哀れ!「観光放流」どころではないカラカラ徳山ダム |
今や「観光放流のためだけの巨大ダム」になってしまっている徳山ダム。
秋にも観光放流をやる、と言っていたのですが・・・。
観光放流を行うには、最低でも常用洪水吐きの水位(385.0m)がないと、物理的にできません。
現在これを3m下回っていて、なお下がり続けています。
常用洪水吐きの水位を下回って、ダム湖側のコンクリート部分が剥き出しになると、藻が腐って腐臭を放ち「観光資源」どころではありません。
9月26日の徳山ダム
洪水吐きダム湖側
国交省「川の防災情報」より
10月18日14:00時点のダム諸量
★徳山ダム(水機構)
流域平均時間雨量(mm/h) -
貯水位(m) 382.06
全流入量(m3/s) 0.00
全放流量(m3/s) 19.53
貯水量(1000m3) 160792
貯水率(利水容量)(%) 42.3
貯水率(有効容量)(%) -
* 常時満水位(m) 400.0
洪水期制限満水位(m) 391.0
(洪水期6月16日~10月15日)
* 総貯水量(1000m3) 660000
有効貯水量1000m3) 380400
集水域面積が小さいのにドデカイ徳山ダムでは「3mの水位を回復する」のは非常に大変です。それこそ災害が起こるくらいの豪雨でもないと無理なのでは?(試験湛水中、なかなか水が貯まらないでいるときに、水機構の職員が「集中豪雨を期待している」なんて口が滑っていました。・・・・おっと、タテマエだけでもオイオイ「洪水から流域住民を守る意」というのは維持してよね。・・・・'無理かぁ。最終的にダムを守るために「洪水吐き」は4200m3/Sが流れるように設計されています。基準地点万石の計画高水流量は3900m3/S。「計画高水流量をちょっとでも超えたら破堤する」(ウソ-!)という国交省の論理で言うと、「ダムを守るためには下流で破堤して壊滅的被害を出しても知らない、しょうがない」。これがホンネ?
国交省「川の防災情報」より他のダムの情報も載せてみます(10月18日14:00時点のダム諸量)。
揖斐川の徳山ダム直下流横山ダムは、ほぼ空っぽ。これは「再開発工事中だから」ということなのでしょうけど。
★横山ダム(国河川 )
流域平均時間雨量(mm/h) 0.3
貯水位(m) 183.64
全流入量(m3/s) 26.68
全放流量(m3/s) 24.44
貯水量(1000m3) 1065
貯水率(利水容量)(%) 3.6
貯水率(有効容量)(%) 3.6
* 満水位(m) 207.5
洪水期制限満水位(m) 187.0
(洪水期6月16日~10月15日)
* 総貯水量(1000m3) 40000
有効貯水量(1000m3) 30000
なぜか、木曽川ではダム放流がほとんど不要なくらいに自流が豊富なんだわぁ・・・。
★牧尾ダム(水機構 )
流域平均時間雨量(mm/h) 0.0
貯水位(m) 878.55
全流入量(m3/s) 5.83
全放流量(m3/s) 0.00
貯水量(1000m3) 62876
貯水率(利水容量)(%) 92.5
貯水率(有効容量)(%) -
★岩屋ダム(水機構 )
流域平均時間雨量(mm/h) 0.0
貯水位(m) 407.30
全流入量(m3/s) 17.83
全放流量(m3/s) 0.00
貯水量(1000m3) 87628
貯水率(利水容量)(%) 58.4
貯水率(有効容量)(%) -
★木曽川大堰( 水機構)
流域平均時間雨量(mm/h) -
貯水位(m) 3.65
全流入量(m3/s) 126.89
全放流量(m3/s) 119.75
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もちろん、その年の降雨パターンなどによるのですが、「異常渇水時には、徳山ダムから木曽川に水を補給するどころか、木曽川から徳山ダムに水を補給してやらねばならなくなるのでは?」というジョーダンが言えそう。
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090926 西日を反射する徳山ダム湖面