宅地造成はもう御仕舞いに。
宅地造成は、町の中心部から徐々に何十年もかけてドーナツのように郊外に開発されてきました。それでも依然として宅地造成は続けられています。
私の町の周辺でも、今でもあちこちで新興住宅地が開発され、宅地が造成されています。林や田畑が潰されていきます。魚が泳いで沢ガニまでいた川が無惨に三面張りにされ、ザリガニすら見つからなくなって、どぶのようにヘドロがたまってしまった所もあります。・・町の人口は減っているにも関わらず、このままでは宅地は山を越えて隣町まで繋がりそうです。
新興住宅街の場所にはかつては林があり、草が生え生態系が存在しました。田畑があり作物が実りました。小川には魚や様々な生物が棲んでいました。・・その小川は地下を流され見えなくされています。一見こぎれいな新興住宅地の風景を見る度に心が痛みます。
日本の人口は、2005年あたりから減少に転じはじめました。(これは歓迎されるべき事です・・このブログで何度も書いています。)
それなのに高層マンションや新興住宅地がまだまだ作られています。確かにそのニーズもあるのでしょうが、一方マンションや宅地を作っても入居者が埋まらなかったりしています。ゴーストマンションやゴーストタウンも昔栄えていま人がいなくなった・・・というのではなく、はじめから人が入らなかった・・ という所も沢山現れています。従来の住宅地に空き家が増えたり、旧商店街がシャッター街になっているのは身近な場所で沢山起こっています。そして、それに伴う色んな地域の問題も起こっています。古い町並みを過疎化させて、新たな里山、田畑や森林を切り開いて宅地を造るのはいかがなものでしょう?
現在でも宅地造成は、雑木林や田畑を潰して行われている事が多いのです。身近な里山の林や沼や湿地が潰され、コンクリートで固められ、道路が造られ、小川は三面張りやU字溝が埋められます。明らかに自然破壊です。生態系の破壊です。そこの地域から絶滅してしまった種も沢山あるでしょう。
エコロジカル・フットプリントの観点からも宅地造成は好ましくありません。日本では食料自給率も悪いのに、田畑を潰すなんて許される事でしょうか?(農業の後継者不足の問題はありますが、それはまた別の問題、対策があります。)
特別な自然保護地区を守ることも大切ですが、地域の里山を守る事も非常に大切な事です。アマゾンの熱帯雨林を守ることも大切ですが、日本の里山も守るべきです。
法律の網をくぐって森林や農地を宅地に変えて造成する悪しき慣習はそろそろ終わりにしなければ、人類の存亡にも関わります。人間だけが自然の生態系から切り離されている筈がありません。こんなことを続けていたら、人間社会はもうすぐ終わってしまうでしょう。
森林を破壊して滅んだ古代文明の教訓が生かされていません。
もうこれ以上の宅地開発は法律で全面禁止にすべきでしょう。土地開発業者は、ただの生態系の破壊者です。住宅販売は中古住宅やもともとの宅地で十分でしょう。必要最小限、これまで住宅地だった場所の再開発だけにすべき(それも、あまり手を加えずに・・)です。別荘なんてもっての他です。これ以上、森林や草地、田畑を開拓しての新たな宅地開発は法律で全面禁止にすべきです。一刻も早く・・・