中部電力徳山水力発電所工事で死亡事故 |
今のところ「治水専用ダム」となっている徳山ダム。
利水の当ては全くと言っていいほど「無い」が、発電はまさに「ダムができちゃったから」発電所を建設している。
「発電」についての元の計画は、揚水発電で、徳山ダムを上池とし、下の中部電力が杉原ダムを建設して、42万2000kWの出力、という話だった。が、2003年~2004年の事業費大幅増額のドサクサに紛れて(どう考えても正当な法手続を踏まずに、治水計画を含むダム計画を変えた)、中部電力は下池の建設を止め(つまり揚水発電計画を止め)、徳山ダム単独で15万3000kWの規模に縮小した。そして元の発電事業者んの電源開発(株)から中部電力が全部の権利を買い取った。
今、徳山ダム堤体下では発電所建設を行っている。
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哀しいことに3月31日、工事中に死亡事故が発生した。
亡くなったのは「作業員」と記事にあるが、多分下請け・孫請けの、それも、もしかしたら非正規の労働者かもしれない。新聞記事にある限り、十分な安全管理が行われていれば防げた事故のように思える。もちろん、安全管理の責任は中部電力にあり、犠牲者の「自己責任」ではない。
徳山ダム本体建設工事でも(私が知っているだけで)3人の方が亡くなった。
その頃、水資源機構徳山ダム建設所の玄関前に「ヒューマンエラーをゼロに」とい安全標語が掲げてあった。・・・馬鹿な!!
ヒューマンエラーは絶対にゼロにはならない。エラーを極小にしようとする努力は必要だが、「皆無・ゼロ」などを前提にしてはならない。ヒューマンエラーがあっても、人が犠牲にならない工夫(安全管理/フェイルセイフ))こそ企業の責任のはずだ。
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福島第一原発のそもそもの事故(地震と津波は天災だが、原発事故は人災)、そして現場で作業されている方々の高いレベルの被曝、住民の方々の被曝、環境の放射能汚染(残念ながらまだ当分は続く)・・・・
徳山ダム現場での死亡事故と二重写しになってしまうのは私だけか?
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2010年8月。徳山水力発電所工事。
2011.8.11 補追
調べてみると、2010年5月21日にも死亡事故が起こっている。
中部電力徳山ダム発電所 放水路トンネル工事で落盤 1名死亡
http://const.blog.shinobi.jp/Entry/1540/
事故 / 2010/05/24 (月)
5月21日午前10時55分頃、岐阜県揖斐川町鶴見のダム発電所の工事現場で落石があり、作業中の男性が巻き込まれて死亡した。
事故があったのは、揖斐川町鶴見の中部電力徳山ダム発電所の建設工事現場で、岐阜県大野町の建設作業員・山口優也さん(26)が、落ちてきた石の直撃を受けた。山口さんはヘリコプターで病院に運ばれたが、背中などを強く打っており、約1時間45分後に外傷性窒息で死亡した。
揖斐署の調べでは、トンネルは発電所建設に伴う放水路で、高さ約5.2m、幅約7.8m。落石が起きたのは入り口から約325mの地点。
山口さん他、作業員5人が発破作業後に砕けた石などを除去、距離を測定していたところ、トンネル上部から重さ約200キロの石が落ち、山口さんの背中を直撃した。 (了)