アイリスオーヤマ/佐賀でパックご飯生産、食品事業2030年に売上1000億円目標
2024年07月09日 16:31 / 経営
アイリスオーヤマは7月9日、鳥栖工場(佐賀県鳥栖市)でパックごはんと炭酸水の本格生産を開始した。
同工場は西日本における食品の生産・物流拠点、ASEAN含むアジア圏への輸出拠点となる。今後、国内7拠点の食品工場の生産設備増設により生産体制を増強し、さらなる生産拠点の増設も視野に入れ、2030年には食品事業で1000億円、うち輸出額100億円の売上を目指す。
今回、同工場で食品の本格生産を開始することで、パックごはんは角田工場(宮城県角田市)と合わせた2工場で計6ライン体制、日産約120万食の生産能力となった。今後、鳥栖工場で稼働予定の2ライン目を加えると日産約140万食となる見込み。炭酸水は、国内3工場で計4ライン体制、1時間当たりの生産能力は約9万4000本に上り、今後さらなる増設を計画している。
鳥栖工場は、農林水産省による「産地生産基盤パワーアップ事業」(収益力強化に計画的に取り組む産地に対し、農業者等が行う高性能な機械・施設の導入や栽培体系の転換等に対して総合的に支援するもの)を活用してパックごはんの設備を導入。ASEAN含むアジア圏への食品の輸出拠点と位置付け、2030年の輸出額はパックごはん30億円、飲料水50億円をそれぞれ見込んでいるという。
加えて、同工場では、炭酸水の新ブランド「CRYSTAL SPARK(クリスタルスパーク)」を国内工場で初生産した。これを機に炭酸水ブランドを確立したい考えだ。
アイリスオーヤマは2013年、東日本大震災の被災地支援と農業復興を目的に「精米事業」に参入。2015年には「パックごはん事業」を始め、2017年には角田工場(宮城県角田市)で自社生産を開始し、その後も生産設備を増設してきた。
2021年には、今後の発災時における飲料水供給の課題解決を目指して「飲料水事業」をスタート。2023年には富士小山工場に続き2拠点目となる富士裾野工場(静岡県裾野市)の稼働を開始するなど、食品の生産・供給体制を強化している。
■鳥栖工場
所在地:佐賀県鳥栖市西新町1375-26
竣工:1990年4月(国内3番目)
品目:プラスチック製品・LED照明、精米・パックごはん・飲料水
敷地面積:15万9751m2
延床面積:11万2753m2
自動倉庫パレット数:6万4816枚
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