季御読経とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 季御読経の意味・解説 

き‐の‐みどきょう〔‐みドキヤウ〕【季の御読経】

読み方:きのみどきょう

春秋2季陰暦2月8月3日ないし4日間、宮中で、大般若経(だいはんにゃきょう)を衆僧転読させた儀式


季御読経

読み方:キノミドキョウ(kinomidokyou)

宮中年中行事の一。


きのみどきょう 【季御読経】

日本宮中で季ごとに衆僧に『大般若経』を転読させ、国や天皇安泰を祈らせた行事。年の御読経とも。

季御読経

読み方:キノミドキョウ(kinomidokyou)

宮中毎年二月八月春秋二季行なわれた行

季節

分類 宗教


季御読経

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/02/01 23:16 UTC 版)

季御読経(きのみどきょう)は、平安時代に行われた宮中行事のひとつ。奈良時代和銅年間に始まったとする説もあるが、天平元年(729年)が有力である。

概要

季御読経は、春と秋に国家安泰を祈願して宮中に僧を招き、大般若経を転読する仏教法会である。通常4日ないし3日間の法会が開かれ、2日目に「引茶」という茶の接待が僧侶に対して行われ、3日目には僧侶同士の「論義」が行われる。ただし「引茶」と「論義」は原則春季のみであった。初日ないし最終日には法会と共に各寺院の得度を朝廷から賜る儀礼が行われた。

宮中の公式行事として確立したのは貞観元年(859年)であるが、この頃には「四季御読経」として年間を通じて催されていた。その後、元慶元年(877年)の陽成天皇践祚より回数を減じて、春秋の季御読経に改められた。

参集する僧侶は60~100名前後に及び、御斎会、最勝講などの法会と比べても規模の大きいものであった。また、引茶の接待や、夜には参集した貴族に対して酒肴の接待があったことから、時代を経るにつれて仏教法会より饗応の宴としての派手さが目立つようになった。

10世紀頃には宮中行事とは別に上皇東宮(皇太子)、皇后などの主催でも私的に季御読経が催されるようになった。延長2年(924年)には藤原穏子が主催しているが、これは明らかに中宮の権力誇示を目的としていた。また、摂関家でも嗜みとして催されている。ただし、藤原道長が政治の表舞台から外れると摂関家における季御読経の回数は減り、続く頼通の時代にはほとんど行われなくなっていった。

引茶

平安期における「」はより伝来された最新の文化で大変貴重であった。そのため、宮中における茶の接待には準備も含めて莫大な手間と費用がかかった。

引茶の飲茶法は、整然と並ぶ僧侶に対して、まず煎茶を注ぎ、甘葛、厚朴、生姜などの薬味を好みにより投じて供したとされる。初め煎茶は遣唐使によりもたらされた貴重なものが用いられたが、9世紀後半には宮中の内裏茶園で栽培され、蔵人所の造茶使が製造を行っている。

参考文献

  • 黒板勝美編『新訂増補国史大系日本三代実録』前後篇(吉川弘文館、初版1937年、普及版1971年)
  • 倉林正次「季御読経考」『饗宴の研究』(桜楓社、1987年)
  • 相馬範子「季御読経における引茶について」『藝能史研究』169(藝能史研究會、2005年)


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「季御読経」の関連用語

1
100% |||||



4
12% |||||

5
8% |||||

6
8% |||||

7
6% |||||

8
4% |||||

季御読経のお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



季御読経のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
中経出版中経出版
Copyright (C) 2025 Chukei Publishing Company. All Rights Reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの季御読経 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS