ここで、僕が今まで読んだ本を紹介したいと思います。
終戦時、"搭乗員であることを記録されているものはすべて焼却せよ"という命令を受けて、ほとんどの搭乗員が書類や写真を焼却する中で、著者の坂井三郎氏(平成12年9月22日永眠)は、ある理由から隠し持つことを決意しました。その資料と記憶から書きおこしたのが『大空のサムライ』シリーズです。坂井三郎氏は、遠くの敵戦闘機を早く発見できるようになるため、昼間の星が肉眼で見える訓練をして、昼間の空にかすかに星が見えるようになったというすごい人物です。
フライトシミュレータでの空戦は、たいてい敵機編隊に正面から接近して、"くんづほぐれつ"といった感じで入り乱れの空戦に突入するわけですが、坂井三郎氏の著書を読むと、そのほとんどがそうではない、ということがわかります。
ちなみに関係ないですが、本の中で説明されている『左ひねり込み』という必殺技は、先に紹介したフライトシミュレータなどでは複雑な空力計算はされていないため再現できません(やってみたかったんだけど)。
この『大空のサムライ』は一番のおすすめです。
大空のサムライ―かえらざる零戦隊
続・大空のサムライ―回想のエースたち
戦話・大空のサムライ―可能性に挑戦し征服する極意
大空のサムライ・完結篇―撃墜王との対話
敵の戦艦や空母に超低空で肉薄して魚雷を撃ち込むため、対空砲火をくぐりぬけるときの凄まじい心境が伝わってきます。『寄蹟の雷撃隊』の森拾三氏は先の坂井三郎氏と同期生です。
寄蹟の雷撃隊―ある雷撃機操縦員の生還
雷撃のつばさ―海軍下士官空戦記
装甲が薄く、銃撃されるとすぐに火がつくため、アメリカ軍に "ワンショット・ライター"と呼ばれた一式陸上攻撃機の戦いの記録です。敵戦闘機に見つかったら逃げるしかないのです。余談ですけど、一式陸上攻撃機は九六式陸上攻撃機の後継機なんですが、その九六式陸上攻撃機は、着陸時のバランスを取るために、着陸の瞬間に搭乗員のひとりが尾翼付近まで機内を走っていく、というのをご存知でしょうか。
一式陸攻雷撃記―海軍七六一空の死闘
ラバウルで戦った6名の方の空戦記です。空戦の記録を日記につづったものを掲載してあるものもありますが、途中で戦死された方の日記は絶筆となっていて生々しいです。
私はラバウルの撃墜王だった―証言・昭和の戦争
昨日買ってきた本です。
本田稔空戦記―エース・パイロットの空戦哲学
これまで上に紹介したのはすべて海軍に関連した本ですが、ここからは陸軍となります。
日本軍の制式戦闘機のなかで唯一、液冷エンジンを搭載した陸軍戦闘機『飛燕』の空戦記です。「ひえん」と読みます。
あゝ飛燕戦闘隊―少年飛行兵ニューギニア空戦記
Amazonの書評やネットで検索したサイトで見てみると、フィクションと言われていてガッカリしたんですが、それをさしおいても抜群に感動する本です。
秘めたる空戦―三式戦「飛燕」の死闘
こちらは陸軍でもっとも多く製造された戦闘機『隼』(はやぶさ)の空戦記です。
蒼空の河―穴吹軍曹 隼空戦記録
続・蒼空の河―穴吹軍曹「隼」空戦記録 完結篇
陸軍歩兵の本ですが、いま読み進めている本です。
ビルマ最前線―白骨街道生死の境
そして次に読もうと思っている本です。
私は魔境に生きた―終戦も知らずニューギニアの山奥で原始生活十年
こうして戦争に関する本を読んでいると、自分の甘い生き方を思い知らされます。多くの方に太平洋戦争を知ってもらいたいため、おすすめの本を紹介しました。
関連DVDにつづく
関連DVD:

新版 日本軍用機集 海軍編

新版 日本軍用機集 陸軍編
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