日本において2018年度(2018年4月~2019年3月)に、システム投資に最も積極的な業界はどこだったのか。電子情報技術産業協会(JEITA)が2019年8月にまとめた「JEITAソリューションサービス市場規模調査」で明らかになった。
同JEITAはシステム導入企業を8分野に分類して調査した。全体の市場規模は前年度比6.1%増の6兆2554億円で、伸び率が最も高かった業界は「製造」で、同10.5%増の1兆2332億円だった。
なぜ製造は伸びたのか。「生産管理システムの刷新に加え、工場の生産ラインで全ての部品を全QRコードで管理したり、工場作業者への作業指示を天井からのプロジェクションマッピングで表示したりする『スマートファクトリー』を目指した案件が多かったため」。JEITAの小堀賢司ソリューションサービス事業委員会副委員長はこう分析する。
市場規模1兆円超の業界は3つ
市場規模が1兆円を超えた分野は3つあった。製造と「金融」、官公庁などの「公務」である。
ただ、3分野の成長率を見ると対照的だ。公務が同9.4%増の1兆2300億円と製造並みにプラス成長したのに対して、金融は前年度比0.4%減の1兆837億円だった。8分野の中で唯一、金融だけがマイナス成長する結果になった。