Sound & Silence

音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

FLUX HIFI SONIC - 現存する唯一の超音波針先クリーナー

レコードを気持ち良く良い音で聴くにはカートリッジの針先クリーニングが大切。急に音が歪っぽくなったりするのは針先の汚れが原因であることが多い。針先用のブラシや専用液を使ってクリーニングする方法もあるが、僕が使ってきたのは超音波の針先クリーナ…

Kraftwerk / Radio-Activity再演ライブ Rodolphe Burge & Julien Perraudeau -受け継がれる精神

arte concertのシリーズで最近ストリームされた、Kraftwerkが1975年にリリースした「Radio-Activity」の再演ライブ。このフランス人のRodolphe BurgeとJulien Perraudeauは初めて知ったのだが、ギターとボーカルのRodolphe Burgeは、1957年生まれのソロアー…

Marantz Model 7 との冬のオーディオ - 使い込んで変えないオーディオ

6月に「夏のオーディオ」の記事を書いたが、気温が下がってきたので真空管プリアンプのMarantz 7と入れ替え。パワーアンプもModel 250に一緒に入れ替えたかったが、左チャンネルの音が出なくなる不具合があって修理に出すことに。 夏のオーディオのModel 325…

Anja Huwe / Codes - 影よ来い、影よ来い、旅の終わりを祝福しよう

もう10代のころから、4ADレーベルからリリースされるような、ダークでゴシックなアーティストはずっと好みで、それは何十年経っても変わらない。ありがちな10代~20代の暗い感情の代謝器官として機能していたんだろう。今ではそうした音楽はクリシェ(cliché …

Apple MusicのAutoMixモード- ちょっとDJみたいなことを

ここ何年も、AppleのOSアップデートは、目立った革新的な機能はほとんどないが、使い勝手の細かい部分は確実に良くなってきている(中には、あららどうして? ということもあるし、ひっそりと消えていくものもあるが)。 今年のアップデートではストリーミング…

Kraftwerk - Florian Schneiderのスタジオ機材コレクションオークション - クラフトワークのレガシーの一部になれるかも?

11月に米国ナッシュビルで、クラフトワークの創設メンバーの1人、フローリアン シュナイダー(Florian Schneider 1947-2020)が保有していたスタジオ機材やクラフトワーク関連のメモラビア、自転車や車、衣装といった私物まで460点余りの品々がオークションに…

M5 iPadProを予約 - iPadはMacbookの代わりにはならないし、ならなくていい

先日、M5搭載のiPadPro がようやくリリースされたので、13インチの512Gモデルを予約した。M2 iPadProからのアップグレードになる。仕事でも音楽制作でも、プライベートの雑事でも、毎日12時間以上はiPadProを使っていて、最大のメリットはMacBookProのような…

Albert Ayler / My name is - 「スタンダートナンバーの殺し屋」と言われたアルバム

数年前に伝記本が出版されたりと今更ながら再評価されることの多い Albert Ayler(1936-1970)。フリージャズの創始者の一人と評価されている。この「My name is」は、1963年1月にストックホルムで録音されたもの。 資料を読むと彼は黒人といっても比較的裕…

belkin USB-C 4ポート ハブ - Zoom L6 サウンド出力+ PD充電に対応

今はほとんどの仕事や音楽制作をM2 iPadProで行っていることは何度か書いたが、iPadProの弱点は、外部接続ポートがUSB-Cポート1個しかないことで、これが外部デバイスとの接続が必要となった時や拡張のボトルネックになっている。 以前はiPadProやMacBook Pr…

Ellen Arkbro / Night Clouds - 夜と朝の間の雲間に響く音楽

Kali Malone と一緒に購入したのが、このEllen Arkbroの新作の「Night Clouds」。Ellen Arkbro(1990-)は、スウェーデン、ストックホルム出身の作曲家、パフォーマー。そもそも、Kali Malone がスウェーデンに行ったのは、このEllen Arkbroが誘ったからとい…

Kali Malone / The Sacrificial Code - 絶えることのない殉教者の旋律

9月はブログが書けてない。細々した仕事が多かったせいかもしれないし、残暑が厳しくあまりポジティブな気分になれなかったこともある。レコードを買ったものも少なかったのは物欲も減退したんだろうか。 レコードで買ったのは、Kali Malone と Ellen Arkbro…

Terry Reilly / In C - 開かれたミニマルミュージックの原点

今年は、本が出版されたりTerry Reilly(テリーライリー 1935-)が再評価されている。本人はCOVIDパンデミック前に来日していたが、その影響で帰国できなくなり、日本での生活が続いているらしい。昨年だったかフジロックにも出演を果たしている。彼は、フィ…

Godspeed You! Black Emperor - 演奏はユートピアではなく闘争

ライブでもスタジオ録音でも、同じように自分たちの音楽を鳴らし切るバンドというのはそんなに多くないが、Godspeed You! Black Emperorは、そうしたバンドひとつ。彼らの演奏は「聴く」よりも「体験する」という言葉が合っている。それは、レコードやCDであ…

YouTubeで聴くノンダンス のDJセット - 日常の中へ溶けていく非日常

東京で暮らして45年以上経つが最近のような熱波の日々が続くとは思わなかった。それでも、いろんなことを考えたり書いたりしながらも、仕事して音楽を制作し、勉強する日常は連続していて、そんなときに気分転換でデスクのモニタースピーカで鳴らしているDJ…

ボツにした原稿  - アーティストなら言葉ではなくアートで表現して闘争すべきでは

自分の中での理想は毎週1つはブログの原稿を書いて公開することなのだが、現実はまったくそんなペースでは進んでいない。書くことは生活の一部で、仕事のことはもちろん、自分の制作している音楽のことであったり、忘備録な記録であったり、いろんなことに対…

Aqara 5G Pro WiFi監視カメラ - 防犯を真剣に考えないといけない時代

今回は音楽ではなく新しく導入した監視カメラの話。日本は「空気と安全はタダ」というのは遥か昔のことで、今やどう自分で生活を守るかがテーマ。マンションならオートロックや防犯カメラ、戸建でもスポット照明や監視カメラが必要。記録を残すということよ…

SHURE M44シリーズ用のChuden(中電)の交換針を試す - それぞれ異なる音世界

CHUDEN(中電)という群馬県の企業があって、廃止されそうだった前進企業のカートリッジ部門を買い取って独立させたという経緯からも、アナログカートリッジ に情熱を持って取り組んでいることが伝わってくる。特にここ数年は、手頃なMMカートリッジ ブーム…

Space, Energy & Light / Electric Junk - 1961年から1988年のスペースサウンドトリップ

最近個人的にブームになっているオムニバスCDシリーズの続き。今回はエレクトロニックミュージックをスペースミュージックの観点から選曲した「Space, Energy & Light」と1970年〜1978年のサイケデリック、プログレッシブジャーマンロックを俯瞰する「Electr…

Inner_Spaces 2025 - アヴァンギャルドありIDMありの イタリアの電子音楽祭から

YouTubeで必ずチェックしている音楽イベントひとつが、毎年ミラノのサン・フェデレ・オーディトリアムとサン・フェデレ教会で開催される「Inner_Spaces」というエレクトロニックミュージック、インプロビゼーションのコンサートシリーズ。 スケジュールをチ…

Marantz 3250 プリアンプに入れ替え -夏のオーディオ始めました

毎年、季節は一か月単位で繰り上がってくるようで、6月ですでに真夏の気温。真空管アンプには優しくないのでオーディオも衣替え。真空管プリアンプのMarantz 7には夏休みを取ってもらって、代わりにMarantz 3250プリアンプが再登場。ソリッドステートといっ…

最近聴いたエクスペリメンタルミュージック - 実験音楽の「実験」は音楽が作られるプロセス

どうして聴くようになったのか理由を突き詰めて考えたことはないが、10代の後半からシェーンベルクやシュットクハウゼン、ブーレーズ、ケージなどを聴くようになってから、エクスペリメンタルミュージック(現代音楽、実験音楽)というのは、いつも身近かな…

Logic Pro for iPad - プロかアマかが問題ではない、音楽こそ

最近、iPad版の「Logic Pro」という音楽制作アプリの使い方の学習をしている。プロジェクト名のEar Has No LidのブログでiPadProの音楽アプリを使っての楽曲制作について触れているが、これまでは、AUMやLoopy Proなど、どちらかというと作品を制作過程の試…

RE/Search - 1980年代のインダストリアル、ノイズカルチャーマガジン

書棚の奥に1980年から89年まで続いていたの米国の雑誌「 RE/Search 」が何冊かあったのでその話を。RE/Search はサンフランシスコをベースに誕生し、インダストリアル、ノイズ、その周辺の文学やアートといったアンダーグラウンドカルチャーを専門とする雑誌…

自主制作 Ear Has No Lid セカンドアルバム「You Wanna Go Without Me」 - 時代の空気のサウンドトラック

自身の音楽プロジェクト Ear Has No Lidのセカンドアルバム「You Wanna Go Without Me」をbandcampや各種ストリーミングで配信を開始した話を。 ファーストを昨年リリースしてから、その後も作品は作り続けていて、好きな音楽を作っているというよりも、自分…

Steve Reich の最近の作品のCDをまとめて購入 - よりアグレッシブに、エモーショナルに

何度も書いているが、今や中古CDはおしゃれなカフェでのコーヒ代よりも安い価格で、CDで聴きたいと思う人には集めやすい。ストリーミングの時代には逆行しているけれど、それぞれ違う方法で楽しめばいいのでは。今回は、Steve Reich(スティーブライヒ)の19…

iOS 18.4 Ambient Music Player 機能 - 消耗品となったアンビエントミュージック

4月に入って、AppleからiOS,iPadOSの18.4がリリースされた。テクノロジー的にはApple Inteligenceが日本語に対応したなどがあるが、ここでは新たに搭載されたAmbient Music Playerの話を。 このAmbient Music Playerは、コントロールセンターの機能の一部と…

iPhone16用にUSB-C変換アダプタを入手 - 小さな部品に過ぎないがあると便利なもの

自分では別にApple信者のつもりはないが、1984年に最初のMacを買ってから、Apple製品を使っている。iPhoneも最初に国内での取り扱いが始まってからずっと。2年から3年に一度、新しいモデルに変えている。 今回はiPhone14からiPhone16へ移行。iPhoneは新しい…

John McLaughlin / My Goal's Beyond - 神を信じることができた人の音楽

Impulse! レーベルのボックス続きで、昔の「スピリチュアル」なアルバムを聴き直した中の1枚が、この英国人ギタリスト、John McLaughlin が1971年にリリースした3枚目のソロアルバム「My Goal's Beyond」。John McLaughlinは、独自の色が強いギタリストで、M…

Impulse! Records - Music, Message and The Moment - ブラックカルチャーを背負ったレーベル

Impulse! というジャズレーベルが、真正のジャズファンの間でどういった位置付けなのかはアウトサイダーの自分にはよく分からないが、Blue Noteレーベルのレコード がEric Dolphyの「Out To Lunch」とWayne Shorterの「Super Nova」の2枚しか持っていないの…

Led Zeppelin / Physical Graffiti - あれもこれも50周年、その音楽は年老いたのか

WSJの日曜版のニュースレターの記事の一つがLed Zeppelinの1975年のアルバム「Physical Graffiti」のリリース50周年についてのものだった。Zeppelinは今年ドキュメンタリー映画の公開もあって、往年のファンの間では盛り上がっているのかもしれない。 最初に…

© 2019 Shigeo Honda, All rights reserved. - 本ブログの無断転載はご遠慮ください。記事に掲載の名称や製品名などの固有名詞は各企業、各組織の商標または登録商標です。