ステップシーケンサーの使い方(スイングとシフトの活用)
投稿日:2008-01-30 Wed
ステップシーケンサーのスイング機能とシフト機能の活用方法を紹介します。スイング機能を使えばリズムをシャッフル気味にしてノリを加えることができます。また、シフト機能を使えば連符の入力ができます。
今回紹介する内容は次のとおりです。
・スイング機能
・シフト機能を使って連符を打ち込む
・3連符を打ち込む
・5連符を打ち込む
・32分音符を打ち込む
・より細かい3連符を打ち込む
■ スイング機能
この例ではハウスのリズムを打ち込んでいます。
メインの「ツチーツチー」というハイハットとは別に、16分の808ハイハットを加えていますが、どうもノリがそれらしくなりません。
ステップシーケンサー上部の[SWING]スライダーを大きくしてみます。
808ハイハットのリズムが「チチチチ」から「チッチチッチ・・・」というシャッフルのリズムとなりました。裏打ちのスネアも少し溜める感じが出ています。さっきと比べてよりハウスっぽいリズムになりましたね。(本格的なハウスのリズムには程遠いですが・・・)
このように[SWING]スライダーを大きくすることで、偶数ステップの音の発生タイミングを遅らせることができます。最大まで大きくすると、3連符の頭と最後を鳴らした状態となります。
■ シフト機能を使って連符を打ち込む
グラフエディタのShiftを使えば、発声タイミングを遅らせることができます。
この機能を使って連符を打ち込む方法を考えて見ましょう。
■ 3連符を打ち込む
標準の設定では、ステップシーケンサーのボタンが16分音符1つに対応しています。
2つ目のボタンと3つ目のボタンの発声タイミングを遅らせ、4つ目のボタンを使わないようにすれば、3連符が表現できそうです。
具体的にどれだけ遅らせればいいのか計算してみましょう。
標準ではタイムベース96、4/4拍子となっていますので、1ビート=4分音符=96=ステップ4つという関係になっています。つまり、1ステップ=24の長さを持っているわけです。
3連8分音符は4分音符を3等分する音符ですから96÷3=32の長さです。
以上のことを表にまとめると次のようになります。
ここで、3連8分音符とデフォルトの位置の差を取ります。(赤字の部分)
これをグラフエディタのShiftに設定します。
「タタタ タタタ タタタ タタタ」というように、3連8分音符で演奏されるはずです。
■5連符を打ち込む
今度は5連符に挑戦してみましょうか。
考え方は3連符のときと同様ですが、すこしひねる必要があります。
5連8分音符は2分音符を5等分する音符ですから96×2÷5=38.4の長さです。半端な長さですが、計算結果を四捨五入することで対応します。
先ほどと同様、表にまとめてみました。
最初に考えたのが「5連8分音符(誤)」です。
これでよさそうに思えますが、グラフエディタのShiftでは0~24の範囲しか指定できませんので、29・43・58といった数字が出てくるのは困ります。
差が24を超えないように調整したのが「5連8分音符(正)」です。
グラフエディタに設定してみましょうか。
5連符が演奏されるはずです。
■ 32分音符を打ち込む
ステップシーケンサーで32分音符を打ち込んでみます。
標準のままでは16分音符より細かい音符が打ち込めませんので、プロジェクトの設定を変更します。
[OPTIONS]-[Project general settings]メニューを選択します。
[Bar]の値を4(1ビート=4ステップ)から8(1ビート=8ステップ)に変更します。
ステップシーケンサーの横幅が長くなりましたね。
これで、1ステップ(1つのボタン)の音符が32分音符となりました。
フュージョン系で良くあるリズムを打ち込んでみましょうか。
赤丸の部分のハイハットがキモです。ここが32分音符のアクセントとなっています。
■ より細かい3連符を打ち込む
さきほど打ち込んだ3連符よりも細かい3連符、3連16分音符を打ちこんでみましょう。
プロジェクト設定の[Bar]を8に設定したあと、グラフエディタで図のような設定をします。
3連8分音符のときの半分の値を設定します。
×マークは使わないステップを示します。
■ 最後に
シフト機能は連符の打ち込み以外にも、発声タイミングを微妙に変えることで生っぽさを表現したり、リズムのもたり感を出したりするのにも使えます。
次回に続く
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