最初聴いた時からずっと自分の中に残る曲というのがあって、このCreamの1967年の「We’re Going Wrong」もそう。最初に聴いたのは、1972年ごろで14歳か15歳のときだった。
その時のことは今でも鮮明に覚えている。買ったのか借りたものだったのか、その記憶は曖昧だが、色塗りが多くゴテゴテしたアルバムカバーの「Disraeli Gears」を聴き始め、当時から有名だった「Sunshine of Your Love」にはあまり興味が湧かなかったが、B面にひっくり返しての3曲目「We’re Going Wrong」が始まると、それまでの曲とはまったく違う音の光景が広がった。単調なコードの繰り返しを背景に、Jack Bruceはかすれるような高い声で、歌い始める。
どうか、目を見開いてくれ
なんとか理解しようとする
今日、僕はわかったんだ、僕らは間違いつつあると
僕らは間違いつつある
どうか、心を開いてくれ
その中にあるものを見つめるんだ
今日、僕はわかったんだ、僕らは間違いつつあると
僕らは間違いつつある
「We’re Going Wrong」というフレーズが、曲が終わっても頭の中でグルグル周り続ける。
でも、この曲に魅入られたのは僕だけでないことがYouTubeを見ていてわかった。
これは、Electrondというアーティストのテクノバージョンのカバー。廃墟の映像のビデオクリップ。
でも、この曲の本質を見事に体現しているのは、このロシア系の二人組。小さなクラブようなところで、ギターとチェロで演奏される。アマチュアなのだろうか、歌もいいが、チェロのソロの音楽的な説得力は鬼気迫るものがある。8分以上の熱演。
僕らは間違いつつある
僕らは間違いつつある