映画「グレイテスト・ショーマン(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
ディレクター目線のざっくりストーリー
1800年代中頃のアメリカ。貧しい生まれの興行師のP・T・バーナムは、妻と2人の娘の幸せのために悪戦苦闘する中で、世間の差別や偏見の中でひっそりと生きていた一見変わった特徴や個性を持った人たちを集めて、斬新な見世物(ショー)を大ヒットさせ、裕福になるも上流階級からは下等なショーだと認めてもらえない。
そこで、欧州で大人気の美貌のオペラ歌手ジェニー・リンドのアメリカ公演を大成功させ、ついに一流の興行師として認められる。
一方、バーナムの相棒で上流階級出身の興行師バーナムは、ショーの団長を任され、ショーを成功させるために団員たちと頑張るが、コツコツと積み上げて来たもの全てを失うような一大事が立ちはだかる…
※本年度アカデミー賞R 1部門ノミネート 歌曲賞
稀有な商才や仰天挿話を持つ「ショー・ビジネス」を生みの親
本作は、1800年代に実在した「ショー・ビジネス」の概念を生み出した男・ 興行師P・T・バーナムの半生を描くミュージカル映画。
当時は演劇や音楽が上流階級のものだった時代に、人間の曲芸や動物を使った芸などを組合せたサーカス形式や、 サーカス業界初の興業列車を始めたことで有名で、映画『地上最大のショウ』(1952年)のモデルとなった人物だが、 嘘つきで山師と言われた男でもある。
ハングリー精神と向上心を武器に生き抜く男のサクセス・ストーリー
実際は、ひっそりと生活していたフリークスたちを見世物にしたのは事実で、人権的な意味では評価が分かれる人物でもある。でも、本作はそのような「負」の部分をバッサリと斬り捨てて、家族を大切にし、ハングリー精神と向上心を武器に生き抜く男のサクセス・ストーリーが主軸の豪華ミュージカル映画に仕上がっている。
冒頭から、映像と音に目も耳も完全に支配される
とにかく、冒頭の約10分間に圧倒される。まず、配給会社のロゴ直後から予告編の世界が全開で始まるのに驚かされ、主人公の生い立ちから成人期までの時間経過の表現がスピーディー且つ丁寧に描かれ、グイグイと作品の世界へ惹き込まれる。
久し振りに予告編を超える、雄叫びのように炸裂する歌と、気持ち良くタイミングが合う圧巻のダンス・パフォーマンスの連続で、スクリーンの映像と音に目も耳も完全に支配されること間違いなしだ。
ドラマが箇条書きで、ミュージカル・パートがややくどいのが残念
本作は、ストーリーを見るよりも、俳優陣の素晴らしい歌唱力とダンス、コーラスの美しさやドラムの力強さなどを体感する映画だ。とは言え、ストーリーがダイジェスト版並みに箇条書きなのと、ミュージカル・パートに似たような表現が多く、ややくどい印象なのが残念。104分の短めな上演時間に助けられてはいるが。
あとがき
やや箇条書きのドラマに不満は残りますが、圧巻の歌とダンスが見られるなら満足度は高いです。「誰にも “欠けているもの ” はあるけれど、それを隠す必要なんてない。だって、それがありのままの私だから。そして、どんな人にも輝ける場所がある…」と歌う主題歌『This is me(これが私)』を、劇場で観るだけでも価値があります。
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