指導原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 06:49 UTC 版)
詳細は「特殊相対性理論における前提(英語版)」を参照 特殊相対性理論では、エーテルの存在を仮定せず、代わりに理論の基盤として以下の二つの原理を採用した: 光速度不変の原理 真空における光の速度 c はどの慣性座標系でも同一である 相対性原理 全ての慣性座標系は等価である 光速度不変の原理は前述したマイケルソン・モーリーの実験の結果から帰結される。実際、この実験の結果によれば、地球から見た光速度は季節によらず同一であった。地球の運動方向や速度は季節によって異なるので、この実験の結果は、光速度が系の運動方向や速度によらないことを意味し、これはすなわちどの慣性系から見ても光速度が不変である事を強く示唆しているのである。一方、相対性原理はガリレイの相対性原理を緩和したもので、全ての慣性座標系が等価であることは仮定するが、慣性座標系の間の変換則がガリレイ変換であるとは仮定しない。この原理は、光速度不変の原理から示唆される。光速度不変の原理によれば、どの慣性座標系でも同一であるのだから、絶対静止座標系のような「特別な」座標系は存在せず、全ての慣性座標系は等価であると思われるのである。エーテル仮説は、エーテルによる「絶対静止座標系」が存在するという仮定を採用し、全ての慣性系は等価であるというガリレイの相対性原理を捨て去ったものであった。それに対し特殊相対性理論では、ガリレイの相対性原理を緩和した相対性原理を仮定し、代わりに「絶対静止座標」とその基盤であるエーテル仮定とを放棄したのである。 なお、相対性原理理論の成果はそれまでのニュートン力学と次の意味で両立していなければならない: 慣性座標系間の変換則は非相対論的極限 v / c → 0 においてガリレイ変換に漸近する。ここで v は2つの慣性座標系間の速度で、c は真空中の光速度である。 なおアインシュタインは特殊相対性理論の構築において前述した指導原理のみならず、空間の等質性や等方性を暗に仮定していた事をのちに認めている[要出典]。
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