翻訳会社が外注費を削る場合の注意事項
- 2019/07/03
- 23:01
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翻訳業界での用語の解説
翻訳会社……翻訳の品質管理、納品その他、さまざまな周辺業務を行う会社
チェッカー……翻訳チェッカーともいう。品質管理を担当する。原文と訳文を見比べ、この翻訳者のこういうところは改善が必要など、翻訳を修正しながら傾向を把握していく。
PM、コーディネーター……翻訳者のスケジュール調整、翻訳案件の打診、お客様とのやり取り等、様々な場面で窓口になる職種。対人スキルの高い人が多い。
トライアル……翻訳の仕事をもらう前に受ける実力試験
スタイルガイド……各顧客が定める、半角スペースを入れる/入れないなど体裁上の細かな決まり
原文、訳文……英語から日本語にする場合、英語が元の文(原文)、日本語が翻訳した文(訳文)
TM……過去訳のデータ。翻訳支援ツールに読み込ませ、翻訳時に検索することで、表現の統一、複数人での作業、翻訳の仕方についての意向の把握などが簡単になる。
DTP……デスクトップ・パブリッシング。専用ソフトウェアで翻訳した後、Wordなどに出力してレイアウトを整える仕事。英語力はさほど必要ないが、てきぱき仕事を片付ける必要がある。
プロパゲート……Tradosという専用ソフトウェアでは、設定により同じ文章に対する翻訳を自動的に統一できる。注意は必要だが、元の英語が同じであれば、
Word上では通常同じ日本語になっていることが期待でき、正確に訳してあれば何度も見る必要はない。
ポストエディット……機械が翻訳した文章をチェッカーなど翻訳業界のプロが修正して、読める代物にする作業。人間の感性で作られた文章ではないため、修正後も仕上がりはいまひとつ。
単価の安い翻訳者を使ったおかげで
チェッカーにとってはかなりの負担増。
最後の最後で「納品済みの翻訳の
訳語はあまり変えないでくれ」と
怒られてしまいました。
何回かに分けて納品したのですが
翻訳者もすごくデキる人と
すごく手のかかる人がいました。
最初にすごく手のかかる翻訳者に
お願いして、最後になって
デキる翻訳者が担当したところ
品質の問題が露呈しました。
安い翻訳者を使うのは
仕方ないのだけど
使う順番に工夫が欲しかったですね。
最初は高くなっても高品質の翻訳にして
あとで単価の安い翻訳者に
それを見習ってもらうのが吉。
用語の訳もあらかた決まります。
何度も出てくる表現については
訳語を統一する必要があります。
分納していると前はこうしたけれど
もっといい訳語が見つかることがあります。
最初からよい翻訳であれば
統一するのですが、
あとで絶対このほうがいいと気づき。
そうした場合、怒られてでも
訳語の変更をお願いするか
安い翻訳に揃えるかの二択です。
あまりにも品質が違いすぎて
変えないわけにはいきませんでした。
外注費を削るのはどの翻訳会社にも
共通する方針だと思いますが、
品質に差がある複数の翻訳者に
依頼する場合、使う順番を
間違えると痛い目を見ます。
なかなか成長させてくれる翻訳者です。
実力は上がっているとは思うけれども、
単価の高い翻訳者と比べてしまうと
ぜんぜん違いますね。
それでは~!
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