ビリオン×スクール (第5話・2024/8/2) 感想
フジテレビ系・金曜9時枠のドラマ『ビリオン×スクール』
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第5話『AI教師はパパ活女子高生を更生できるか?』の感想。
加賀美零(山田涼介)の父であり「加賀美グループ」会長の加賀美治(市村正親)が倒れ、病院に搬送される。秘書の芹沢一花(木南晴夏)とともに病院へ急ぐ加賀美。途中、芹沢は0組の生徒・松下リナ(倉沢杏菜)がマッチングアプリで知り合った中年男性と会っているのを目撃する。
治はただの貧血であり、加賀美を叱責し。その翌日、加賀美は芹沢からリナの件を聞き、調査を開始。リナにパパ活をやめるよう命じるが、リナは無視する。加賀美はティーチ(安達祐実)の助言を得て、「フォロワーを100倍にしてやるから学校に来い」とリナに告げる。
周りから認められたいリナと承認欲求の強い加賀美が騒動を巻き起こす中、芹沢は加賀美と治の関係を気にかけていた。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---
原作:なし
脚本:我人祥太(過去作/墜落JKと廃人教師,奪われた僕たち,ゴーストヤンキー)
脚本協力:西垣匡基(過去作/) 第2話
演出:瑠東東一郎(過去作/浦安鉄筋家族,極主夫道,魔法のリノベ) 第1,2話
西岡和宏(過去作/親愛なる僕へ殺意をこめて,元彼の遺言状,婚活1000本ノック) 第3,4話
松下敏也(過去作/松下敏也,元彼の遺言状DIVE!!,映画「Gメン」助監督) 第5話
音楽:宮崎誠(過去作/今だから、新作ドラマ作ってみました 第3夜「転・コウ・生」)
主題歌:Ado「ルル」
P:江花松樹(過去作/うちの弁護士は手がかかる,クライムファミリー)
※敬称略
目下「瑠東東一郎魂」を受け継ぎ中の松下敏也氏が演出担当
「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。
冒頭から演出がこれまでとちょっと違うような。
全体的に「引きの絵による説明」は多いが、キメの見せ場はちゃんと魅せる。
全体の映像の雰囲気やテンポ感やメリハリは、メイン監督の瑠東東一郎氏に似ている。
誰かと思ったら、放送開始直後には公式サイトに名前のなかった松下敏也氏だ。
もう詳しく書かないが、経験の浅いスタッフが連ドラ途中から… ということだ。
しかし、「松下敏也」と知ると、ディレクタの目線ではスルーできない。
過去には、瑠東氏とドラマ『浦安鉄筋華族』、某事務所系ドラマでは『DIVE!!』の演出担当。
最近作は、の瑠東東一郎監督・岸優太主演の映画『Gメン』(東映/2023)で助監督を務めている。
従って、目下「瑠東東一郎魂」を受け継ぎ中のディレクターというわけだ。
ディレクターの練習台としてはなかなか良い脚本
さて、本編の感想だ。
個人的には、ディレクターの練習台としてはなかなか良い脚本だったと思う。
もちろん、学園ドラマの割に「ほぼ学校に関係ない」という根本的な問題は抱えてはいるが(苦笑)
その上、主人公の出番もメッチャ少ないし。
しかし、総話数は不明だが、第5話が折り返し地点だとするなら、雰囲気を変えるという意味で悪くない。
というか、これ、今まで描いたことを自ら整理整頓して再出発するための内容だったのでは? と思うのだ。
そう思うのは、しっかりと主人公・加賀美零(山田涼介)と、秘書兼ボディガード・芹沢一花(木南晴夏)の位置づけをいかしたストーリーになっていたからだ。
これは、敢えて二人を別行動にしたことで、個々が際立ったのは間違いない。
また、加賀美があれこれと奮闘する理由を、0組の生徒・松下リナ(倉沢杏菜)と重ね。
「承認欲求を満たしたい」を共通項にうまく因数分解し。
今どきの 「Z世代は SNSで褒められても満たされない」問題に斬り込んだ(褒めすぎか?)
でも、こういう今どきの要素は、「いつも同じ」に見えないようにするためにも学園ドラマでは意外と重要なのだ。
そして、これまでも、なんとなく匂わせていた、米国マーベル映画『アイアンマン』への秘めたオマージュだ。
映画『アイアンマン』とは、天才的な頭脳を持つ実業家であり発明家が自ら開発した最新鋭最新鋭のパワードスーツで戦うセレブヒーローが世界の危機を救う、2008年のアメリカのスーパーヒーロー映画。
もちろん、今作のほうが、断然スケールは小さいが(笑)
先日の、ハリウッド映画のスタッフが… は、そこに通じるネタだと思う。
これまでで、最も普通に楽しめる一話
学校があまり登場しなかったのは残念だが、いくつかいい場面もあった。
学校の屋上で、加賀美と校務員・内巻雫(神木隆之介)がやり取りした直後の、オレンジ色のマリーゴールドに水滴が垂れるイメージカットなんて、「瑠東東一郎魂」を感じるし。
芹沢の「タイムマシンは ないんですよ?」の直後の、手持ちカメラで捉える加賀美の揺れる顔のアップなんて、引きの画を続けてきたからこその際立ちだし、山田涼介さんをちゃんと魅せることにも成功している。
もちろん、加賀美のボディガードでもある芹沢を演じる木南晴夏のアクションの見せ場も盛り込んでいたし。
だったと思う。
あとがき
敢えていうなら、私は基本的に「ドラマに、やたらと “死や余命”“病気や障がい”を盛り込むな!」の立場なので、加賀美の父で「加賀美グループ」会長でもある加賀美治(市村正親)の “死や余命” は必要だったのかな? と問いたいです。
それこそ、次回から、ティーチ(安達祐実)をベースに、父でバージョンアップしたエヴァ風の「ティーチ弐号機」として登場するなら面白いと思います。
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