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 タピオカ入り飲料(タピオカティー)が若い女性の間でブームだ。有名店には商品を待つ女性たちが長い行列を作っている。購入まで数十分待たなければならないことも珍しくない。デジタル技術を活用した新しいサービスで、並ぶのが当たり前の現状を変えようとするタピオカティー店が登場している。

タピオカティーの有名店には若い女性の行列ができている
タピオカティーの有名店には若い女性の行列ができている
(出所:オアシスティースタンド)
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 タピオカティー発祥の店である台湾・春水堂(チュンスイタン)の姉妹店である、テークアウト専門のタピオカティー店「TP TEA」は行列ができる有名店の一つ。TP TEAを運営するオアシスティースタンドは2019年7月13日、スマートフォンを使ってタピオカティーを予約注文できるサービス「スマタピ」を開始した。予約段階でクレジットカード決済まで完了し、予約した人はレジに並ばずにタピオカティーを受け取れる。

スマホで予約したタピオカティーを行列に並ばずに受け取り
スマホで予約したタピオカティーを行列に並ばずに受け取り
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 スマタピのようにスマホで飲み物や食べ物を予約できるデジタルサービスを一般に「モバイルオーダー」と呼ぶ。2019年以降、大手飲食店で導入が急増している。4月には日本マクドナルド、6月にはスターバックスコーヒージャパン、7月にはゼンショーホールディングスの運営する「すき家」がモバイルオーダーを開始した。

 モバイルオーダーのシステムは商品の注文や調理の状況、顧客の待ち時間などをクラウドで管理して、顧客の来店と調理のタイミングをぴったりと合わせる。店舗スタッフはタブレット端末などを利用して、指示を受け取ったり調理の進行や店舗の混雑状況などを入力したりする。オアシスティースタンドはITスタートアップ企業のカチリが提供するモバイルオーダー運用SaaS「PLATFORM」を採用して、モバイルオーダーのシステムを開発した。

 「タピオカティー店でモバイルオーダーを導入したのは日本初。おそらく世界でも初めてではないか」。オアシスティースタンドの木川瑞季社長はこう胸を張る。初回利用時にタピオカティーを1杯無料にするキャンペーンの効果もあり、開始から10日間で3000人の登録があったという。