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12月25日 マドリッド発18:50の便で、20:20メノルカ到着。


 空港からタクシーに乗る。車は夕暮れ時、ホテルのあるマオウ(Maó)へ続くがらがらの道を進んでいく。恒例のスペイン語の勉強。運転手さんに声をかけると、いつもはもっと車は多い。でも今日は25日なのでこんなあんばい。私をホテルに送り届けたら今日の仕事は終わり、家でクリスマスを祝う。また、ここで日本人を見かけたことがないなと言う。


 もちろん、日本でも知られていないメノルカ島、本土から遠いこともあり、旅行会社も観光地としては選ばないのだろう。時たま、変わった旅行者、私のような者?が間違って訪れるのかもしれないが・・・


 ホテルは港に近く、夕食を取った後散歩に出る。やはりバルは全部閉まり、明かりのついているのは中華レストランだけだった。


12月26日 今日1日でメノルカ観光。貸し切りタクシーで遺跡を求め、いざ出発!



 運転手さんに大きな地図を広げて、目的地を指し示す。すると、ここには遺跡がゴロゴロあり、私が行きたい遺跡は近いところにあるので、せっかくだから北の方へも足を延ばそうということになった。


 それでまず、この島のど真ん中にある町Es Mercadalに向かう。車の窓から外を眺めていると右方向の山上に大きなキリスト像が見えてきた。トロ山にある聖地(Santuario en el Monte Toro)だ。車で頂上まで行き、真下から像を見上げるとまたまた大きい。でもどこかで見たことがあるぞ。 はてさて? どこだっけ?


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 次に車はまっすぐ北に向かう。海岸線を走りその先端にある白い町Fornellsに着く。運転手さんが左の丘の方を指さすと、そこに石でできた円筒状の建物 Talaia de Fornellsがあった。この建物の写真はガイドブックにはなく、町の説明の中に、この町はサン・アントニオ城 El castillo de San Antonio(sigloXVII)の周りに作られたとあるので、その城跡かもしれない。


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 この城跡のある半島を中心にして、右と左に新たな半島を望むことができる。私たちは今から左側にあるメノルカの最北端にある岬に向かうのだ。
 

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 めざせ!灯台 Far de Cavallería!この灯台の写真をよくご覧あれ。壁面に取り付けられたもの・・・太陽光発電装置。なんて近代的な灯台。スペインを侮れない。しかし、これに気がついたのはブログに乗せる写真を選んでいた時だ。このときはひたすら遺跡のほうに興味があったので、灯台の方に目がいってなかったのである。


 だから、運転手さんが教えてくれた灯台の裏の岸壁にあるものの方が大いに興味をひかれた。そこには何が?・・・この切り立った岸壁に洞穴がある。それも人工的に作られ、そこで生活していた名残もある。いったいどんな人たちが、何のためにわざわざこんな険しいところに・・・答えは出ない。でも大昔に思いを巡らすのは楽しいものだ。


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 そろそろお腹もすいてきた。次の目的地Biniveca Vellへ行くには時間がかかるので、マオウから南に下がった途中にある町Sant Lluísでタクシーを降り、食事タイム。午前中の観光終了。


 腹ごしらえもできた。午後の観光開始。改めてタクシーを頼み、目指すは白い町Biniveca Vellへ。


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 冬、人っ子ひとりいない真っ白な町。目も口も全部閉ざし、風と波の音を子守歌にして眠りに入った町Biniveca Vell 


 夏、灼熱の太陽が白い壁を照らすと、いっぺんに目も口も開け、人々のざわめきを音楽にして、眠らない町に変身するだろう。


 今、私は復活する前の遺跡の町Biniveca Vellを見た。


 運転手さん曰く、この島にはいっぱい遺跡がある。その中でマオウの近くにある Taula de Trepucoへ寄ることにした。


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 集落跡の真ん中にそびえる巨石柱。それもT字に積まれている。何に使われていたのだろう。いろんな遺跡を見るたびに思うことは、先人たちの知恵、特に建築物に関するものに驚かされる。いつまでもこのまま大事に保存されることを願うばかりだ。


 冬の夕暮れは早い。見るものが多くさすがに疲れてきた。でも最後に運転手さんご推薦のメノルカの建物、マオウの町の中心にあるCasa Mir.へ。とてもモダンな建築物である。


 スペインではめったに見られないイギリス風建物がここにある。


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 たった1日だったが、新たなスペインの一場面をみた。

 
 明日はマジョルカだ。


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2009.02.26 Thu l スペイン回想録 l COM(0) TB(0) l top ▲
 12月に入るとスペインでは一気にクリスマスムードに突入する。


 通りはクリスマスのイルミネーションが取り付けられ、マジョール広場ではクリスマス用の飾り付けの商店が立ち並び、ソルの広場には大きなクリスマスツリーが作られる。この雰囲気は翌年の1月6日東方の三博士(Los Reyes Magos)まで続く。


 日本との大きな違いは、クリスマスは家で祝うもの。24日、25日になると交通機関も早く終わり、タクシーも拾えない。仕事を早く切り上げ、家族でパーティをする。


 またレストランも閉まる。クリスマス当日、素適なレストランでクリスマスムードを味わおうとやってきた旅行者にとっては、とんでもないことになる。唯一開いているのは中華料理店だけ。クリスマスに中華料理というのも考えてしまうが、何も食べられないよりはいいかも。


 私は24日に知り合いの日本人の家でクリスマスパーティをし、メトロが動いているうちにアパートへ帰った。


 そして、25日から29日までクリスマス休暇と銘うって、メノルカ(Menorca)島とマジョルカ(Mallorca)島を旅してきた。


 マジョルカ島は有名だ。日本のガイドブックには出ている。しかし、メノルカ島はというと・・・ない。解説がない。私の旅行はガイドブックに出ているおもな都市を回ること。それなのにどうしてここを選んだか。これには大きな勘違いがあったのだ。


 マジョルカ島はスペイン人が勧めてくれたので、さっそくガイドブックを買いに本屋に行った。マドリッドのグラン・ビアにある大きな本屋(Casa del Libro)の旅行ガイドや地図のコーナー。見つけた。レジも済ませた。


 家で改めて本を見ると、表紙に“Menorca”と書いてあるではないか!


 えっ? “Mallorca”と“Menorca”違うのは“all”と“en”のみ。メノルカってどこ? 何で間違うの? 我ながら情けない。


 「仕方ない。スペインのどこかの場所だろう。」と思いながら本の写真を見ていると、俄然興味がわいてきた。私は日本にいたとき、石仏めぐりに参加していた。石でできた素朴な仏さんや遺跡を見るのが大好き。あるではないか、メノルカ島には遺跡がある。それにこの島はマジョルカ島の隣。なんてラッキーな勘違いなんだろう。それで、この2つの島を巡ることになったのだ。本当は船で行きたかったのだが、冬の時期波が高いため欠航していたのが残念。


 次回は、この2つの島の旅日記をお届けしよう。


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2009.02.15 Sun l スペイン回想録 l COM(0) TB(0) l top ▲
スペインは休日が多い? 


 スペインの祭日は全国的なものと、それプラス県によってきめられた祭日があり、11月9日はマドリッドの休日。まだカレンダーの祭日が頭に入っていない私にとっては、休日があるとこの日は何の日?と考えてしまう。


 祭日はもちろん授業がないので家でテレビを見ていると、見覚えのある風景が目に飛び込んできた。ソルの広場(Puerta del Sol)ではないか。アナウンサーの言葉に耳を傾けると、ちょうどお祭りのパレードが始まり、王宮(Palacio Real)前を通りマドリッドのアルムデナ教会(Catedral Nuestra Se醇oora de la Almudena)へマリア様が運ばれるという。


 私のアパートからそこまでは歩いて5分とかからない。さっそくカメラを片手に外へ飛び出した。すでに王宮前の道にはいっぱいの人で、パレードが通るのを今か今かと待っていたが、私は少しずつ前に進み、前列でかがみながらカメラを構えた。


 いいタイミングで到着。10分も待たないうちにパレードの先頭が見え、それぞれの教会の信者であろうか、象徴とする旗を先頭に静々とグループごとに私たちの方へ進んできた。


 そして、最後にイエス・キリストを胸に抱き、花に囲まれたマリア様が日本流に言うとみこしに乗ってやってきた。スペインでは担ぎ手(Costalero)はみこしの下に入り、幕で覆われるため、足元しか見られない。


 以前偶然にもセビージャの夏祭りに、カテドラルから出てくるマリア様に遭遇したことがある。その時みこしの下で40個ほどのうごめくものは何かと不思議に思ったが、それが担ぎ手の足だったのだ。約1時間のパレードだが、スペインの夏とあれば40℃は越える。相当過酷な状態である。それでも苦痛に耐えることで、イエスとともにありという宗教的なものから来るのであろう。担ぎ手になることをとても名誉に思っている。


 マドリッドのこの日は真っ青な空。王立劇場(Teatro Real)やマドリッド・タワー・ビルが空に映える。シャッターを押しながら、また新しい思い出ができたのを喜び、パレードを見送った。


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2009.02.06 Fri l スペイン回想録 l COM(0) TB(0) l top ▲