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川越の街で建物探し!ポタリング・その②「蔵造り・町屋建築編」の巻

川越には若い頃10年ほど通ったりしていたけど、最近また1年間仕事でお邪魔したこともあり、ポタリング(自転車でのんびりブラブラ散歩すること)で「建物」を見て回りたいなぁと思っていました。幸い細い路地なども知っているので地図を持たなくても気楽に散策ができる土地です。その②は、皆様の期待通り川越らしい「蔵造り・町屋建築」の名作やおもろいモンをご紹介します。

今回は、先日の「記事が消えてしまった!」事件の教訓を生かし、小分けにしてアップします(笑)


自転車で川越の街をポタリング
「川越の街で建物探し!」
その② 「蔵造り・町屋建築編」

やっぱり川越の街は映えるねぇ!(^▽^;)

撮影:2022年11月7日 Canon PowerShot G7X

※お詫び!蔵造り・町屋編の写真は、その①でご紹介した「近代・現代建築」の撮影の途中にあったものです。オマケと言ったら蔵造りファンに怒られますが、①の取材の途中になかった建物はご紹介していませんのでご了承くださいませ。(^▽^;)

※記事中の建物の解説は、「川越の建物・蔵造り編」仙波書房を、大いに参考にさせていただきました。この本は、川越の建築物を深く解説してくれていておススメです。

1 「丹徳(たんとく)庭園母屋」  1869年(明治2年)に創業した材木商「丹徳」は、200坪の庭園を持ち、「はなれ」と共に一般公開されています。 川越市六軒町1-8-2
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2 同上  窓の外枠と窓の枠のコンビネーションもオシャレ!
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3 「二村質店」 現在も質店として営業している。 川越市末広町1-1-1
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4 同上 左奥の屋根の棟は、組棟(くみむね)で「箱棟(はこむね)」と呼ばれるもの。漆喰を塗った部分が、だいぶ傷んで剥がれていますが、丸い装飾金具「丸環(まるかん)」(屋根作業用の支点)がついています。右側の屋根の棟は、「熨斗棟(のしむね)」と呼ばれるもので、装飾性はなく、「熨斗瓦(のしがわら)」だけでシンプルに積み上げています。
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5 「川越市六軒町2丁目民家」の土壁  かなり傷んでいますが、梁の作り方や土壁の中の様子など分かってとても面白いと思います。
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6 「川越市六軒町2丁目民家」 No.5とは別の民家です。屋根の上部、棟部分には、半楕円形の瓦を組み合わせた組棟(くみむね)の「青海波(せいかいは・せいがいは)」で装飾されて美しい!
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7 「大正浪漫夢通り」に入ります! 「1901 TEA SALON」  1901年(明治34年)築 古民家をリノベーションして日本茶と和菓子のカフェになりました。 2階の窓が店蔵らしく防火性の高い観音開きではなく格子戸にして明かりをとれるようにしています。それでも、1階の屋根の上に「目塗台」(火事の際、外側から漆喰で窓をふさぎ延焼を防ぐ作業などをするための足場)があります(赤茶色の横に長い箱のようなもの)。屋根の頂上部(棟部分)は「箱棟(はこむね)」と呼ばれる造りで漆喰を塗って、2カ所に「丸環(まるかん)」(高所作業用支点)がついています。
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8 「加藤家住宅」(ウッドベイカーズ 川越店) 旧金物商 大和屋 1900年頃(明治30年代)築 ※2023年1月の出火で全焼してしまいました。写真は、2022年11月のものです! もともとの店蔵は「銅鉄打物砥石建築用材商<大和屋>」の店舗だったそうですが、その後和菓子、蕎麦、饅頭などのテナントが入れ替わり、2014年から石窯焼きピザの店舗になりましたが、全焼してしまいました。 川越市連雀町11-8
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9 同上 2階は三連の観音開き戸で、戸は三段(段数が多いと火事の際火が入りにくい)。内側に丸い装飾金具があり、内側から窓を閉めることができるようになっています。軒下も段々になっていますが、これを「蛇腹(じゃばら)軒」と言うそうです。雨どいを支える金具も段々なのが楽しいですね。右側には小規模な「梲(うだつ)」が乗って(あがって!)いますが、実用性より装飾を狙ったものでしょうか?
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9b 同上 右横の壁の様子です。この建物の特徴は、側壁に大谷石(おおやいし=栃木県宇都宮市大谷産出の建築石材・防火性が高く加工しやすい)が使われている事だそうです。壁の横一文字にL字型の金具が並んでいます。これを「折れ釘」と言うそうですが、これは作業用の支点でここに木材を渡して足場にしたり、ぶら下がったりして建物の管理をしていました。今回店舗部分から出火したようですが、皮肉なことに大谷石の側壁のおかげで両隣の建物ヘの延焼は防ぐことができたようです(現場の写真を見ての判断です。間違っていたらごめんなさい)
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10 「利剣堂 並木印工房」 1937年(昭和12年)創業 築?  大正浪漫夢通りで営業している印鑑屋さんです。TVの撮影などにも使われている雰囲気のある建物です。 川越市仲町1-32
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11 大正浪漫夢通りにある老舗うなぎ屋 「うなぎ 小川菊(おがきく)」 1807年(文化4年)創業ですが、この建物は、関東大震災の後、旧鏡山酒造の建物を改築したものという情報がありました。木造3階建ての実に堂々とした建築物です。 川越市仲町3-22
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12 同上 2階・3階部分。楼閣のような立派な佇まいです。
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13 「伊勢源」 1868年(明治元年創業) 築?地酒とはかり味噌のお店 「うなぎ 小川菊」の隣にある店蔵です。店の両側に立つ煉瓦製の「防火壁」?が特徴的ですね。現在でもお味噌の量り売りを行っている人気店です。 川越市仲町3-20
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※今回はここまで!!(^▽^;)
 この後も素晴らしい「蔵造り・町屋」の建築物がたくさん出てきます(*^^*)!!
 お楽しみに


※アクセスマップは、全編終了後に追加でアップ予定です。
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コメント

Re: 映え川越

BUSYBEE-GAEI さん!こんにちは!

本当にどこを見ても絵になります。カッコいい絵にするためには、ここから見るといいという場所はありますけどね(笑)

10年近く通っていたので、だいたいの道はつかんでいるのですが、現役時代は忙しかったのと、若気の至りでモノの価値が分からなかったので、お近くのお宝に眼を向けていませんでした。(◎_◎;)

知らなかった場所もたくさんありますので、ガイドブックやネットで研究してこれからも出かけたい街です(*^^*)

Re: タイトルなし

大原かずのりさん!こんにちは!

まったくその通りですね。街そのものが「博物館」と言えます。建物1件でもいつまでも見ていられますから(笑)本当に現地では怪しいおっさんです(^▽^;)

加藤家住宅の火災は、古い文化財級の民家の利用方法の課題を示したと言えます。本来、蔵の中で大々的に火を使った調理は想定外なのでしょう。防火に対する意識も薄まっていたのかもしれません。一方で、そのまま放置しておくと維持ができない訳で、多くの店蔵はテナントが入れ替わります。驚くほどサイクルが短いですね。

太原さんは、観るところが多すぎて遠征しても時間が足りないですねっ(◎_◎;)

Re: 川越と言えば

ytaka007さん!こんばんは!

そうです、この日もフォールディングバイクを担いで出かけました!便利です(*^^*)

元々は新河岸川の船運で栄えた商業の街ですし、城下町ですから、歴史的背景が違いますね。

蔵造りというと、江戸時代と思う人も多いのですが、川越は度々の大火に見舞われてほぼ焼失しています。

いわゆる「蔵造りの街並み」は明治期以降の建物になります。首都圏の観光客もだいぶ人が戻ってきていますね。

昨日も平日の池袋は外国人観光客も多く、人込みであふれていました。週末にはいきたくないですね(笑)

映え川越

何処を切り取っても絵になる街ですね。
観光地を地図なしでぐるっと廻れる。
そんなご縁がある場所なのですね(*^^*)

おはようございます!

川越はやはり凄いですね。
1868年と1869年の建物、まさに近代最初期!本格的2階だて建築がこの頃から活発化したのでしょうか。まさに近代蔵造りの博物館的な街ですね😀

加藤家住宅は惜しいです。土蔵造りは延焼には強くとも、内部からの出火には案外弱いのでしょうか……

川越、前は半日も観光してないので、一度じっくり腰を据えて見て回りたいです(^^)

川越と言えば

こんばんは、とりさん

川越。折りたたみ自転車利用したんでしょうか。
この街はこういう建物がお似合いです。
さいたま市や川口市と比べて経済活動はいま一つが
私の印象です。
観光的なものはやはり多い。
写真のような蔵の建物は貴重ですよね。
県内でもこれだけ残っているのは川越だけです。
こうやって見て楽しむ余裕の人が増えるといいんですが、
コロナ後も世の中不安定で困ったものだと思っています。
こうやって激減の木造建築を大切に残したいものです。

Re: No title

たいやきさん!こんばんは!

まさに、川越の「顔」ではないでしょうかね。簡単に観て帰るなら、大正浪漫夢通りから一番街の蔵造りの街並みをみて菓子屋横丁辺りの散策でしょうか。

しっかり見て回りたいという事になると、コース取りがなかなか難しいですね。1日で回り切れないかと思います。数回に分けてゆっくりと回る事をおススメします。美味しいものもたくさんありますから、飲み食いしながらだと余計時間がかかりますね。

木造3階建ての「小川菊」は鰻の老舗として有名で、川越の鰻屋でも3本の指に入る人気店ですね。3階から外を眺めてみたいと思っていますが、なかなかかないません(^▽^;)ぜひゆっくりお出かけになってみて下さい。

No title

やはり川越は日本家屋が似合います。
蔵造りの町並みもいいのですが、実はそれ以外の通りにある建物もかなりいいですね。
それを上手に回ってみたい回ってみたいと思って、何十年もたってしまっています。
歩いて回るのが一番いいのでしょうが、時間がかかってしまいます。
その点、自転車はいいかもしれませんね。
寺社をみるようにゆっくり一軒ずつみると、発見がありますね。
格子の形、古い窓ガラス、どれも魅力的です。
楼閣のように見える建物は初めて気づきました。

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