伊勢神宮の
「ギモン」

JINGU01なぜ、内宮ないくう外宮げくう
呼ぶのですか?

写真は内宮の御正宮です。

朝廷のことを「内裏だいり」というように「内」は天皇を意味すると考えられ、皇大神宮こうたいじんぐうの御祭神‧天照大御神あまてらすおおみかみが皇室の御祖先の神であることから「内」なる「宮」と言われます。そして内裏の外にある離宮のことを昔は「外」と呼んでいたように、内宮に対して外宮と呼ばれたという説もあります。奈良時代(8世紀前期)には、すでに外宮と呼ばれた記録もあります。

JINGU02神宮内に
パワースポットは
ありますか?

緑豊かな神域を巡ると
身も心も洗われます。

特にそのような場所はありません。神宮は2000年以上祈りが捧げられている聖地ですので、あえていうなら神域すべてがそうなのでしょう。近年、内宮の四至神みやのめぐりのかみや外宮の三ツ石みついしに手をかざす方がいますが、神様をお祀りする場所や祭典に用いる場所ですので、ご遠慮ください。

JINGU03伊勢神宮にお参りした
歴史上の人物を
教えてください。

神宮徴古館蔵
写真は「織田信⻑黒印状」です。

平清盛、足利義満、織田信⻑などが挙げられます。平清盛は三度、足利義満は十一度、織田信⻑は一度参拝しています。また徳川家の歴代将軍は自身で神宮に参拝することはありませんでしたが、毎年、家臣に代理参拝させ、太刀や馬などを多数奉納しました。神宮徴古館では三英傑からの書状をはじめ、歴史や参宮についての貴重な史料を所蔵‧展示しています。

全てを展示しているわけではありません。

参拝中の
「ギモン」

VISIT01なぜ内宮は右側通行、
外宮は左側通行
なのですか?

内宮は右側通行に
ご協力ください。

古い書物などを読んでもその理由ははっきりと書かれていませんが、参道の外側を通って神前に進んだ参拝者の「慎みの心」の表れと考えられます。また、参拝前にお清めをする御手洗場みたらしが内宮は右側、外宮は左側であったことも理由と考えられます。

VISIT02宇治橋の上流にある
柱は何ですか?

宇治橋は20年に1度かけ替えられています。
今の宇治橋は平成21年に渡始式が行われました。

その柱は木除杭きよけぐいといいます。五十鈴川の増水や氾濫の際に、上流から流れてくる流木が宇治橋の橋脚へあたることを防ぎ、橋を守る役目があります。これを見て橋を造り替えるときの橋脚といわれる方がいますが、下流に仮の橋をかけてから工事を行うので、宇治橋の位置は変わりません。

VISIT03参道にある
太い木の樹齢を
教えてください。

写真は外宮の清盛楠です。平清盛が枝を
伐らせたという伝承があります。

樹齢は約400年から900年と思われます。以前、台風で倒れた内宮の杉の木がありました。年輪から樹齢を調査すると、約800年でした。また、外宮にある清盛楠きよもりぐすは、その言い伝えから遡ると900年近くになります。

VISIT04なぜ、参道の杉には
竹が巻いて
あるのですか?

参拝マナーのご理解と
ご協力お願いします。

以前、参拝の記念に杉の皮を持って帰られる方がいたため、対策として竹が巻かれたようです。また参拝者の衣類で擦れて傷まないようにするためでもあります。樹木の木肌が傷むことがないように、皆様もご協力をお願いします。

VISIT05お参りする
ところにある
白い布は何ですか?

写真は外宮の御正宮です。

白い布は御幌みとばりといいます。神宮の正殿は四重の垣根に囲まれ大切にお守りされていますが、門を開いたときに、正面が直接見えないように御幌を掛けています。出入口の外側に立っている蕃塀と呼ばれる塀も同様の意味があり、内宮の蕃塀ばんぺいも石段の下など東⻄南北にあります。

VISIT06正宮では個人的な
お願いごとをしては
いけないのですか?

御神前では「感謝の心」を
捧げてお参りください。

正宮は公の祈願をお祭りという形で行う場所ですので、感謝の気持ちを天照大御神に伝えるのが古くからの風習です。ですが、決して個人的なことを祈ってはいけないところではありません。個人的なお願いごとは荒祭宮あらまつりのみや多賀宮たかのみやでする、というような地元の風習としての信仰もありますが、どの宮社でもまず感謝をし、次にお願いごとをすれば良いかと思われます。きちんとお願いごとをしたい場合は、神楽殿でご祈祷をあげると良いでしょう。

神札ふだとお守りの
「ギモン」

AMULET01なぜ「おみくじ」は
ないのですか?

神宮徴古館蔵
歌川広重の浮世絵「伊勢参宮 宮川の渡し」には
多くの人が伊勢を目指す様子が描かれています。

伊勢神宮には昔から「おみくじ」はありませんでした。おみくじは日ごろからお参りできる身近な神社で引くものでした。また、「一生に一度」とあこがれたお伊勢参りは、大吉でないわけがありません。その為、おみくじも引く必要がなかったと考えられます。

AMULET02内宮と外宮の
お神札‧お守りに
違いはありますか?

巾着型が内宮の開運鈴守、
勾玉型が外宮の開運鈴守です。

内宮は天照大御神あまてらすおおみかみ、外宮は豊受大御神とようけのおおみかみのご神徳を頂いていることが違います。天照大御神が本来のお力を発揮されるためには、 御饌都神みけつかみである豊受大御神のお力が必要です。お守りも是非内宮と外宮を合わせてお持ちください。

AMULET03複数の神社のお守りを
持つと神さまは
ケンカしますか?

写真は内宮の
お神札授与所です。

「お守りをたくさん持つと大切にしない」という戒めに、尾ひれが付いて「神さまがケンカする」という俗説が生まれたと思われます。複数のお守りを持つことはそれぞれの神さまからご加護いただく意味があり、神さまがケンカをすることは決してありませんのでご安心ください。

お祭り‧その他の
「ギモン」

RITUAL01なぜ式年遷宮しきねんせんぐう
20年に一度
行うのですか?

遷宮前、東と⻄に並ぶ新旧のご社殿です。
唯一神明造と呼ばれる建築様式です。

素木しらき造りの社殿や萱葺かやぶき屋根の尊厳を保つため、宮大工みやだいくや神宝の調製などの伝統技術を継承するためなど、その理由はいろいろ推測されますが、なぜ20年かという定説はありません。なによりも大切なことは、20年に一度造り替えられる常に新しくみずみずしいご社殿で、永遠に変わらぬお祭りが行われ続けることにあり、そのことにこそ大きな意味があります。

RITUAL02神職さんの
着物のことを
教えてください。

写真は神嘗祭の装束(左)と、
大祓の装束(右)です。

神職がお祭りで着る着物を装束しょうぞくといいます。神宮では白色の装束を用い、その装束はお祭りによって異なります。神嘗祭など大きなお祭りでは「斎服さいふく」に「かんむり」、大祓や遙拝式などは「浄衣じょうえ」に「烏帽子えぼし」を用います。また足元はそれぞれ「浅沓あさぐつ」と呼ばれる黒色の履物を用い、手にはしゃくを持ちます。

RITUAL03伊勢神宮の職員は
何人いますか?
また公務員なのですか?

私たち衛士は入口の衛士見張所など
神域内の様々な場所で警備をしています。

神宮の職員は約600人です。神前で奉仕する神職や雅楽ががく舞楽ぶがくの奉仕をする楽師がくし舞女ぶじょ、その他にも警備を担当する衛士えし宮大工みやだいく、宮域林を守る林業作業員などがおり、それぞれの専門分野で神宮をお守りしています。また、昭和21年1月までは公務員でしたが、現在は公務員ではありません。神宮の神職になるには東京の國學院大學、伊勢の皇學館大学、または全国に数カ所ある神職養成所にて資格を取得することが必要条件です。採用試験等もあります。

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