ライスもお姉様みたいな格好良い大人になりたいな
- 2022/01/17
- 18:32
「ライスもお姉様みたいな格好良い大人になりたいな」
合宿中の夜、ライスから不意にそんな事を言われた。
「急にどうしたの?」
「えっと、急じゃなくて……お姉様に担当になってもらった日からずっと思ってたんだ。こんな強くて優しい人になりたいって」
「ライス……」
彼女は真剣な眼差しを向けてくるが、ライスシャワーという少女は既にとても心根が優しく、そして強い子だ。彼女は自分の弱さを知っている。だからそれを乗り越えようと必死になっている。その姿勢には感服するし尊敬だってしている。
そう伝えたが、彼女はいまいち納得出来ないようだ。自分と他人の認識が異なるという事は往々にしてある。
ライスの目にどう映っているか分からないが、私だってまだ未熟者なんだ。私もあなたを指導する過程で様々な事に気付いて成長出来た。
でも私に憧れてくれて嬉しいよ。ありがとう、ライス。
「ねぇ、ライス」
「なに、お姉様?」
「今度一緒に出かけようか」
「ふぇ!? い、いきなりどうしたの!?」
「あぁー……ごめんね? ちょっと言い方が悪かったかな……。実は私とライスってあんまり二人きりになる事なかったよね? それで何か理由をつけてでもあなたと一緒にいたいなと思って誘ったんだけど……嫌だったかな?」
「ううん! 全然嫌じゃないよ!」
「そっか良かった。なら何処に行きたい? 行きたい場所があったら遠慮なく言ってみて?」
「えっとね、お洋服を買いに行きたいなって思ったの。お姉様やみんなみたいに綺麗なお洋服を着れるようになりたくて……」
「へぇ〜そうなんだ。いいじゃない」
「でもね、ライス1人だと何を買ったらいいか分からなくて……」
「なるほどね。よし分かったわ。じゃあ私がついて行ってあげる。あとついでにメイク道具も買いましょう。ライスをもっと可愛くしてあげないとね」
「ほんとうっ!? やったぁ!!」
本当にこの子は可愛いなぁもう。
そして私はライスと一緒の布団に入りながら他愛もない話をしながら眠りについた。
「お姉様……大好きだよ」
「私もよ、ライス」
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