マシンの活用は避けて通れない
- 2019/07/12
- 23:59
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翻訳業界での用語の解説
翻訳会社……翻訳の品質管理、納品その他、さまざまな周辺業務を行う会社
チェッカー……翻訳チェッカーともいう。品質管理を担当する。原文と訳文を見比べ、この翻訳者のこういうところは改善が必要など、翻訳を修正しながら傾向を把握していく。
PM、コーディネーター……翻訳者のスケジュール調整、翻訳案件の打診、お客様とのやり取り等、様々な場面で窓口になる職種。対人スキルの高い人が多い。
トライアル……翻訳の仕事をもらう前に受ける実力試験
スタイルガイド……各顧客が定める、半角スペースを入れる/入れないなど体裁上の細かな決まり
原文、訳文……英語から日本語にする場合、英語が元の文(原文)、日本語が翻訳した文(訳文)
TM……過去訳のデータ。翻訳支援ツールに読み込ませ、翻訳時に検索することで、表現の統一、複数人での作業、翻訳の仕方についての意向の把握などが簡単になる。
DTP……デスクトップ・パブリッシング。専用ソフトウェアで翻訳した後、Wordなどに出力してレイアウトを整える仕事。英語力はさほど必要ないが、てきぱき仕事を片付ける必要がある。
プロパゲート……Tradosという専用ソフトウェアでは、設定により同じ文章に対する翻訳を自動的に統一できる。注意は必要だが、元の英語が同じであれば、
Word上では通常同じ日本語になっていることが期待でき、正確に訳してあれば何度も見る必要はない。
ポストエディット……機械が翻訳した文章をチェッカーなど翻訳業界のプロが修正して、読める代物にする作業。人間の感性で作られた文章ではないため、修正後も仕上がりはいまひとつ。
トレーニング資料和訳をチェック。
品質のよい翻訳者さんにしたため
タスクが少なくてすみます。
機械翻訳がどうとか 人間のほうが
優れているとかって議論されるけど
もう議論は終わりました。
ずばり「共存」。
機械の力を活かして人間様が翻訳する。
または機械翻訳だけで成り立つ
ビジネスモデルを構築する。
そんな時代になったのだと思います。
翻訳者にとっては
大変厳しい時代になったように
言われがちですが、要求される品質が
上がっただけのこと。
うちは人間に頼みたいけど
こんなレベルの翻訳ではいけない!
と頭を抱えているお客さんはいます。
またGoogleTransその他の
テクノロジーが台頭して
翻訳学習者は自信をなくしてしまう。
こんな翻訳よりGoogleのほうが優秀!
なんて言われたら目も当てられない。
私が翻訳学校に行っていた頃は
Google翻訳なんかライバルに
なり得なかったので良かったかも。
Google翻訳に直されると考えると
辛いけど、Google翻訳を直してやる
という業界は、これから
必要になってきそうな匂いがします。
Google翻訳に抜かれてもいい。
世界中の翻訳の英知が
結集しているんでしょうから。
大事なのはその事実を受け止めて
どうやって努力を積み重ねていくか。
○人間ならではの表現力
○文法に対する鋭い目
○原文を正確に読む力
を養って Google翻訳に対抗できる力を
つければいいだけ。
大事なこととして、Google翻訳には
責任がありません。
どんな大事故がGoogle翻訳の結果
引き起こされても、責任を終える人が
いないわけですが、それでいいのか?
翻訳に携わる人は
学習中だけじゃなくて プロになっても
機械翻訳に対抗できるには? と
自問自答を続けることがたぶん必要。
それができない翻訳者や校正者は
いま大量に案件が来ていても
ある日突然 お前にはもう頼まないと
言われてしまうでしょう。
ちなみに翻訳者には厳しい時代ですが
翻訳されたマテリアルがある限り
チェッカーの仕事は残ります。
飯の食い上げにはならないのでは? と
思います。
時代が変わってもポストエディットだけでなく
ちゃんと校正者として生き残っていけるように
努力を続けます。
※ポストエディット:
人間ではなく機械が生成した翻訳を修正して読めるシロモノにする作業。校正は元の翻訳の品質に左右されるため仕上がりがいまひとつなことも多い。
それでは~!
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