2009/08/12 ■ フルカラー立体動画を105円で楽しむ方法。または、FinePix REAL 3D W1で撮った立体写真を格安で人に配る方法。 Xでつぶやくこのエントリーをブックマークに追加このエントリーを含むはてなブックマーク

「立体デジカメ」ことFinePix REAL 3D W1を買ってしまいました。
以前「立体ウェブカメラ」ことminoru 3Dを買ってしまってからというもの、立体写真・立体動画というものの面白さに(いまさらながら)目覚めていったわけですが、そのなんというか現在の完成系といった感があるカメラです。
初物・際物なりの詰めの甘さみたいなものは随所に感じるし、いわゆるコンデジとしてはゴツく重い(ステレオカメラとしては驚異的に小さいんですが)特殊なカメラではありますが、それをひっくり返すくらい面白い写真や動画がいとも簡単に撮れてしまいます。

一方、Youtubeが3D対応したりなど、どうも2009年は「立体写真界」にとってターニングポイントと言っていいくらいの出来事が集中しているような気がします。

…という話を見聞きしていても、ほとんどの人は他人事だと思っていることでしょう。わかりますわかります。
なぜか?そりゃ、「立体(3D)コンテンツなんて言われたって俺見えねえもん」って人がほとんどだから。


3Dコンテンツを3Dとして楽しむためには、視聴側にも特殊な環境が必要です。
そんな「特殊な環境」の中で一番手っ取り早くみなさんがピンとくるのは「赤青眼鏡」(アナグリフ)じゃないでしょうか。


昔は3Dといえばこれ!でした。言い換えれば、枯れたというか成熟した技術ともいいます。私が「ニコニコ生放送」で「立体放送」を実施した時も、この赤青眼鏡式でやりました。
この赤青眼鏡、通販なら80円くらいからあったりします。…が、問題は、通販以外にあんまり手軽に手に入るところが無い、ということ。あとはセロファンを買ってきて自作するという手もありますが、それも「多くの人が簡単に手に入る視聴環境」という面ではちょっとハードルが高い。実際、ニコニコ生放送で立体放送!とぶち上げても、感想の大多数は「赤青眼鏡なんて持ってねえよ!」「どこ行けば買えるんだよ!」でした。

さらに、アナグリフには色が不自然になり目が疲れるという欠点もあります。色の面はカラーアナグリフという技術を使えば結構いい線行くんですが、それでもフルカラーの美しい映像、とはちょっと違う。

せっかくもとの画像はフルカラーであるのだったら、フルカラーで楽しみたい。


…前置きが長くなりましたが、
そういう人向けの、簡単に手に入る、格安の、ちゃんとフルカラーで立体視できて、いろんな3Dコンテンツに対応している3D視聴方法がありますので今回はそれをご紹介したいと思います。




用意するものはこれ!
ダイソーなどの100円均一で手に入る、+5.00という超強い度の老眼鏡、です。105円。

この老眼鏡を使って、左右に並んだ(平行法用の)3D写真に対して



このように

写真-(15cmくらい)-老眼鏡レンズ-(5cmくらい)-ç›®

という風に、焦点があうように隙間をあけて覗き込みます。(おのおのの距離は写真の大きさによって変化します。最適なところはなんとなく動かしながら覗いて見つけてください)
するとあらふしぎ!写真が立体に見えてくるはずです。もちろんフルカラーで!

いわゆる裸眼立体視の平行法(寄り目じゃなくて遠くを見るやつ)とやってることは同じことなのですが、焦点をあわせる補助として老眼鏡を使うことで格段に楽になりますよ、という仕組み。というか、私は裸眼立体視はできたためしがありませんがこの方法なら非常に快適に立体映像が楽しめます。

まずは本blogエントリーにあがっている写真はすべてこの平行法用になっていますので、これらの写真で試してみましょう。そして、発端であるこのYoutube 3D動画をはじめとしてYoutubeの3D対応動画なら「Parallel」に設定すればこの視聴方法が可能です。

で、ここからが大事なんですが


この立体視方法を使うと、誰でも紙に印刷しただけのステレオプリントを立体で見ることができる、ということなんですね。そのための道具も、ダイソーで買えちゃう。
つまり、FinePix REAL 3D W1で撮った写真を人にプレゼントしたい時に、普通のプリンタで印刷したものを渡すだけで、この方法なら相手にそれほどの負担なく立体コンテンツとして楽しんでもらえる、ということなんですよ。
立体で撮っても立体で見てもらう手段が無い、コンテンツを生産できてもコンテンツを消費できない、というのが「3D・立体」コンテンツをめぐるひとつの課題でした。でも、ダイソーの105円老眼鏡はその課題を(裸眼じゃない、という点を除いて)かなり解決してくれるような気がします。

…と、ここまで読んであいかわらず他人事だなあと思っているみなさん!
だまされたと思って100円ショップ行ったら+5.0度の老眼鏡買ってきてみてください!騙されてもたった105円!
で、ぜひ上の写真を眺めてみてください。ほんと、たった105円なのにおもしろいほど簡単に写真がフルカラー3Dになりますよ!





※「ステレオ立体写真ビュアー」には、もうちょっとちゃんとした立体視用レンズが入ってます。