映画「ダークタワー(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
なお、原作であるスティーヴン・キングの長編小説『ダーク・タワー』(Kindle版で、全14冊)は未読。
ディレクター目線のざっくりストーリー
“巨大なタワー” “拳銃使いの戦士” “魔術を操る黒衣の男” が現れる悪夢を見続けている少年ジェイクは、ある日、夢で見た「中間世界」と呼ばれるどこかの時空間と現実世界が繋がっている場所を見つけ、「中間世界」に導かれてしまう。
ジェイクは、2つの世界のバランスを維持する『ダークタワー』の守護神である『ガンスリンガー』のローランドと出会うが、そのガンスリンガーは、タワーを破壊しようとする黒衣の男ウォルターを倒す旅をしていた。そんな時、黒衣の男はジェイクこそがタワーを破壊できる唯一の特殊能力の持ち主だと気づき、3人の闘いが始まる…
"未来仕立ての西部劇映画風" だけなら良かったのに…
全ての世界と宇宙を繋ぎ止める支柱である “暗黒の塔” が倒壊しかかっているために、時間も空間も変転し荒廃した異界「中間世界」を舞台に、その塔を守る最後の拳銃使いである「ガンスリンガー」であるローランドが、塔の破壊を企む宿敵である「黒衣の男」を追い続ける孤独な旅の戦いを描いた…未来仕立ての西部劇映画だけなら良かったのが本作。
ロードムービー+追跡劇+西部劇=異色で超時空な冒険ファンタジー
そこへ、塔を破壊できる唯一の特殊能力の持ち主である少年ジェイクが登場して、ジェイク少年とローランドが少しずつ心を通わせていくロードムービー的な要素と、ジェイクの能力を利用しようと企む「黒衣の男」の追跡劇の2つの要素が更に加わり、時空を超えたロードムービーと追跡劇と西部劇が合体した、異色で壮大な冒険ファンタジー。
ちと古めかしくて、ダイジェスト感が半端無いのが残念…
実は映像も美しいし個性的、物語の展開も速いし、メインの登場人物たちの設定も分かり易いのだが、全体的な物語性やそれの映像化と言う意味では、日本で2018年正月に公開されるには、ちと古めかしい。また、95分の上映時間にもの凄い壮大な世界観が詰め込まれているから、ダイジェスト感が半端無い。
ブツ切れとストレートに描き過ぎて、パーッと進んで余韻無し…
更に残念なのは、原作がスティーブン・キングであるにも関わらず、95分の映画を見る限りでは全てがストレートに描かれ過ぎて、余韻も何もあったものではない状態。言ってしまえば、世の中の全てを牛耳る塔の存亡を賭けて闘うだけ。出来れば、塔の存亡の先に何かがあるような匂わせがあったら、もっと心に響いたかも知れない…
あとがき
時空を超えたロードムービーと追跡劇と西部劇が合体した、異色で壮大な冒険ファンタジーです。映像も美しくて個性的、物語の展開も速く、メインの登場人物たちの設定も分かり易いですが、残念ながら全体的にちと古めかしい。また、95分の上映時間に壮大な世界観が詰め込まれており、ダイジェスト感が半端無いです。『指輪物語』的な壮大な作品好きになら楽しめるかも?
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Dark Tower / [DVD] [Import]
The Dark Tower (Original Motion Picture Soundtrack)
ダークタワー I ガンスリンガー (角川文庫)
「ダークタワー」シリーズ I‐VII【14冊 合本版】 (角川文庫)