三昧堂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 09:27 UTC 版)
木造十一面観音立像 重要文化財。平安時代。像高175.2センチ。通年拝観可能。 二月堂の近くにある三昧堂(さんまいどう、別名四月堂)の本尊として安置される像である。三昧堂の本尊はもとは千手観音像であったが、2013年、堂の改修時に千手観音像は東大寺ミュージアムに移され、代わってこの十一面観音像が三昧堂の本尊となった。この十一面観音像は、奈良市狭川町にあった廃寺・桃尾寺から明治初年に東大寺に移された像である。東大寺に移されてからは二月堂に安置され、後に収蔵庫に移され、2013年に前述のとおり三昧堂に移された。像の構造は一木割矧造で、頭体の主要部をヒノキの一材から彫成し、割り矧いで内刳を行う。右腕は肩と手首で、左腕は肩、臂、手首でそれぞれ矧ぐ。着衣には截金で唐草、卍字繋ぎ、麻の葉繋ぎなどの文様を表す。肉身部の漆箔は後補のもので、光背、台座も後補である。 木造阿弥陀如来坐像 重要文化財。平安時代。像高85.0センチ。 三昧堂内陣の向かって右側に安置される像。定印(じょういん、腹前で両手を組む)をむすぶ阿弥陀像である。構造は一木割矧造で、頭体の主要部をヒノキ材の一木から彫成し、前後に割り放して内刳を行い、頭部は割首とする。面相部も仮面状に割り放して玉眼を入れる。ただしこの玉眼は後補であり、右目には彫り直しの跡がある。なで肩の体形で、肉付けの抑揚を控え、上体の奥行も乏しい。衣文も平行線主体の穏やかなものである。像表面の漆箔は後補で、裳先、後頭部の蓋板、光背も後補とする。台座は九重の蓮華座で、当初のものである。
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