再生可能な資源の乱用
2008/04/17
再生可能[renewable] な資源・・・森林資源、水産資源、水などは、消費量と再生量のバランスが適正に保たれれば、永続的に資源として使うことが可能です。鉱物などの地下資源のように再生不可能な、実質減る一方の資源とは異なります。
再生可能な資源の永続的に使える為の条件はいたってシンプルでしょう。
消費量が再生のペースを上回らないこと・・・つまり行き過ぎないことです。・・そして、行き過ぎているかどうかの判断も至って簡単でしょう。ストックの収支が全体として減少していれば、行き過ぎです。それが限界を超えた証拠です。
さて、先に挙げた代表的な再生可能な資源、森林、水産資源は現在明らかに減少しています。
北海のタラの例だけでなく、20世紀から21世紀にかけて枯渇した漁場、枯渇しかけている漁場は沢山あります。1990年あたりに世界の漁獲高がピークを迎えてそこからは漁獲高が減っていますが、その1990年だって、魚が増えた訳ではなく、魚を根こそぎ獲る技術・・・底引き網、流し網、レーダー やソナー、衛星を使った探査が発達したための乱獲が原因です。
森林も熱帯雨林だけでなく、日本国内でも諸外国でも面積は減っています。良質の森林である」原生林も減っています。世界中で森林が工業用地、宅地、農地、道路などに変わり、山火事で燃え、最終的には砂漠化しています。
これらは「明らかな事実」ではないでしょうか?
代替不可能な最も重要な資源は水と言われますが、森林だって、水産資源だってごく限られた部分の用途を除けば代替不可能な資源でしょう。
つまり、再生可能な資源でさえも、持続可能な限界はとっくに超えているのは明らかです。
最近、環境問題の名の元に、再生可能な資源の浪費が目立っています。カーボンニュートラル(カーボンオフセット)の謳い文句でバイオマス燃料ももてはやされていますが、森林に限らず、植生の面積が減りつつある現在、森林や畑をバイオマス燃料の材料栽培に回すのは愚かと言うべきでしょう。
ゴルフ場や工場を潰してバイオマスを育てるのなら意味もありますが、そうでなければ、バイオマス燃料も再生可能な資源の乱用と言うべきでしょう。
再生可能といっても、再生には時間とエネルギーと環境が必要です。再生可能な資源でも、再生速度を上回る消費速度では、資源が枯渇に向かうのは当然です。現在、限界を超えて枯渇に向かっているのです。
森林資源や水産資源は現在明らかに減少しているから危険です。それにこれらを再生可能な「資源」とだけ見るのは危険でしょう。森林も水中生物も生態系の要です。森林の乱伐、水産資源の乱獲は、生態系に致命傷を与え、数々の生物の絶滅、そして全ての生物の存亡の危機となるでしょう。
再生可能な資源を沢山育て、沢山使う・・・と言う事はもはや持続不可能なくらい消費量が増えました。・・指数関数的に増えて限界に達しました。
『再生可能』と言う言葉に惑わされずに、使用量を減らす事を第一に考えなければ、消費過多で、ストックが枯渇に向かう事は議論の余地がないでしょう。
再生量よりも消費量が上回った現在、言い換えると、持続可能な使用量を超えてしまった現在、人間が何よりもしなければならない事は、使用量を控える・・ 持続可能なレベル以下に・・・の一言に尽きましょう。勿論限界ぎりぎりに挑むのは愚かです。森林も水生生物も、人間の資源としてのみ存在している訳ではありません。 生育環境の保全も大切ですが、再生に十分に余裕のあるところまで、消費を減らす事が最良の対策でしょう。
再生可能な資源の永続的に使える為の条件はいたってシンプルでしょう。
消費量が再生のペースを上回らないこと・・・つまり行き過ぎないことです。・・そして、行き過ぎているかどうかの判断も至って簡単でしょう。ストックの収支が全体として減少していれば、行き過ぎです。それが限界を超えた証拠です。
さて、先に挙げた代表的な再生可能な資源、森林、水産資源は現在明らかに減少しています。
北海のタラの例だけでなく、20世紀から21世紀にかけて枯渇した漁場、枯渇しかけている漁場は沢山あります。1990年あたりに世界の漁獲高がピークを迎えてそこからは漁獲高が減っていますが、その1990年だって、魚が増えた訳ではなく、魚を根こそぎ獲る技術・・・底引き網、流し網、レーダー やソナー、衛星を使った探査が発達したための乱獲が原因です。
森林も熱帯雨林だけでなく、日本国内でも諸外国でも面積は減っています。良質の森林である」原生林も減っています。世界中で森林が工業用地、宅地、農地、道路などに変わり、山火事で燃え、最終的には砂漠化しています。
これらは「明らかな事実」ではないでしょうか?
代替不可能な最も重要な資源は水と言われますが、森林だって、水産資源だってごく限られた部分の用途を除けば代替不可能な資源でしょう。
つまり、再生可能な資源でさえも、持続可能な限界はとっくに超えているのは明らかです。
最近、環境問題の名の元に、再生可能な資源の浪費が目立っています。カーボンニュートラル(カーボンオフセット)の謳い文句でバイオマス燃料ももてはやされていますが、森林に限らず、植生の面積が減りつつある現在、森林や畑をバイオマス燃料の材料栽培に回すのは愚かと言うべきでしょう。
ゴルフ場や工場を潰してバイオマスを育てるのなら意味もありますが、そうでなければ、バイオマス燃料も再生可能な資源の乱用と言うべきでしょう。
再生可能といっても、再生には時間とエネルギーと環境が必要です。再生可能な資源でも、再生速度を上回る消費速度では、資源が枯渇に向かうのは当然です。現在、限界を超えて枯渇に向かっているのです。
森林資源や水産資源は現在明らかに減少しているから危険です。それにこれらを再生可能な「資源」とだけ見るのは危険でしょう。森林も水中生物も生態系の要です。森林の乱伐、水産資源の乱獲は、生態系に致命傷を与え、数々の生物の絶滅、そして全ての生物の存亡の危機となるでしょう。
再生可能な資源を沢山育て、沢山使う・・・と言う事はもはや持続不可能なくらい消費量が増えました。・・指数関数的に増えて限界に達しました。
『再生可能』と言う言葉に惑わされずに、使用量を減らす事を第一に考えなければ、消費過多で、ストックが枯渇に向かう事は議論の余地がないでしょう。
再生量よりも消費量が上回った現在、言い換えると、持続可能な使用量を超えてしまった現在、人間が何よりもしなければならない事は、使用量を控える・・ 持続可能なレベル以下に・・・の一言に尽きましょう。勿論限界ぎりぎりに挑むのは愚かです。森林も水生生物も、人間の資源としてのみ存在している訳ではありません。 生育環境の保全も大切ですが、再生に十分に余裕のあるところまで、消費を減らす事が最良の対策でしょう。
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