核医学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 05:37 UTC 版)
詳細は「en:Nuclear medicine」および「RI内用療法」を参照 核医学とは、放射性同位元素 (radioisotope; RI) やその化合物の生体内(in vivo)や試験管内(in vitro)の挙動を追跡し、診断・治療を行う医学分野である。核医学画像は、CTやMRIといった他の診断用画像と根本的に異なる側面を持っている。その違いは、CTやMRIは形態画像と呼ばれ、患者の解剖学的な構造を画像に反映するのに対し、核医学画像は機能画像と呼ばれ、種々の放射性薬剤を用いた生理・生化学的機能情報を画像に反映する点にある。 核医学検査 核医学検査においては、放射性を放出するアイソトープを含んだ薬品(放射性医薬品)を投与し、ガンマカメラ(シンチカメラまたはアンガー型カメラとも呼ぶ)で体内での動態を計測する。アイソトープ検査、RI検査ともいわれる。 核医学における検査・計測条件と目的による分類 in vivo(インビボ) 非密封RIを体内に注射し、各種臓器の機能や動態を直接計測する。 骨シンチグラフィー(骨シンチ)や18F-フルオロデオキシグルコース・陽電子放射断層撮影(18F-FDG-PET:positron emission tomography)などが、これにあたる。 in vitro(インビトロ) 生体から採取した血液や尿などからホルモンなどの微量物質を生体外で測定する。 核医学による治療 131Iによって、甲状腺機能亢進症や甲状腺ガンのうち、乳頭がんと濾胞がんの治療を行なう。ヨード内用療法。 90Yによって、一部のリンパ腫の治療を行なう。(商品名:ゼヴァリン) 89Srによって、骨シンチで取り込みのある全身性の有痛性多発骨転移に対して、疼痛緩和を図る。(商品名:メタストロン) 223Raによって、骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌に対して、全生存期間(中央値)を11.1ヶ月から14ヶ月へ延長する。2016年6月販売開始。(製品名:ゾーフィゴ)
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