「国際バカロレア」認定校で過疎地に活力を…移住・関係人口増に期待

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 兵庫県宝塚市は市北部の西谷地域で、グローバルな人材育成をする教育プログラム「国際バカロレア」の認定校を開設する準備を始めたと発表した。市立西谷認定こども園、西谷小、中学校(大原野)を活用するとみられ、数年後の開校を目標にしているという。(高部真一)

国際バカロレア導入が想定されている西谷中学校(兵庫県宝塚市で)
国際バカロレア導入が想定されている西谷中学校(兵庫県宝塚市で)

 国際バカロレアは、多様性を尊重し、国際的な視野を持った若者の育成を目標とする教育課程。スイスに本部を置く機構が認定する。3~19歳が対象で、年齢別に初等(主に幼稚園と小学校)、中等(中学校)、ディプロマ(高校)などがある。高校生向けのプログラムを修了すれば海外の大学の入学資格を得られる。160の国と地域で約6000校が認定され、国内では204校が導入している。

 西谷地域は市面積の3分の2を占めるが、人口は市に編入合併時(1955年)の約5800人をピークに今年3月には2070人にまで減少。西谷小には33人、西谷中は37人が通う。小学校は2022年度に2学年を1クラスにまとめる複式学級となった。今年度からは小、中学校で他の地域から児童生徒を受け入れる特認校になり、現在4人が校区外から通学している。

 地元の住民団体などが11月にバカロレアの推進を求める要望書を市に提出した。西谷地区まちづくり協議会の二井久和会長は「過疎化の中、特色ある学びの場ができることで、移住のほか、地域に関わる『関係人口』の増加につながれば」と強調する。

 市は「地元が協力的で、校舎だけでなく、地域全体をキャンパスにできる」と前向きに検討を始めた。こども園、小、中学校での導入を想定し、3歳児から中学生までを対象に、地域の自然と文化をいかした探究教育の実現を目指す。市内各地から通学できるように域内のJR武田尾駅からのスクールバスの運行も計画している。

 森臨太郎市長は記者会見で「変化に激しい時代に、宝塚の子どもたちが自ら問い、考え、行動する力をつけられるような環境を整え、市内全域に還元したい」と述べた。

 会見には、学校と地域をつなぐ西谷地区学校づくり検討委員会の塗家昭彦委員長も同席した。塗家委員長は「豊かな自然があり、今も米作りなどの体験学習を(子どもらと)積極的に進めている。地域としても大きな期待を持っている」と話した。

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