たい‐けつ【対決】
対決
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 08:23 UTC 版)
「ツァボの人食いライオン」の記事における「対決」の解説
パターソンはキャンプに戻る前に、死んだロバの状態を確かめてみた。ロバは臀部をわずかに食害されているのみだったため、パターソンはライオンが再びここに戻ってくるという確信を持った。 翌日(12月10日)、パターソンはライオンを迎え撃つための準備に取りかかった。手近には立ち木がなかったため、パターソンはロバのところから3メートルほど離れたところに3.5メートルぐらいの足場を作らせてそこに陣取ることにした。ロバは近くの切り株に丈夫な針金を使ってしっかりとつなぎ、銃撃の前にライオンが奪っていかないように対策をとった。パターソンは日没後、ただ1人でこの足場に登った。使用人である鉄砲持ちのマヒナは、単独行動に難色を示したが、それを押し切った。パターソンも実は彼を連れていきたいと考えていたが、マヒナはその日ひどく咳をしていたため、声や音などで台無しにされるのを恐れたのであった。 宵闇は暗く深く、周囲は完全な静寂に包まれていた。パターソンは緊張して待機していたが、やがて半分眠った状態になった。パターソンの意識を覚醒させたのは、小枝が折れる音であった。パターソンが周囲の気配に意識を集中したところ、大きな動物がやぶの中を逃げるような気がしたため「人食いライオンだ」と判断した。ライオンは明らかに空腹であることを示す深く長いため息をつくと、やぶの中を注意深く進み始めた。間もなくライオンはパターソンの存在に気づき、怒ったような唸り声を上げた。 また逃げられるのかとパターソンは心配になったが、ライオンは逃げる代わりにパターソンを攻撃することを選んだ。ライオンはパターソンのいる足場の周囲を、2時間ほどかけてゆっくりとはい回って彼を怯えさせた。急ごしらえの足場の脚部が折れたら、もしくはライオンがパターソンのいる地上3メートル付近まで跳躍してきたら、などという恐ろしい考えがパターソンを後悔させた。 切迫した状況に耐えながら、パターソンはできるだけ不動の姿勢を保つように注意を払った。真夜中ごろに何かが飛んできて、パターソンの後頭部を直撃した。一瞬ライオンの攻撃かと動揺したパターソンは足場から落ちそうになったが、その正体はフクロウであることがわかった。一連の行動でパターソンが体を動かしたため、ライオンは唸り声を返した。 ライオンは少しずつ忍び足で近寄り、パターソンとの距離を縮めてきていた。ライオンは下草の中に身を潜めていたが、パターソンはおおよその見当をつけることができた。ライオンがそれ以上近づいてこないうちに、パターソンは狙いを定めて銃の引き金を引いた。直後にライオンは恐ろしい唸り声を上げ、のたうち回る音がパターソンの耳に届いた。ライオンの姿自体は見えなかったが、パターソンはライオンが逃れた方向に向けて発砲を続けた。大きい唸り声を上げた後、ライオンの声は苦痛のあまり深い喘ぎ声に変わって、やがて声自体がやんだ。 パターソンが人食いライオンのうち1頭を倒したという知らせは、瞬く間に周囲のキャンプ一帯に広まった。キャンプにいた人々は歓喜してパターソンのいる足場を取り囲み、「マバラク!マバラク!」(神様、あるいは救世主という意味)と叫んで地面にひれ伏した。その夜、慎重を期したパターソンはライオンの死骸を探しに行くのはやめさせて、人々とともにキャンプに引き上げ、そこで夜通し盛大な祝宴が開かれた。 夜明けを待って、パターソンは昨夜の場所へ向かった。何度もパターソンから逃れてきたライオンがまた消え失せなどしていたらと不安だったというが、ライオンは間違いなく死んでいた。従ってきた人々は、パターソンを肩上に担ぎ上げてライオンの周りをまわるなど大喜びしていた。パターソンがライオンを調べると、2発の銃弾が命中していた。1発は左肩後ろから心臓を貫通し、別の1発は右後ろ脚に当たっていた。このライオンは鼻先から尾の先端までの長さが2メートル90センチ、立ったときの高さは1メートル15センチを測り、8人がかりでキャンプまで運ぶことになった。ただし、何度もイバラだらけのボマを突破して人々を襲っていたため、その毛皮は傷だらけになっていた。さらに、以前有蓋貨車で撃った弾丸がこのライオンの牙を欠損させていたことも判明した。 人食いライオンのうち1頭が死んだというニュースは、ほどなくして国中にも知れ渡った。多くの祝電が届き、各地から人食いライオンの毛皮を見るためにたくさんの人々がツァボを訪問した。
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「対決」の例文・使い方・用例・文例
- 知事は議会で野党党首たちと対決した
- 彼は侮辱を受けたが,対決を避けるために受け流した
- 彼女は警察官と対決したとき勇気を示した
- それは世紀の対決だと宣伝された。
- 首相が政敵の挑戦と真っ向から対決しました。
- 追われた敗残兵は、どうやら対決のときがきたと、腹をきめた。
- 相反する理想を抱いた二つの強力な勢力が対決するのは、最終手段の時である。
- 失敗のさいの危険を考慮しながら、彼は相手との対決を要求した。
- 経営側と労働者側との対決があるでしょう。
- 被告人は原告と対決させ[自分に不利な証拠を突きつけ]られた.
- 局地的な対決でも大戦争に拡大[エスカレート]することがある.
- …と対決する, 決着をつける.
- このために早晩両国間の政治的対決が見られることであろう.
- 温顔をもって対決した
- 恐るる色無く対決した
- 彼は温顔をもって対決に臨んだ
- 対決させて戴きたい
- (芝居の)対決場
- 対決によってゲームを始める
- 軍事対決の準備をする
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