今回のWBCには、凄腕のプロモーター、演出家が関与していたと言われる。ダルビッシュ有や大谷翔平がアメリカラウンドで投げることができたのも、彼らの手腕だと言われている。
メディアの記事によるのだが、MLBの規定で、大谷などMLBから日本に来る選手は侍ジャパンのキャンプに参加できなくなった。ダルビッシュだけはチーム内でのステイタスで、参加できたが他の選手はキャンプ明けからの参加になった。しかし、バンテリンドームで行われた中日との壮行試合にはMLB選手は出られなかった。主催がWBC.INCではなく、日本側だったからだ。しかし敏腕のプロモーターは「せめて試合前の練習には参加させてくれ」と言って、これをMLB側に承諾させた。

今回のWBCが特に日本で異様に盛り上がった最大の要因は、これではなかったか?
大谷翔平は予定より1日早く侍ジャパンに合流し、バンテリンドームで打撃練習を見せたが、これは、今までどんな日本人も見せたことがないすさまじいものだった。
ドーム球場の外野の上段席に何発もの飛球を叩きこんだのだ。

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私は引き続いて行われた京セラドームで、大谷の打撃練習を見たが、二階席の上段で見ていて、水平の目線の先を飛球が飛んで行った。とても人間業とは思えなかった。この時の場内の歓声は「わー!」ではなくてこれまで見たこともないものを見た驚きが混ざった「ぶわー!」にちかいものだった。

大谷の打席練習は、ファンだけでなく、侍ジャパンの他の選手にもすさまじいインパクトだった。山川穂高、村上宗隆、岡本和真と言うNPBを代表するホームランバッターが、大谷の打撃を目の当たりにして、すっかり自信を失ってしまったのだ。
そのうえ大谷は京セラドームでひざまづいた姿勢で本塁打も含む2発を放った。

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これまでアメリカと言う遠い地で野球をしていた大谷翔平は、ニュースで聞くだけの存在だったが、いざ同じグラウンドに立って、野球をしてみると、今の日本人選手とはすべてにおいてスケールの違うすさまじい選手になっていた。
2018年にアメリカに行ってわずか5年で、彼は、恐るべき選手に変貌していたのだ。この驚きで、一部の選手は持てる力が出せなくなったが、その後、大谷の「魔力」が伝搬して、彼らも持てる力以上のものが出せるようになった。
端的に言えば、大谷翔平と言う想像を絶する存在に出あって、日本の選手たちは覚醒したのではないか。「二刀流」と言う異能の大谷は、打者にも、投手にも強い影響を与えることができた。

大谷翔平は「二刀流」の道を切り拓いたとされる。周囲は「やがて大谷の後を追う選手が出てくるだろう」と言ったが、5年経ってもMLBには彼を追随する選手はほとんどでてきていない。

アメリカのエンゼルスに復帰して早々、大谷はマイナー相手とは言え練習試合で好投して見せた。NPBに復帰した選手の大部分がまだ試合に出ていないのに。

少なくともここ1世紀、彼のような選手はどこにもいなかった。本当に、大谷翔平って何者なのだろう。


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NOWAR


1960~62年柿本実、全登板成績