スーパー堤防見学記
- 2017/07/15
- 22:41
(写真は市川駅前ウエストタワービルの展望台から望む江戸川)
スーパー堤防 問題てんこ盛りの一端を実感しました 文 都甲公子
アースデーでの取組をきっかけに、江戸川と荒川のスーパー堤防を実踏しようということになった。5月21日、まずは、俯瞰のため、江戸川をはさんで対岸の千葉県市川市の市川駅前ウエストタワービルに登った。
眼下に、町を横切り海へと蛇行する江戸川と、点在するスーパー堤防の計画地が見える。千葉県側には、すでに完成され、マンションが建てられた一角もある。
堤防とは、川に添って線状につくるものではないのか。現在は、できているところ、計画地もばらばらな点でしかない。蛇行する川の増水を想像してみても、越水リスクを考慮して治水上の必要から計画されているとはとても思えない。
単に土地開発事業の一手法として、スーパー堤防事業が利用されているにすぎないことが、よく見てとれた。
屋上から右手にすでに盛土されむき出しの地面が見えた北小岩一丁目に向かう。地耐力不足で工事のやり直しをするのだという。さらに工期は遅れ、立退きを強要され、急がされた住民には、何ともやりきれない事態である。
展望台を降りて、こちらはまだ着手されておらず緑の塊とみえた計画地の篠崎公園地区ど真ん中にある妙勝寺を訪問。
ここも古くからある由緒あるお寺であるが、さらに近くの古い歴史のある神社は計画地からはずれ、明暗を分けた。
荒川沿い、小松川のすでに完成している堤防上の公園、堤防の下をボックスカルバートといわれるトンネルで通り、大雨の時には冠水リスクのため通行止めになるという道路、平井では、マンションを回避して盛り土されていたり、立退きを拒否した建物のため、なだらかに下らず途中で絶壁になってしまった変形堤防なども、案内してもらった。
現地の会の方々の的確なプログラムにより、スーパー堤防の、問題てんこ盛りの一端を実感することが
できた。
スーパー堤防事業の是非を争う裁判が提起されている。裁判の行方も注視してゆきたいものである。
2017・6.21 記