LINN CLASSIK MUSICの修理 シーズンⅨ ーその2ー

こんばんは、Tomです。今日は一日中お天気でした。しかし、朝6時の気温は-4℃、そして日中の最高気温はなんと6℃ととても寒い日でした。明日は少し暖かくなり10℃迄上がるようです。
さて、今日の話は、昨日の続きで『LINN CLASSIK MUSICの修理 シーズンⅨ』で、今回はその2です。前回は、動作確認後メイン基板を取り出すところまでばらしました。今日の話は、メイン基板の故障個所を修理し、動作確認を行います。

1.メイン基板の観察
それでは取り出したメイン基板の状態を確認します。

1)パワーICのシリコングリスの保護
基板の状態を確認する前に、パワーICのシリコングリス部分をマスキングテープで保護します。これをきちんとしないとあちこちべたべたになりますので、結構重要です。

2)電解コンデンサ周辺の観察
まずは液漏れの原因となる電解コンデンサの周辺を観察します。
この電解コンデンサが液漏れするんですよね~。

電解コンデンサの周りは液漏れした跡が見えますね。

パターンも電解液で腐食しています。

3)チップダイオード周辺
そして、3個あるチップダイオード(ファストリカバリーダイオード)の周辺もパターンが黒くなっています。

やはり、これが原因の様です。

2.メイン基板の部品除去
それでは、メイン基板のパターンの腐食を除去するために、部品を除去します。

1)電解コンデンサの除去
まずは、電解コンデンサを除去します。

一応、容量と内部抵抗を確認します。

数値的には問題ありませんが、電解液が漏れているので、これは交換となります。

2)ビーズフィルターの除去
次は電解コンデンサの間にある、ビーズフィルターを除去します。

3)チップダイオードの除去
チップダイオードを除去します。

4)残ったはんだの除去
部品を取り除いた後、残ったはんだを除去します。
はんだ除去は、今回は半田吸い取りきではなく、網線を使用します。

これなら、半田をスッキリと取り除くことが出来ます。

3.メイン基板の腐食部分を研磨と観察
メイン基板の電解コンデンサの電解液で腐食した部分を耐水サンドペーパー(#1000)で研磨します。

1)基板の研磨

2)研磨した基板を観察
それでは研磨後の基板のパターンを観察します。

このあたりがやばいですね。

3)マイクロスコープで観察
それでは、マイクロスコープで研磨した基板のパターンを観察します。

これは完全にパターンが切れていますね。

これも微妙ですね。

4)テスターで確認
テスターで危なさそうなパターンの導通を確認します。

やはり一番最初の部分がNGでした。ここがいつもの故障の原因です。

5.部品の取り付け
それではパターンを補強しながら部品を取り付けます。

1)ファストリカバリーダイオードの取り付け
まずはファストリカバリーダイオードを取り付けます。この2個のダイオードは手持ちがありますので、交換します。

2)ジャンパーの取り付け
パターンが切れていた部分はジャンパー線をはんだ付けします。

3)ビーズフィルターの取り付け

4)電解コンデンサの取り付け

これで基板の修理は終了です。

6.動作確認
それでは、メイン基板を仮組して、動作を確認します。

きちんと立ち上がることが確認できました。

7.基板の組付け
動作が確認できましたので、基板を取り付けます。

1)シリコングリスの塗布

2)基板の設置

3)ハーネスの取り付け

4)チューナー基板の取り付け

5)フロントパネルの仮付け

8.動作確認
それでは組付け後の動作を確認します。

1)立ち上がりの確認
これまで不具合だった立ち上がりの確認を行います。

2)CDの動作確認



これで、立ち上がりの動作確認とCDの動作確認は完了です。
次回は、時計のバックアップ電源の修理です。
お楽しみに!