流体動力学とは? わかりやすく解説

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りゅうたい‐どうりきがく〔リウタイ‐〕【流体動力学】

読み方:りゅうたいどうりきがく

流体運動および流体中にある物体にはたらく力などを論ず流体力学ハイドロダイナミックス


流体力学

(流体動力学 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/31 15:28 UTC 版)

物理学 > 力学 > 連続体力学 > 流体力学
連続体力学


流体力学(りゅうたいりきがく、: fluid dynamics / fluid mechanics)とは、流体静止状態や運動状態での性質、また流体中での物体の運動を研究する、力学の一分野[1]

概説

力学の一分野であり、連続体力学の一部と見なされる[2]

下位分類としては、大きく分けると、静止状態を扱う流体静力学(fluid statics)と、運動状態を扱う流体動力学 (fluid dynamics[3]) に分かれる。(ただし、日本では両者をはっきり区別していない人もいる。)工学分野では、を対象とする水力学水理学[4][5])や空気を対象とする空気力学[6][7][8][9]という分野に分けて扱われることがある。

また、流体力学では電気的に中性で電離していない流体のみを扱い、一部ないし全部が電離した流体はプラズマ物理学[10][11]磁気流体力学で扱われる。ただし、磁場がない場合のレイリー・テイラー不安定性など、本質的に流体と変わりない部分も存在する。

流体力学の歴史と貢献者

流体静力学のほうは古くから発展した歴史があり、古代ギリシャのアルキメデスアルキメデスの原理を発見。ブレーズ・パスカル1653年パスカルの原理を発見。ボイルらが同じく17世紀後半にボイルの法則(ボイル・マリオットの法則)を見いだした。[12]

流体動力学は、静力学より後に登場している。こちらはアイザック・ニュートンの『自然哲学の数学的諸原理』の刊行後に徐々に広まったニュートン力学を流体に適用してその運動を論じるという形で興った分野であり、18世紀の段階ではベルヌーイオイラーラグランジュらによって、まずは粘性の無い流体(=完全流体)の運動が研究された。完全流体よりも複雑で理解が難しい粘性流体については、19世紀アンリ・ナビエジョージ・ガブリエル・ストークスらによって研究が行われた(ナビエ・ストークス方程式[13][14][15][16])。さらに複雑な乱流についてはオズボーン・レイノルズによって19世紀末に研究が進んだ。 [12]

関連分野

流体力学の用語・概念

応用

応用分野

脚注

  1. ^ 大辞泉「流体力学」
  2. ^ 巽 2021, p. 1-2.
  3. ^ Batchelor, C. K., & Batchelor, G. K. (2000). An introduction to fluid dynamics. Cambridge University Press.
  4. ^ Abbott, M. B., & Minns, A. W. (2017). Computational hydraulics. Routledge.
  5. ^ Bear, J. (2012). Hydraulics of groundwater. Courier Corporation.
  6. ^ Bertin, J. J., & Smith, M. L. (1998). Aerodynamics for engineers (Vol. 5). Upper Saddle River, NJ: Prentice Hall.
  7. ^ Anderson Jr, J. D. (2010). Fundamentals of aerodynamics. Tata McGraw-Hill Education.
  8. ^ Houghton, E. L., & Carpenter, P. W. (2003). Aerodynamics for engineering students. Elsevier.
  9. ^ Milne-Thomson, L. M. (1973). Theoretical aerodynamics. Courier Corporation.
  10. ^ Goldston, R. J., & Rutherford, P. H. (1995). Introduction to plasma physics. CRC Press.
  11. ^ Fridman, A., & Kennedy, L. A. (2004). Plasma physics and engineering. CRC Press.
  12. ^ a b 『ブリタニカ国際百科事典』
  13. ^ Constantin, P., & Foias, C. (1988). Navier-stokes equations. University of Chicago Press.
  14. ^ Temam, R. (2001). Navier-Stokes equations: theory and numerical analysis (Vol. 343). American Mathematical Society.
  15. ^ Foias, C., Manley, O., Rosa, R., & Temam, R. (2001). Navier-Stokes equations and turbulence (Vol. 83). Cambridge University Press.
  16. ^ Girault, V., & Raviart, P. A. (2012). Finite element methods for Navier-Stokes equations: theory and algorithms (Vol. 5). Springer Science & Business Media.
  17. ^ 矢川元基. (2001). パソコンで見る流れの科学: 数値流体力学入門. 講談社.
  18. ^ Anderson, J. D., & Wendt, J. (1995). Computational fluid dynamics (Vol. 206). New York: McGraw-Hill.
  19. ^ Chung, T. J. (2010). Computational fluid dynamics. Cambridge University Press.
  20. ^ Blazek, J. (2015). Computational fluid dynamics: principles and applications. Butterworth-Heinemann.
  21. ^ Wesseling, P. (2009). Principles of computational fluid dynamics (Vol. 29). Springer Science & Business Media.

参考文献

和書

  • 日本機械学会『流体力学』日本機械学会〈JSMEテキストシリーズ〉、2005年4月1日。ISBN 978-4-88898-333-4 
  • 西海 孝夫, 一柳 隆義『演習で学ぶ「流体の力学」入門』秀和システム、2013年9月27日。ISBN 978-4798039503 
  • 日野 幹雄『流体力学』朝倉書店、1992年12月1日。ISBN 978-4-254-20066-9 
  • 巽 友正『連続体の力学』岩波書店〈岩波基礎物理シリーズ 新装版〉、2021年11月12日。ISBN 978-4000299046 
  • 松尾 一泰『圧縮性流体力学―内部流れの理論と解析』オーム社、2013年12月1日。ISBN 978-4274069697 

洋書

外部リンク


流体動力学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/19 04:55 UTC 版)

段塔」の記事における「流体動力学」の解説

液体気体、または平衡にある気体液体カラム供給することができる。カラム内部では常に2つの相が存在する1つ気相1つ液相である。液相重力によってカラム下方流れるのに対して気相上方流れる。これらの2つの相は段の面に拡がる穴、バルブ、またはバブルキャップと対応して接触する気体はこれらの装置通してより高い段移動するに対して液体降水管を通ってより下の段に移動する液体カラム底部集められ、再沸器(英語版)によって蒸発するに対して気体カラム最上部で集められ復水器によって液化する上部および底部産生され液体および気体一般に循環される。 最も単純な場合1つ供給流と2つ生成物流だけが存在する分留塔場合は、多く生成物流が存在する

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「流体動力学」を含む「段塔」の記事については、「段塔」の概要を参照ください。

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