アフリカの国花
1990年あたりまでアフリカでは、市場で買った食材を鍋とかに入れて持ち帰っていたのですが、1990年以降、軽くて持ち運びが便利なポリ袋を使いはじめ、市民生活のあらゆる所に普及しました。その結果、大量のポリ袋がゴミとなって町中に散乱して酷い状況になりました。下水道を詰まらせ、水の流れが止まり、蚊が大量発生し、マラリヤなどの伝染病が蔓延しました。雨期には下水が詰まって溢れ出しました。農地に捨てられたポリ袋が風によって畑まで飛ばされてきて、土に埋もれたり農作物にからまったりして、収穫が半分以下に減ってしまった農地もあちらこちらに沢山出て来ました。
アフリカの国の中には、風に吹かれて木に引っ掛かったポリ袋があまりにも多い事から、このポリ袋を『国花』・・と皮肉って呼ぶ国もあるくらいだそうです。
そこで政府は、ゴミ箱を設置してポリ袋をゴミ箱に捨てる習慣をつけようとしています。ポリ袋を使ってカバンや人形を作っている取り組みもあります。それはそれで悪くないでしょうが、対症療法の感がぬぐえません。・・やはり、元から経たなければダメでしょう。
現在アフリカでは、ポリ袋の使用や販売を禁止する法律を作ったり、税金を課しても決定的な対策にはなっていない・・・といいますが、それはやり方次第でしょう。やはり、ポリ袋をリサイクルするよりも使わない方向に戻すべきでしょう。買い物袋(・・エコバックなんて大げさな表現です・・)を持って買いに行く事の徹底や葉っぱ等すぐに腐るもので物を包んで売る・・・という昔ながらの文化に戻るべきでしょう。
腐るプラスチック・・などの研究もされていますが、そんなものを研究開発しなくとも、植物を使えば十分な筈です。
実はこれはアフリカだけでなく世界中が取り組むべき問題でしょう。ポリ袋をゴミ箱に捨てれば済む問題ではありません。
日本のようにゴミがしっかり集められても、その処分にはかなり苦労しています。リサイクルでは解決出来ません。・・・その証拠に、ゴミ問題でかなり困っているアフリカなどに日本などの「先進国」と自ら名乗っている国が、経済力に物を言わせて有害ゴミを運んでいます。自分の国で処分しきれなくなったから・・・という身勝手な理由でせす。
科学技術が問題を解決するのではなく、科学技術がこのシビアな問題を起こした・・という事実にしっかり対峙すべきでしょう。世界では、資源の枯渇問題のほうが大きくクローズアップされていますが、腐らないゴミの大量出現によって、資源の枯渇の前に廃棄物の捨て場の問題のほうがシビアになる可能性がかなり高くなったのではないでしょうか?
だから、ゴミが出てからの対症療法ではなく、根本解決・・・自然の循環に乗らない物を作らない、使わない・・・という方向に行くべき・・・戻るべきでしょう。
ゴミ箱に、腐らないゴミを捨てる習慣が確立した社会よりも、ゴミ箱が無くても困らない社会・・・その辺に捨てたものが自然に土に帰り、資源に戻る社会のほうが素晴らしいと思いませんか?。
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