controllerの出力を大きくする場合は[BASE]を小さく[VOL]をプラスの値に、入力信号の大きさに反比例して出力を大きくする場合は[BASE]を大きく[VOL]をマイナスの値に設定します。
Fruity Peak Controllerの入力と出力は、右上のグラフで確認することができます。
[I]が入力、[P]がピーク出力、[L]がLFO出力のグラフです。
■ 使用例:ステップゲート(トランスゲート)
ステップゲートとは、一定のパターンで音量を変化させるエフェクトです。特にトランスミュージックで多用されているため、トランスゲートと呼ばれることもあります。
先ほどのゲインパンピング同様、Fruity Peak ContollerとFruity Balanceを使って実現してみようと思います。
サンプルプロジェクト: [ flpeakctrl-demo-2.flp ]
[CHANNELS]-[Add one]-[3x Osc]を選択し、3x Oscを追加します。
3x Oscの出力先ミキサートラックに1を指定します。
[CHANNELS]-[Add one]-[Sytrus]を選択し、Sytrusを追加します。
Sytrusの出力先ミキサートラックに2を指定します。
ミキサートラック1のFXスロットにFruity Peak Controllerを追加します。
ミキサートラック2のFXスロットにFruity Balanceを追加します。
Fruity Balanceの[Volume]ツマミを右クリックし、[Link to controller...]メニューを選択します。
[Internal controller]から"Peak ctrl(Insert 1) - Peak"を選択し、[Accept]ボタンを押します。
Sytrusのピアノロールを開き、コード音を打ち込みます。
3x Oscのピアノロールを開き、ステップゲートのパターン(音量変化のパターン)を打ち込みます。音階は何でもかまいません。
Fruity Peak Contollerの画面に戻り、[Peak base level]を20%に、[Peak amount]を200%にします。
ゲインパンピングのときとは異なり、[Mute]の解除は不要です。
以上で設定は完了です。
演奏を開始すると、3x Oscに打ち込んだパターンに合わせてSytrusの音量が変化するはずです。
[ flpeakctrl-demo-2.mp3 ]
続く
Tranceのベースって単に裏で打つの??
場合によってはそうでしょうけど、なかなかどうして奥が深いようです。
以前に楽曲を2ちゃんねるに... 2008-05-25 Sun 16:51:40 | r.z.f~ReiZFactory~
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