奏光のストレイン 第13話 「ラストワルツ」(最終回)
今回で「奏光のストレイン」の最後の感想になります。
セーラとラルフがストレインに乗って直接対決をするところから始まります。
ややセーラの方が押し気味に戦っていましたので、ストレイン・ラムダスの
性能の高さがある程度は証明されているような感じがします。
でもラルフの方も元ユニオンのエースですからそう簡単には決着はつきません。
とにかく2人の戦いがどのような結末をもたらすのかがこの最終回の見所ですね。
果たして、この兄妹が昔のような仲睦まじい関係に戻れるのかどうか・・・。
演習艦リベルタッドでは空間機甲科や機動歩兵科の訓練生達が奮戦してました。
もう何回か実戦を積み重ねているので戦い慣れしている感じにも見えました。
このまま上手くすれば、無数の敵トゥモールを殲滅出来るのも時間の問題かな。
あとロッティがメルチセデックとデュファルジュを救助していたのが良かった。
容赦なく戦死者を出す作品なので、こういうシーンを見ると本当にホッとします。
「皆を返して!メアリを!コリンを!セディを!カリスを返してよ!!
皆、兄さんが殺したのよ!!!!」
「黙れぇぇぇーーーーー!!!」
セーラとラルフがお互いの感情をぶつけ合いながら戦っていました。
もうこのシーンを見る限りでは兄妹が和解するのは無理な気がしますわ。
特にラルフの心は完全にユニオンへの復讐心に取り憑かれている感じだし(汗)
この後、両機体は損傷してしまったので一旦戦いを中断する事になります。
セーラはストレインの修理のために演習艦に帰還していました。
そういえばセーラのストレインはいつも工作室で整備していたので、
一般的な格納庫に来るのは初めてになっているのかな。
やっぱり空間機甲科の一員としては仲間の皆と一緒に出撃したり、
帰還したりする方が良いかもしれませんね。
「セーラ。俺達の分も戦ってくれ。そして、カリスの仇を・・・」
あと、セーラのストレインは仲間達のストレインの部品パーツや
動力エネルギーを分けてもらう事で修理をさせてもらいました。
こうして見ると、ロッティとの確執だけじゃなく、空間機甲科の
皆ともすっかり元通りの関係に戻ったものと思えます。
ただディコンの言葉はセーラにとっては複雑な気持ちでしょうね。
でもこの言葉によって決戦に向かう覚悟が出来たとも思えます。
ロッティがセーラのためにサンドイッチを作ってあげていました。
見かけによらずに優しいところがありますね。
こういう気配りができるから空間機甲科のリーダーが出来るのでしょう。
ただ2人の表情を見ると、何とも言えないような味みたいなんですけどね(笑)
でもエミリィは美味しそうに食べていたから異星人とは味覚が違うのかも。
「決意は鈍ってなさそうだな。」
「えぇ。私にはもう何もないから。」
このセーラの言葉を聞いても、兄の事を吹っ切った印象がありました。
兄の事よりも戦死していった仲間達への思いが強くなっているのもあるかな。
とにかく最後は皆からの見送られて最後の決戦に向かおうとしていました。
こういうシーンを見ると、最終回の雰囲気が十分に伝わってきますね。
「エミリィ!来い!エミリィ!」
「いや!私は・・・私はセーラといたい!」
セーラは再び出撃してラルフとの最終決戦に臨みます。
エミリィも一緒について来たので、すっかりセーラに親しんでいますね。
もうこうなるといくらラルフが戻ってくるように言っても聞かないでしょう。
こういう部分にも仲間達がいてくれるセーラと孤独なラルフとの違いがある。
もちろん少し前のセーラも孤独だったのですけど、今は仲間達の支えによって
強く生きていけている事を示しているようにも思えました。
セーラはこれ以上犠牲者を出さないように亜光速航行で戦おうとしていました。
これはセーラとロッティ達との間には時間の流れの差が生じてくるために、
もし戦いが長引けば長引くほど年齢的な差も大きく開いてきます。
下手をすれば、これで今生のお別れにもなりかねないので寂しくなりそう。
「終わらせてこい。セーラ。そして、また・・・」
ただ、ロッティはセーラとはまた再会できるものと信じていました。
セーラならきっと荷重力走行シュミレーター勝負の約束を絶対に守ると
思っているのかもしれません。
ロッティは寂しい出来事も明るく希望に満ちた雰囲気にさせてくれるので、
こういうシーンを見ていても寂しい雰囲気は感じませんでした。
ロッティの存在もこの作品ではとても大きかったと思います。
セーラとラルフの一騎打ちも大詰めを迎えようとしていました。
お互いに死力を尽くした戦いになっているのが伝わってきます。
ただこの時にラルフが一瞬穏やかな表情を見せていたので、おそらく
過去の優しかった頃の自分を取り戻しつつあったのでしょう。
それにセーラとのペアのペンダントを捨てずに持っていたことからも、
心の中にまだ過去を大切にしている部分があったものと思えます。
だからまだラルフが元に戻れる可能性は少しだけ残っていそうでした。
「セーラ・・・エミリィを・・・頼む。セーラ・・・。」
「兄さん!」
それでもラルフはセーラに対して最後の攻撃をしていました。
今までに犯してきた自分の罪の意識が信念を貫かせたのかもしれません。
とにかく戦いの決着はセーラの勝利に終わろうとしていました。
この時にラルフがセーラにエミリィの事を託そうとしていましたね。
異星人達の復讐をするよりも、エミリィの幸せな未来を願う事の方が
大切なんだと死ぬ間際に分かってくれたのではないでしょうか。
とにかくラルフはここで戦死してしまいますが、彼の心だけでも
セーラの元に帰ってきてくれたような感じに見えました。
だからセーラには兄の死を悲しむ表情はなく、どこか心が晴れるような
清々しい表情をしていたように思います。
この後、セーラとエミリィは近くの惑星に不時着をしていました。
このシーンをEDの映像に繋がる形で表現していたのでお見事でした。
なるほどなぁって思わず感心してしまいました♪
「兄さん。エミリィは私が・・・兄さんの想いは私がやり遂げてみせる。
私は・・・私は・・・一人じゃないから・・・。」
セーラとエミリィは現実時間で125年分も亜光速航行をしてしまったために、
普通であれば誰も知り合いもいなくなっているものと考えられますよね。
しかしセーラの前にロッティやリベルタッドの仲間達が救助に来てくれました。
これはセーラにとっては信じられないくらいにとても嬉しかった事だと思います。
こういうところにもセーラとロッティ達との固い絆が感じられました。
ユニオンとディーグ軍の戦争がまだ続いているのかどうかが謎のままですが、
最後は綺麗な形で終わっていたので良かったと思います。
★総評★
1クールのロボットアニメにしてはとてもバランス良く作られている印象がありました。
複雑な謎を多く散りばめたりせず、程よい感じでシリアスな展開とコメディの展開を
持ってきていたり、萌えシーンなども良い感じで描かれたりしていたと思います。
ストーリーにおいても主人公の兄妹の関係だけを焦点に当てて描かれていたために、
しっかりと一本の筋が通っている物語になっていたように感じました。
それゆえに、個人的には高く評価している1クールのロボットアニメになっています。
- 関連記事
-
- 奏光のストレイン 第13話 「ラストワルツ」(最終回)
- 奏光のストレイン 第12話 「リベルタッドの攻防」
- 奏光のストレイン 第11話 「狂宴の幕開け」
- 奏光のストレイン 第10話 「未来の記憶」
- 奏光のストレイン 第09話 「目の前の自分」
- 奏光のストレイン 第08話 「グォール空間補給廠」
- 奏光のストレイン 第07話 「ラヴィニアの素敵な陰謀」
- 奏光のストレイン 第06話 「安らぎに背を向けて」
- 奏光のストレイン 第05話 「尽きせぬ恩讐」
- 奏光のストレイン 第04話 「リーズナー・セーラ」
- 奏光のストレイン 第03話 「亜光速の悪夢」
- 奏光のストレイン 第02話 「出逢い」
- 奏光のストレイン 第01話 「絶望の前奏曲(プレリュード)」