SHIKINEN SENGU

第六十二回神宮式年遷宮

写真で綴る遷宮諸祭

式年遷宮は、二十年に⼀度、正殿を始めとする殿舎とおんしょうぞくしんぽうを新たに造り替え、⼤御神に新宮へお遷りいただくお祭りで、九年の歳⽉をかけ三十三のお祭りと⾏事を重ねて⾏います。

主要な祭典メニュー
御神木のお祭り
社殿建築のお祭り
神遷しのお祭り

第62回の遷宮祭も、平成17年の山口祭から始まり、諸々のお祭りと行事を重ねられ、その間には地元の神領民と全国から集まった特別神領民による御木曳おきひき行事、御白石持おしらいしもち行事も盛大に行われ、平成25年10月に無事遷御せんぎょの儀を終えることができました。
ここでは遷宮諸祭を「御神木のお祭り」、「社殿建築のお祭り」、「神遷しのお祭り」の三篇に分けてその道のりを紹介し、第62回神宮式年遷宮の感動を伝えます。

ご神木のお祭り

⼭⼝祭〜御⽊曳⾏事

平成17年5月⼭⼝祭やまぐちさい

新宮にいみやの御用材を伐り出すに当たり、御杣山みそまやまの山の口に坐す神に伐採と搬出の安全を祈ります。
御杣山は時代とともに変遷し、現在は木曽(長野県・岐阜県)に定められていますが、山口祭は現在でも神路山、高倉山の山麓で行われます。

平成17年5月木本祭このもとさい

御正殿の御床下に奉建する心御柱しんのみはしらの御用材を伐採するにあたり、その木の本に坐す神を祀ります。古くより神秘の儀式とされ、真夜中に行われます。

平成17年6月御杣始祭みそまはじめさい

御用材を木曽の御杣山みそまやまで正式に伐り始めるお祭りです。
最初に御樋代木みひしろぎと呼ばれる、御神体をお納めする御器を奉製するための檜を伐採します。御樋代木は御杣山の山中で左右に並ぶ二本の檜を選び、「三ツ緒伐みつおぎり」という古式の作法で伐り倒します。

平成17年6月御樋代木みひしろぎ
奉曳式ほうえいしき

御杣山みそまやまで伐採された御樋代のための御用材を、内宮と外宮の両宮域内の五丈殿ごじょうでん前に曳き入れる儀式です。
伊勢に到着した御用材は、内宮・外宮とも古式のままに神域へ曳き入れられます。

平成17年9月御船代祭みふなしろさい

御樋代をお納めする器である「御船代」の御用材を伐採するお祭りです。内宮と外宮の宮域内に設けられた宮山祭場みややまさいじょうで行われます。

平成18年4月御木曳初式おきひきぞめしき

御杣山より伐り出された御用材を、内宮と外宮の両宮に曳き入れる伝統行事です。揃いの衣装を着た神領民が、木遣歌も勇ましく奉仕します。両正宮や別宮の棟持柱むなもちばしらにあてられる「役木やくぎ」という代表的な御用材を神域に曳き込むため、「役木曳やくぎびき」とも呼ばれます。

平成18年4月木造始祭こづくりはじめさい

御造営の作業を始めるに際し、作業の安全を祈るお祭りです。御木曳初式おきひきぞめしきで奉曳された御木に小工こだくみ忌斧いみおのを打ち入れる所作を行います。

平成18年5月〜7月御木曳行事おきひきぎょうじ
(第一次)

神領民と全国の崇敬者により、御用材を古式のままに両宮域内へ曳き入れる盛大な行事です。内宮は五十鈴川を川曳かわびきし、外宮は御木曳車で陸曳おかびきします。遷宮諸祭・行事の中で最もにぎやかな行事です。

平成18年5月仮御樋代木かりみひしろぎ
伐採式ばっさいしき

遷御せんぎょ」の際に御神体を納める「仮御樋代かりみひしろ」の御用材を伐採するにあたり、木の本に坐す神をお祀りし、忌斧いみおのを入れる式です。

平成19年5月〜7月御木曳行事おきひきぎょうじ
(第二次)

御木曳行事は地元の神領民の誇りとして奉仕されます。御遷宮に奉仕できる数少ない行事として神領民に加えて全国からも多くの特別神領民が御用材を奉曳し、伊勢の町は活気に満ち溢れました。

社殿建築のお祭り

鎮地祭〜後鎮祭

平成20年4月鎮地祭ちんちさい

新宮を建てる新御敷地で行われる最初のお祭りです。造営作業の安全を祈り大宮処おおみやどころに坐す神を祀ります。このお祭りを節目に遷宮諸祭は山作やまづくりから庭作にわづくりへと進められていきます。

平成21年11月宇治橋渡うじばしわたり
始式はじめしき

内宮の入口に架かる宇治橋は、遷宮の度に架け替えが行われ、古式ゆかしく渡り始めが行われます。「渡女わたりめ」を先頭に全国から選ばれた三世代そろった夫婦に続いて、関係者や市民などが新橋を渡ってお祝いしました。

平成24年3月立柱祭りっちゅうさい

御正殿の建築はじめに際し、御柱みはしらを建てるお祭りです。建物の守り神として崇められる屋船大神やふねのおおかみに平安を祈り、束柱つかばしらを貫き支える足堅あしがため四間樌よまぬき木口きぐち小工こだくみ木槌きづちで打ち固めます。

平成24年3月御形祭ごぎょうさい

御正殿の東西の妻の束柱に円形の図様ずよう穿うがつお祭りです。『皇太神宮儀式帳こうたいじんぐうぎしきちょう』には御正殿竣功後に奉仕する秘儀と記されています。

平成24年3月上棟祭じょうとうさい

御正殿に棟木むなぎを上げるお祭りです。古儀の通りに測量をした後、神職と造営庁職員が棟木から伸ばされた綱を曳いて棟木をあげます。造営に関わる遷宮諸祭の中でも一際華やかなお祭りです。

平成24年5月檐付祭のきつけさい

御正殿の御屋根のかやき始めるお祭りで、屋船大神やふねのおおかみに祈りが捧げられます。

平成24年7月甍祭いらかさい

御正殿のかやも葺きおわり、金物を打つお祭りです。代表的な金物が御正殿前に奉安され、小工が金槌で打つ所作をします。

平成25年7月〜8月御白石持おしらいしもち
行事ぎょうじ

神領民が新宮に御白石を奉献する行事です。全国から7万人の特別神領民も伊勢に集い、五十鈴川と伊勢街道には、木遣歌と「エンヤ―!」の掛け声がひびきます。

平成25年9月御戸祭みとさい

御正殿の御扉を立てるお祭りで、扉に鑰穴かぎあな穿うがちます。御扉が付くことは造営工事の完了を意味します。

平成25年9月御船代みふなしろ
奉納式ほうのうしき

御神体のお鎮まりになる「御船代みふなしろ」を刻み、御正殿に奉納します。

平成25年9月洗清あらいきよめ

新殿の竣功にあたり殿内と殿外を洗い清める儀式です。

平成25年9月心御柱奉建しんのみはしらほうけん

心御柱しんのみはしらは正殿の御床下に建てられる特別な御柱で、忌柱いみばしら天ノ御量柱あめのみはかりのはしらとも呼ばれます。心御柱の奉建は、遷宮諸祭の中でも一際重んじられる秘儀です。

平成25年9月杵築祭こつきさい

新殿の竣功を祝し、大宮処おおみやどころき固めるお祭りです。祭儀に先立ち五丈殿で饗膳きょうぜんの儀を行い、神職は白杖びゃくじょうを持ち新殿の周りを巡り、古歌を歌いながら柱の根本を撞き固めます。

平成25年10月後鎮祭ごちんさい

新宮の竣功に際し、御正殿の床下に天平瓮あめのひらかを奉居するお祭りです。大宮処の平安を祈った鎮地祭の対になるお祭りです。

神遷しのお祭り

御装束神宝読合〜御神楽

平成25年10月御装束神宝おんしょうぞくしんぽう
読合とくごう

天皇陛下より大御神に献ぜられる御装束神宝を、新宮の四丈殿において、式目しきもくに照らし読み合わせる儀式です。

平成25年10月川原大祓かわらおおはらい

遷御せんぎょの前日、仮御樋代かりみひしろ仮御船代かりみふなしろや御装束神宝を始め、遷御に奉仕するすべての奉仕員を「川原祓所かわらはらいしょ」で祓い清める儀式です。

平成25年10月御飾おかざり

遷御当日、新調された御装束で殿内を装飾し、大御神にお遷りいただく準備をする儀式です。

平成25年10月遷御せんぎょ

大御神が本殿から新殿へとお遷りになる式年遷宮の中核をなすお祭りです。100名をこえる奉仕員は御装束神宝おんしょうぞくしんぽうを手に整列し、天皇陛下がお定めになられた時刻に本殿から出御しゅつぎょされ、新殿に入御じゅぎょされます。

平成25年10月大御饌おおみけ

遷御せんぎょの翌日の早朝、新殿において初めて大御神に神饌しんせんを奉るお祭りです。

平成25年10月奉幣ほうへい

古くは「一社奉幣いっしゃほうへい」と称され、遷御せんぎょとともに一際重んじられてきたお祭りです。天皇陛下より奉られる幣帛を奉納し、その後五丈殿で饗膳の儀が行われます。

平成25年10月古物渡こもつわたし

古殿内の神宝類を新宮の西宝殿に移す儀式です。大御神がお遷りになった後の古殿は昨日までと違った雰囲気が漂っています。

平成25年10月御神楽御饌みかぐらみけ

御神楽を執り行うに先立ち、大御神に神饌しんせんを奉るお祭りです。

平成25年10月御神楽みかぐら

新宮の四丈殿において、天皇陛下がおつかわしになった宮内庁楽師がくし御神楽みかぐらを奉納します。遷宮諸祭の最後を飾るお祭りです。

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