繁忙期こそ管理徹底を 年末年始の無災害を呼び掛け 労働局・労基署がパトロール
工事の追い込みや業務量増加などで忙しくなる年末年始時期の無災害を呼び掛けるため、全国の労働局・労働基準監督署が建設現場のパトロールを実施した。建設工事現場、物流倉庫を巡視し、墜落転落やフォークリフトとの接触など重篤な労働災害を防止するための安全管理を確認。管内事業場へ好事例を水平展開するとともに、繁忙期は労災のリスクが高くなるとして注意を呼び掛けた。
職長による決意表明を評価/東京労働局
東京労働局(富田望局長)は12月3日、年末年始のSafe Work推進強調期間の取組みとして、建設業労働災害防止協会東京支部(松井隆弘支部長)と合同安全衛生パトロールを実施した。(仮称)池袋西口プロジェクト(施工:清水建設東京支店)で、カーテンウォール搬入作業や化学物質管理状況などを視察した富田局長は、「長の一念」と呼ぶ職長の決意表明や安全帯100%使用に向けた試行ゲートの設置、整理整頓状況や休憩所の整備などを評価。「何かと忙しい年末年始は労災のリスクが高まる。改めて対策の重要性を意識してほしい」と引き続き徹底を依頼した。
開口部の墜落防止策を確認/千葉労働局
千葉労働局(岩野剛局長)は12月3日、千葉市新清掃工場建設工事作業所(施工:日鉄エンジニアリング・三井住友建設JV)で局長による安全パトロールを行った。岩野局長は、溶解炉の設置工事の説明を受けるとともに、開口部となっている建設中のゴミピット部分での墜落転落防止対策などをチェックした。また、リアルタイムで現場情報を共有できるシステムやデジタルサイネージを使った見える化による安全意識向上策など積極的な安全対策に取り組んでいることを確認している。
物流倉庫でフォーク災害対策重点に/佐賀労基署
佐賀労働基準監督署(貞木竜成署長)は12月4日、物流事業場へ労働災害防止を呼び掛けるため、鳥栖倉庫商工団地事業所を巡視した。フォークリフトの安全管理で、労働者が歩行する通路の表示や車両に装着したバックライトによる旋回範囲の可視化などの接触防止措置のほか、全社安全衛生定例会、フォークリフト運転許可登録制度など、事業所の活動状況の確認を行った。貞木署長は「物流倉庫の構内は、たくさんのフォークリフトやトラックが走行しており、そのコントロールが労災防止の最重要ポイントになる。独自の取組みによって安全性が適切に保たれている」と評価した。管内では今年、陸運業の労災が増加しており、転倒腰痛など多発災害や高齢者対策などについても協力を求めた。