「通常の警察業務」…参議院内閣委員会の質疑から |
「通常の警察業務」…参議院内閣委員会の質疑から
参議院内閣委員会で、5月26日に続き、6月4日にも大垣警察署市民監視事件が質疑で採り上げられました。(質問者共産党・山下よしき議員)
参議院インターネット中継録画
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
左のカレンダーの日付をクリックし、「内閣委員会」をクリックすると動画が出ます。
☆2015年5月26日の内閣委員会
山下よしき議員の質問は 1:56:45~ 2:25:45
☆2015年6月4日の内閣委員会
山下よしき議員の質問は 2:00:30 ~ 2:29:10
後に確定した議事録
☆2015年5月26日の参議院内閣委員会議事録
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/189/0058/18906040058012a.html
《関係分抜粋》
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota11/150526sangiinnaikakui_yamashita.pdf
☆2015年6月4日の参議院内閣委員会議事録
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/189/0058/18906040058012a.html
《関係分抜粋》
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota11/150604sangiinnaikakui_yamashita.pdf
◇ ◇

◇ ◇
下は4日の当該質疑のメモを貼り付け(逐語的に正確というものではありません)。
警察庁として市民を監視し、情報を収集し、それを企業など第三者に提供することを「公共の安全と秩序の維持」のための警察の通常業務だ、と言ってのけています。
「一般に、警察は、管内で行われている各種事業等に伴い生じうるトラブルの可能性について、公共の安全と秩序の維持という観点から、関心を有していて、必要性に応じ、情報の収集とか関係者との意見交換や協議を行っている。」(警察庁警備局長)
6月4日の参議院内閣委員会の質疑メモ。
Y=山下議員 T=高橋・警察庁警備局長
Y=5月26日当委員会で、山谷国家公安委員長は岐阜県警からの報告を受け、大垣警察署員が、シーテック社員と会った、ということは認めている。
報告の内容は?
T=面会の趣旨、日時など
Y=いつ、誰が会ったのか?まず、いつ会ったかについて。
T=今後の警察活動に支障が出るのでお答えできない。
Y=朝日新聞記事の「2013年8月7日、2014年2月4日、5月26日、6月30日」は報告に含まれているか?
T=お答えすることで頻度・回数がわかってしまう。警察の関心の度合いがわかることになり、今後の警察活動に支障が出るのでお答えを差し控える。
Y=誰が会ったか?
T=大垣警察署警備課超以下担当者。
Y=名前は?
T=坂上(さかうえ)警部、横山警部。
◇ ◇
ここで資料として(株)シーテック作成の「議事録」を配布。
なお、(株)シーテックの「議事録」につき、弊ブログ
•「議事録」と個人情報保護審査会と その1[ 2015-04-18 23:29 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/23919328/
ネット公開用PDFファイル ↓
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota11/gijiroku.pdf

◇ ◇
Y=「議事録」では、今挙がった名前も出ている。真実性がシメされている。
この「議事録」の内容が真実であることを認めるか?
T=警察が作成したものではないので、評価する立場にない。
Y=虚偽である、と主張するのか?
T=評価する立場にない。
Y=評価しなければならない立場にある。
これだけ重大な人権侵害が警察によって行われていると記録されている資料である。
真実性を調査し、内容を確認すべき立場なのではないか?
T=繰り返しになるが、評価する立場にない。
Y=今後の警察活動に支障を来すから答えられない」で逃げてはいけない。
警察にかけられている重大な人権侵害の疑惑に自ら調査するのは当然。
T=岐阜県警からは、「公共の安全と秩序の維持に当たるという責務を果たす上で、通常行っている警察業務の一環」であって、警察法、岐阜県個人情報保護条例に則り、適正に行われていると報告を受けており、我々もそのように認識している。
Y=それは「議事録」の内容を事実と確認しての見解か?それとも一般論か?
T=「議事録」については評価しない。我々の調査に基づいた判断である。
Y=それでは信用できない。この「議事録」は真実である。
朝日新聞の取材に対し、シーテック社の加藤G長は、自社の社内資料であると認め、有益であったとしている。
朝日の記者はこの「議事録」を示して取材している。真実性は高い。(「議事録」の一部を読み上げ)
5月26日の当委員会で山谷大臣は「本件につきましては、大垣署の警察官が…通常行っている警察業務の一環として事業者の担当者と会っていたものと承知しております」と答えたが、この「議事録」に記載されていることは通常行っている業務か?
T=「議事録」に記載されている業務というのはわかりかねるが、一般に、警察は、管内で行われている(※)各種事業等に伴い生じうるトラブルの可能性について、公共の安全と秩序の維持という観点から、関心を有していて、必要性に応じ、情報の収集とか関係者との意見交換や協議を行っている。
Y= 必要性があれば、こうした個人情報の収集や第三者への提供をやる、ということなのか?
T= 一般論としていえば、そういうことも排除されているわけではない。
Y= つまり認めた、ということ。重大だ。
個人情報収集や第三者への提供を本人同意なしに行うことを警察は通常業務に含んでいる、ということ。
「公共の安全と秩序の維持」だと言いさえすれば 個人情報収集や第三者への提供をしても良いと警備局長から答えたというのは重大問題。日本国憲法の下、許されない。
ただ、ここでは警備局長は一般論しか答えていないので、ここで委員会としての資料要求したい。
◇ ◇
委員会から政府への資料要求として以下の提案(後日理事会で協議)
・坂上警部、横山警部の業務記録
・山谷国家公安委員長への岐阜県警からの報告内容

◇ ◇
Y=日弁連の情報問題対策委員会でも「行政機関は、必ず権限の濫用をする。行政機関だから信用してくれ、は通らない。行政機関は有無を言わさず情報収集する。公的分野での監視監督が必要だ」という意見が出ている。
今回の個人情報保護法改正で、要配慮個人情報などの規定が盛り込まれ、個人の権利利益を保護しようとしているが、公的機関にも権限の濫用がないようにるが、
山口大臣=犯罪捜査のように権力的に収集される個人情報は民間事業者を対象とする個人情報保護法とは別の枠組みが必要。
検討しているところ。適切に対応していきたい。
Y=闇の中で警察は個人情報収集、第三者提供をしていることが明らかになった。チェックするのが国会の仕事。
公権力による個人情報を濫用的に扱うことをチェックする仕組みが必要。
(この後、3~4分ほど日本年金機構からの情報流出問題について)
※ 横からのツッコミだけど。
ウィンドパーク南伊吹の風力発電事業は、養老警察署及び垂井警察署管内で行われている(行われる)ものであって、大垣署管内で行われる事業ではない。
”管内”でのトラブルを防止する、という類いの話ではないことが、ここでも透けて見えます。
◇ ◇
開き直る警察。憲法破壊に向かって暴走する安倍内閣の姿勢に大いに勇気づけられているのだろう。
どういう闘いを挑むか?
「戦後70年」というこの夏はいろいろな意味での「節目」には違いない。
追記:この参議院内閣委員会の質疑についての「しんぶん赤旗」の記事、6月4日の衆院憲法審査会参考人質疑の記事などを次に
↓
• 続・「通常の警察業務」…参議院内閣委員会の質疑から[ 2015-06-05 14:54 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/24102375/
