Archive for 1月 2012
node.jsの開発リーダーがRyan Dahl氏からIsaac Schlueter氏に
http://news.ycombinator.com/item?id=3530546
飛ぶ鳥を落とす勢いのnode.jsについて創始者のRyan Dahl氏がプロジェクトのゲートキーパーのポジションをIsaac Schlueter氏に移譲するとのアナウンスがHacker Newsで話題になっていました。Ryan氏は優しい独裁者の例としてWikipediaに記載されているほどの強い影響力を持っていましたが、今後はアドバイスに徹しつつ別のプロジェクトを進めるようです。(joyent社にも引き続き在籍するとの事)
コメント欄を見てみるとRuby on RailsのDHHがプロジェクトを引っ張る立場から退いた件と同じなのか?というようなやりとりがされています。DHHは現在でもそれなりにプロジェクトにコミットしているようですが、Ryan氏の今後のプロジェクトの関わりはより限定的になるとの予測のようです。
とはいえ直近のアップデートの状況から見るとIssac氏の活躍はコミュニティに知られているようで、この体制の変更は祝福されている様子です。やはり活動状況をウォッチすることでしか実際の状況はわからないものなんですね。
via:http://news.ycombinator.com/item?id=3530546
HABTMリレーションシップは悪であるという論争
Ruby On RailsやCakePHPといったフレームワークのORマッパに存在するHas And Belongs To Manyという機能(通称:HABTM)があります。HABTMとは2つのデータモデルを中間のデータを介して関連させるデータモデルで冒頭の図のようなデータモデルです。筆者がこの省略形の読み方などについてTwitterで話していたところ、興味深いリプライを受け取りました。
俺らはHABTMなんか使わない。なぜならHABTMは悪だからだ。
HABTMについて検索したところ見つかったのがThe evil, unnecessary has_and_belongs_to_manyと題された記事。それによると下記の理由からHABTMを使うべきではないとしています。
- joinテーブルが隠蔽されて過度に魔法的である。また
- たいていの場合、ジョインしたモデルにデータが増える。これをHABTMから追うのは難しい。
- HABTMではなくHMTを使えばなんの問題もない。
- データが大きなってしまってからHMTに移行するのは難しい。
文中に出ているHMTとはHasManyの:throughオプションの事で、HMTを利用すれば中間のモデルを介さずに同様のデータ構造を実現できます。蛇足ですがこれまでは「HABTM」を「はびたむ」と発音していましたが、助言に従って「エイチエービーティーエム」と発音していくことにします。
HABTMはRailsにインスパイアされたCakePHPにも実装されていますが、Railsのコミュニティではすでにバッドプラクティスになっているというギャップが興味深いですね。おそらく他にもこのような例があるのではと思います。
via:http://archive.culann.com/2008/03/the-evil-unnecessary-has_and_belongs_to_many
New York にソフトウェアエンジニアリング高校
Etsy のコードを deploy する Fred Wilson
New York 市長 Michael Bloomberg の最近のテック産業への入れこみようは目を見張るものがあります。昨年の NY Tech Meetup でスピーチをしたり、2012年の個人的な抱負はプログラミングを学ぶこと と語ったとか。今度はソフトウェアエンジニアリング専門の高校を作るようです。
新しい高校の名前は The Academy for Software Engineering。今回のプロジェクトの出資者であり、多くの New York テックシーンのメンターである、Fred Wilson も Union Square Venture を構える、New York の Union Square に2012年の秋学期開校します。
Bloomberg Announces New Software Engineering High School, Opening in the Fall
Betabeat の記事は、Bloomberg 市長の挨拶をメインに据えていますが、stackoverflow や、ソフトウェア開発に関するエッセイで有名な Joel Spolsky もこのプロジェクトには関わっているようで、ブログエントリがありました。
New York City gets a Software Engineering High School
Joel Spolsky 曰く、新しい学校について以下の4点を熱く語っています:
- “限定/選抜なし”の学校です。学校の成績や出席は合否に大きく影響しません。それよりも生徒の興味が重要です。(特に New York の)多くの移民は、英語が十分でなく、そのせいで科目の成績も今ひとつなことがありますが、彼らだってすばらしいソフトウェアを作ることができます。優れた成績の生徒だけを集めるより、バラエティ豊かな生徒の方が学校をより豊かなものにするでしょう。
- 我々はソフトウェアエンジニアがもっと必要です。米国の教育システムはテクノロジー産業の要求を全く満たすことができていません。
- 我々はもっと多様性も必要なのです。多くの名門大学で、コンピュータサイエンスは、白人とアジア人の男性という非常に限られた枠内から成り立っています。マイノリティや女性はほとんど見かけません。
- 職業訓練学校ではありません。多くの職業訓練学校と違って、厳格にアカデミックな分野と大学への準備という側面があります。
コンピュータサイエンスといえば外国人が多いという感じがしますが、これは高校の話なので、若いアメリカ人へのアピールなんですね。Bloomberg 市長のスピーチに『Yelp や General Assembly があるNew York テックコミュニティの成長拠点である Union Square に、新しい学校は開校します。新しい学校の生徒たちには、是非そうした会社で働いてもらいたい、もしくは新しい会社を初めて欲しい。』とありました。この学校がこの先の 10年、New York のテックシーンを大きく変えることになるかもしれません。