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三宮センター街ジュンク堂がもよう替え

 きのう、三宮センター街のジュンク堂に立ち寄った。店内のようすがなんかおかしい。本棚がガラガラ。もよう替えしているようだ。貼紙がしてある。なんでも1階の雑誌売り場を閉鎖するとのこと。
 小生、このセンター街のジュンク堂は最も利用している書店。地下鉄旧居留地・大丸前で降りて、生田さんの鳥居をくぐり、かばん屋の隣の入り口からジュンク堂の1階へ。雑誌をちらちら見て2階へ。海外SFの棚、日本SFの棚をのぞいて、店の奥へ、ハヤカワや創元の文庫をチェックして、これはと思う本を買う。これが小生のジュンク堂の巡回コースである。
 1階の売り場がなくなるのだったら、かばん屋の横の入り口はなくなるのだろう。センター街側まで回って2階行きのエスカレーターに乗らなければならない。それに、ここのジュンク堂、どの棚にどんな本があるのか、だいたい頭に入っている。それがもよう替えされたら、新に覚えなければならない。最初はウロウロするだろうな。本屋で迷う。それはそれで楽しいんだけれど。
 ところでジュンク堂がのいた跡の1階のあそこはどうなるんだろうか。それなりのテナントが入ればうれしいが。ずっと大昔、元町商店街の東の端に丸善があった。それが閉店。跡地にドラッグストアの○○モト○ヨシができたときは世も末じゃわいと思った。ジュンク堂1階跡も有意義かつ文化的なものができてほしいものだ。
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殺したい女


監督 ジェリー・ザッカー、ジム・エイブラハムズ、デヴィッド・ザッカー
出演 ダニー・デヴィート、ベット・ミドラー、アニタ・モリス

 サムは女房が死んでほしい。バーバラのオヤジの財産目当てにバーバラと結婚したがオヤジは危篤から奇跡の回復。その後15年生きた。しかたがないから自力で財を築いた。やっとオヤジが死んだ。このままでは遺産はあのガマガエルのものに。それに愛人と一緒になれない。
 電話がかかって来た。「女房を誘拐した。警察やマスコミに知らせると殺す。身代金は50万ドルだ」
 サム、大喜び。シャンペンを開けて祝杯。もちろん警察とマスコミに知らせて大さわぎになる。サム、ウソ泣きしながら警察に応対する。
 と、こういう映画である。富豪の夫人の誘拐の映画ではあるが。サスペンスなんぞはまったくなし。コメディである。ブラックコメディといっていいかな。秀逸なのは被害者の夫婦。サムは、外見は奥さんを誘拐されたかわいそうな夫を演じつつ、一刻も早く妻のバーバラを殺して欲しい。ところが、誘拐犯の二人はお人よし。どうも殺す気はないみたい。身代金をだんだん値下げしていく。最終的には50万ドルが1万ドルになった。
 被害者のバーバラもなかなかの人物。誘拐犯二人を相手に大あばれ。人質でありながらテレビと個室をあてがわれ、テレビで体操を見ながら熱心にダイエット。減量に成功したりする。とても命の危険があるとは見えぬ。また、犯人も人殺しができるようには見えない。
 本物の連続殺人犯が出てきたり、この事件の担当警察の署長が不倫現場を目撃されたり。大さわぎのすえ、コトはおさまるべきところにおさまる。ま、めでたしめでたしといっていいかな。
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マグロカツ丼

  
ワシはカツ丼が大好物や。三宮での昼食は、いろいろ食うところはあるが、ついサンプラザの吉兵衛でカツ丼を食うことが多い。
 自分でもいろんなカツ丼を作って食って喜んでいる。きょうもカツ丼を食うぞ。さて、どんなカツ丼にしよう。うん、魚のカツ丼だ。おや、冷蔵庫の片隅にマグロのサクが。ようしマグロのカツ丼だ。調理はトンカツと同じ。小麦粉、溶き卵、パン粉をつけてマグロを揚げる。豚ではなくマグロなので中までしっかり火を通さなくってもいいだろう。
 白いご飯の上にのっけてタレをかけて食べる。タレは醬油、味醂、砂糖で作っておく。卵でとじない方がいいだろう。うん、豚のカツ丼よりさっぱりしてておいしい。
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夏野菜の和風サラダ


 スタミナつけなあかん。ちゅうて肉をやたら食う報いがきたのか、先日の健康診断の血液検査で中性脂肪にD1というしるしがついていた。要再検査ということだ。尿酸値は8をこえていたが、節制のたまものか7代になりだんだん下がってきて、次の健康診断では7をきる予定である。痛風の心配は遠のいたといえよう。あとの項目はAである。
 それはさておき、野菜もくわにゃ。というわけでサラダをつくったぞ。夏野菜のサラダだ。かいわれ、みょうが、きゅうり、プチトマト。あとタコにもつきあってもらった。ドレッシングは和風でいこう。梅肉、醬油、味醂、酢、ごま油で作った。
 なんか黒い焼けた松葉みたいなもんが写ってるが、そうめんである。クルトン代わりにそうめんを揚げたのだが、失敗して黒くなってしまった。ちょっと苦いがこれもご愛嬌である。
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とつぜんSFノート 第103回

 遥かな旅路であった。北海道から関西まで。空路を使わず旅をする。その遥かなる旅路すら、われわれが行う第25回日本SF大会DAICON5までの2年間の旅に比べれば、助走にすぎない。
 そんなわけで飛行機に乗りそこなった、われわれ4人は列車を乗り継いで北海道から関西へ帰ることになった。
 札幌から函館までの列車で、列車の冷房が故障するという経験をしたりして、なんとか函館までたどり着いた。
 当時は青函トンネルなんてハイカラなもんはなかった。船である。青函連絡船で津軽海峡を渡った。
 船室は一番安い船室だったと記憶する。船底である。沈没すれば確実に死ねる場所だ。「ポセイドン・アドベンチャー」のように船がひっくりかえれば、助かるかもしれない。
 われわれのいた所は、船底の安い船室の中でももっとも居心地の悪い場所であった。エンジンルームのすぐ近く。船の巨大なディーゼルエンジンのゴトゴトゴトという音と振動が休むことなく響いていた。
 さだかな記憶ではないが、船室は畳敷きであった。そこにゴロリンと寝転がって、ひたすら時間が経過するのを待つ。ゴトゴトゴトゴト。船舶用ディーゼルエンジンの単調な音が聞こえる。退屈なので外に出る。夜の航海であった。真っ暗でなにも見えない。4時間ほどの航海であったと記憶する。
 青森に着いた。もちろん東北新幹線はない。在来線で東京まで。この車中で2年後に行う第25回日本SF大会の方向性を話し合った。4人の基本的な認識は、DAICON5をお祭騒ぎにはせず、サーコンなSF大会とすること。このあたりのことは第99回で書いた
 青森から東京までは遠かった。やっと東京に着いたときは、ホッとした。東京からは、さすがに新幹線に乗った。ほんと、やれやれである。
 新大阪まで3時間とちょっと。青函連絡船で函館から青森に行くより早い。あっという間に新大阪。新幹線のありがたさがよくわかった。
 さて、関西に帰って来た。まずやるべきことは実行委員会の組織作り。この時点では第25回日本SF大会実行委員会の委員は4人だけ。このうち星群のYSは星群の仕事に専念するためSF大会にはかかわらないことになった。あとは小生と山根啓史と山根の同人誌仲間の若いの。
 イベントの実行委員会の組織作りは、人脈が重要である。この3人の中で一番の年長でファンダム歴が長いのは小生である。手持ちの人脈をフルに活用する必要があると考える。
 小生は大阪に着いて、まず3人に電話した。
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トラキチ酒場せんべろ屋 7月27日

「おもやん、ビール」
「ワシも」
「アテ、そやなツバメの唐揚げや」
「ワシはコイの洗いや」
「え、そんなんないて、しゃあないな。ドテ煮込みとズリの塩焼き」
「ワシは豚キムチ炒め」
「しかし、なんですな。きのうは広島に惨敗、きょうはヤクルトに惨敗。惨敗続きやな」
「点はとんねんな。いと少なしを」
「そや、それを投手力で守ってたのが、その投手が夏バテぎみやな」
「追加点取れんうちに逆転される。ま、いつものパターンや」
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柳生忍法帖


山田風太郎      講談社

 やっぱ山田風太郎はエンタメ小説の天才である。ものすごく面白い。主人公は柳生十兵衛と七人の美女。この七人の美女の仇討ちの物語である。十兵衛は美女たちのコーチである。仇は悪逆非道の会津藩主加藤明成と明成の親衛隊会津七本槍と称する化け物的な武芸者。十兵衛と七人はたびたび絶体絶命の危機におちいる。どう考えても脱出不可能は危機ではあるが脱出する。読後、冷静になって考えると、だいぶん都合がいいところもあるが、読んでいる最中は夢中でそんなことは気にならない。そこはそれ、山田風太郎の筆先の魔術である。
 加藤明成はその性格残虐。あまりのひどさに家老堀主水は会津藩を見限って一族を引き連れ会津を離れる。激怒した明成、高野山に逃れていた堀一族を捕らえる。一族の女性たちは鎌倉の駆け込み寺東慶寺にかくまわれていた。会津七本槍の七人は男子禁制の東慶寺に乱入。堀一族の女たちを虐殺。
 この寺、現将軍の姉である天樹院千姫の娘が住持を務めている。豊臣秀頼の正室にしてあの神君家康の孫千姫である。将軍が頭が上がらないただ一人の人物。この徳川の御世において豊臣家の紋章五三の桐がついた籠に平然と乗っている。この天樹院が七本槍の狼藉を止めた。七人の女が生き残った。
 天樹院がいう「女の寺への乱暴狼藉ゆるしがたし。女の寺での虐殺。あの七人への仇討ちは女の手で成さなければならぬ。お前たち七人の手であの七本槍を倒せ」
 化け物のような七本槍を、女の細腕で倒すことは不可能。天樹院は高僧沢庵禅師に相談。あの女たちに武芸軍学のコーチを付ける必要がある。だれがいい。
そして沢庵が連れてきたのが柳生十兵衛。十兵衛は「面白い」といって引き受ける。十兵衛はあくまでコーチで指南役。仇討ちを実行するのは七人の女でなければならない。武家の女とはいえ武芸は素人の七人の女に、化け物的武芸者の会津七本槍を討てるのか。
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トラキチ酒場せんべろ屋 7月26日

「負けたな」
「わかっとる。見りゃわかる」
「藤浪、あかんな」
「見りゃわかる」
「阪神弱いな」
「見りゃわかる」
「広島強いな」
「見りゃわかるゆうとるやろ。しつこいな」
「久しぶりの雨やったな」
「おこるで」
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西宮八園虎日記 7月25日

「こんばんは」
「あら、せんせ、ずいぶんごぶさたね」
「やあ、女将ひさしぶり。甚兵衛さんは」
「いらしてますよ」
「お、女将、熱帯魚、二つ目の水槽やな」
「はい。こんどは優雅路線ということで牧野さんに魚を選んでもらいました」
「ほう、どれどれ」
「はい。パールグーラミイ、ドワーフグーラミイとグーラミイが2種類。それに透明ナマズのトランスルーセントグラスキャット、シノデンティス、アピストグラマ・ラムレジイ、シルバーシャークなんかです」
「ほう代表的な熱帯魚のエンゼルフィッシュがおらへんな」
「エンゼルフィッシュはいじわるやからさけた方がいいそうです」
「このさかさまで泳いでるナマズは」
「さかさナマズです。シノデンティスです」
「玄白さん、こっちおいでえな」
「甚兵衛さん。阪神久しぶりに甲子園で広島に勝ちましたな」
「先発が若い才木やったけど、あのへんが限界でしょう。そのあと、能見、藤川、桑原らおじさんたちが見事なリリーフしましたな」
「打つのは、糸井、ロサリオといった中軸は沈黙しとったけど、北条ら若手が打って勝ちましたな」
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暑い

 暑いですな。いま、日本のほとんどのところでの、あいさつは、この文言で始めればまず、間違いない。小生の本業は購買仕入れ。毎日、いく人かの営業担当と会ってるが、開口一番「暑いですなあ」「ほんと、たまりませんな」このあいさつで必要充分。あとは商談にうつればいい。
小生の住まいおる神戸もご他聞にもれず暑い。自宅は東灘で職場は兵庫区だが、職場は海のきわで風が海を渡って吹いてくるから少しマシかな。ともかく、自宅では霧が峰くんに、職場ではダイキンくんにフルに稼動してもらって、なんとかしのいでいる。暑いのには強い小生もさすがに今年の暑さはこたえる。
2年後には、この猛暑の7月の日本で大きな運動会を江戸でやるとか。酔狂なことである。前回の江戸の運動会はたしか10月だった。2年後も10月にやればいいものを、猛暑の7月にやる。なんでもアメリカのテレビ局の都合だそうだ。なんで日本でやる運動会の日程を決めるのにアメリカのテレビ局にしんしゃくしなければならないのか。運動会の勧進元IOCの意向だそうだ。ま、ようするに、おぜぜこの問題だろう。もし、熱中症で死人がでればアメリカのテレビ局とIOCに責任をとってもらわねばならん。ま、そもそも、あないな運動会せえへんのがいちばんである。
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トラキチ酒場せんべろ屋 7月24日

「おお、久しぶりやな」
「ほんと。暑いな」
「こない暑いとなんもする気おきんな」
「ほんま」
「あ、おもやん。ビールや」
「ワシも。お、大将、どこ行ってたんや」
「うん。ちょっと夙川へな」
「夙川になんの用や」
「八園へ行ってたんや。しばらく女将の千鶴姐さんの顔みてへんから」
「へえ、女将元気やったか」
「元気やったで」
「ところできーこ、阪神勝てんな」
「そやな。広島と巨人に勝てんな」
「岩田もよう投げとったんやけどな」
「1回の菊池のホームランだけやったな」
「けっきょく阪神の失点はこの菊池と鈴木のホームラン2発やったな」
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ハン・ソロ/スターウォーズ・ストーリー


監督 ロン・ハワード
出演 オールデン・エアエンライク、エミリア・クラーク、ウディ・ハレルソン

 アメリカで大コケしたそうだが、なかなかどうして、けっこう面白い。冒険アクション映画としては合格だ。
 主人公のハン・ソロをやったエアエンライクはよくがんばっていたと思う。ヒロインをやったクラークもなかなか魅力的であった。
 この映画がなぜアメリカでコケたのか愚考してみた。ハン・ソロ役の俳優がハリソン・フォードではなかったからではないのか。ハン・ソロはこのスターウォーズ・シリーズのキャラクターで一番の人気であろう。渡世の裏街道を行く無頼漢でありつつも、義を見てせざるは勇なきなり的な男気を持ち合わせ、ルーク、レイアといったええもんの味方。かっこいいキャラだ。このハン・ソロのキャラ、演じたハリソン・フォードの魅力で持って人気№1のキャラクターになったのだ。
 それが、こんどはハリソン・フォード以外の俳優がハン・ソロをやる。なあんだ。だったら観に行かない。と、なったのではないか。もし過去へ時間旅行して、20代のハリソン・フォードを連れてきて、この映画で若きハン・ソロをやらせていれば、この映画はコケなかったかもしれない。
 ま、ようするに、アメリカでは、この映画、スターウォーズ信者どもに総スカンを食ったということではないか。
 しかし、それでは主演のオールデン・エアエンライクたちがかわいそうだ。スターウォーズなんか知らないし観たこともない人が、この映画を観れば大変に面白い娯楽アクション映画として楽しめただろう。この映画はスターウォーズのことなんか頭の中から消し去って、虚心坦懐に楽しめばいいのだ。
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真夏のすきやき


 さて、きのうの蒸しもんに続いて、灼熱の酔狂料理第二弾。真夏の鍋もんだ。真夏のすきやきである。まったく、ほんと、酔狂なことである。
 肉は牛肉やのうて豚肉や。きのうのロース肉のかたまりの残りを、このすきやきにも使うた。
 味の基本はイタリアンなすきやきにしよう。すき焼き鍋にオリーブオイルをしいてにんにくをうす切りにして入れる。コンロに点火。オリーブオイルが熱くなってにんにくの香りがしてくる。にんにくが色づいてきたら取り出す。気をつけないと焦げる。
 肉を入れよう。肉の色が変わってきたら調味料を入れて味つけ。酒、醬油、味醂。味見して濃いと思ったら水を入れる。
 さて、次に野菜。黄色、赤、緑の3色のピーマン。なす、トマト、それに最後に軽くゆでたオクラを入れる。
 夏のすきやき、ぞんがいうまかった。酔狂ついでに酒は日本酒の熱燗にしてやろうと思ったが、ビールにした。軟弱なり。
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豚肉とザーサイの蒸しもん


 暑おすなあ。こないに暑い日に蒸しもん料理。まったく酔狂なことでおます。豚肉とザーサイの蒸しもんだ。皿に豚肉とザーサイを並べる。互いに重なり合うように交互に並べる。豚肉はロースのかたまり肉を自分で切った。肉はうす切りの肉よりもかたまり肉を自分で切る方がうまい。ザーサイは○○屋の瓶詰めではなく中華街で買ったもの。こちらもかたまりを自分で切った。
 肉は醬油、砂糖、ごま油で下味をつけて片栗粉をまぶしてある。ザーサイはうすく切ってしばし水につけて塩抜きをしてある。
 さて、ここからが地獄ぞ。肉とザーサイののった皿を、充分に蒸気の上がった蒸し器に入れて、5分ほど蒸す。ウチのキッチンにはエアコンはない。この猛暑のなか、蒸し器が盛大に熱い蒸気を噴き出している。こんなとこにおれるか。キッチンタイマーをセットして、霧が峰くんが働いている部屋に避難。あー、ゴクラクゴクラク。タイマーが鳴った。覚悟を決めてキッチンに入る。蒸し器のまま食卓に出す。さて食おう。もちろんキンキンに冷えたビールだ。
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とつぜん上方落語 第26回 禁酒関所

 酒がもとで家臣同士がケンカ。一方が斬り殺され、もう一方は責任をとって切腹。酒のため大切な家臣を二人も失った。殿様から、これより、わが家中にて飲酒は禁じるとのおふれ。
 かようなお達しではあるが、飲みたい人はがまんできぬ。家中一番の大酒飲みの松本という武士。なじみの酒屋に酒を一升届けてまいれ。酒代のほか1両出す。
 酒屋、松本の役宅に酒を届けようとする。関所を通らなければならない。水かすていら、だとか油だとかいってごまかそうとするが、役目がらあらためるといって関所の役人に酒を飲まれてしまう。頭にきた酒屋、小便といって、酒ではなくほんとうに小便を一升徳利に入れてもっていった。役人は役目がらあらためるといって小便を口に。
 これを国中でやったアホな国がアメリカ。宗教上の理由や酒は身体と精神を蝕むなどといって1920年から1933年禁酒法が施行された。この間、アメリカでは飲酒は違法行為となった。過激な禁酒運動家にキャリー・ネイションというおばさんがいる。片手に聖書片手にマサカリを持って酒場に乱入、そこにある酒瓶を叩き壊すといったパフォーマンスを繰り広げた。
 法律で禁じられても松本の旦那みたいな人はいるもので、いろいろ工夫して酒を飲んでいた。スコッチのラフロイグなどは独特のピート香がするから、これは薬品である。薬だといってアメリカに持ち込まれていたとか。バッファロートレースなどバーボンは薬用といって製造が認められていた。ノブクリークというバーボンは禁酒法時代の瓶のデザインを今も残している。
 この禁酒法でいちばんもうかったのはアル・カポネたちマフィア。密造酒で大もうけ。この法律けっきょくヤクザを太らせただけであった。
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