失業対策よりも働かなくてよい社会に
- 2019/12/22
- 14:05
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2019-12-22(日)
今年は、繁忙のために会社の忘年会が流れました。
日々、真面目に業務をこなす私へ、サンタさんからのささやかなプレゼントかもしれませんね。
こんな私も、仕事中だけは真面目なのですよ。
本題。
日本は、失業率 (完全失業率) の比較的低い国です。
総務省の統計によると、2019年10月の完全失業率は2.4%だったそうです。※1.
これ以前も、リーマンショック後の2009年7月に5.5%まで上昇してからは、現在までおよそ下降で推移しています。※1.参考として、2018年の日本の失業率は2.4%ですが、同年、韓国の3.8%,アメリカの3.9%,カナダの5.8%,イギリスの4.1%,ドイツの3.4%,イタリアの10.6%,フランスの9.1%と比べても低い値です。※2.
ただし、統計方法や被雇用者・失業者の定義に違いがあるので、単純に比較はできません。
失業率が低いのは、もちろん良いことです。
もしも、働かざるを得ない人が不況などの理由から長く失業したら、貯金を崩して生活するか,親元に帰るか,イケないことをするか,福祉に頼るか,もしくは首をハングするくらいの選択肢しかありません。
実際に、私が失業してニート (厳密には失業者ではない) だったときは、目下の就職活動が苦痛でたまらなかったです。
しかし、失業率を下げるために “無駄な仕事” をわざと生み出している、と感じるのは私だけでしょうか。
ここでは、公共事業による仕事の創出と、日々の無駄な業務に分けて考えます。
まず、公共事業は、市場経済で供給されにくい (供給が遅い) 公共施設である、高速鉄道や道路,上水道などを、政府が民間事業者に代わって供給することです。
公共施設の供給が著しく遅いと経済や生活に影響を与えるので、公共事業自体は必要です。
初めて、公共事業の目的を “雇用” に転用したのが、ニューディール政策と言われています。
ニューディール政策は1935年左右のアメリカで実施された雇用政策で、世界恐慌の克服が目的でした。
結果は、20%を超えていた失業率を、5%未満まで下げることに成功したようです。※3
ただし、これは世界恐慌という災害級の不景気に対する措置です。
日本では、災害復旧を除き、雇用のための公共事業がいまだに多くおこなわれています。
中央・地方政府全体の公共事業費を見ると、リーマンショック後の2009年度は8.8兆円、東日本大震災の2011年度は7.9兆円であるのに対して、2012〜2019年度の平均は6.9兆円となっています。※4.
もちろん、東日本大震災や相次ぐ災害からの継続的な復興、老朽化する既成施設の更新など、必需的な費用も含まれますから、一概に公共事業費が多すぎるとは言えません。
しかし、個別の事業の中には、それらと関係のない、雇用対策や
実感として、この時期は道路工事が目に付きます。
これらの目的が予算の消化や季節労働者の雇用なのは明らかです。
東京オリンピックなんかは、“カネが使えるぞ” と建設会社へのプレゼントと雇用対策が目的でしょう。
場合によっては、失業率の数字を意図的に小さくするだけとも取られかねません。
次に、無駄な業務です。
昔から “餅は餅屋” といわれ、専門家にまかせるのが一番とされます。
実際はどうでしょうか。
例えば、バスの運転手は、事務仕事や電話応対,洗車やタイヤ交換などの雑務が多いそうです。
しかも、業界全体で運転手が足りず、路線の廃止や減便が出ている最中にです。
私も、本職がとても忙しいなか、小銭を数えたりなどの会計をやらされます。(老眼ならキツイ)
このような仕事は、労働者が増え続け、失業する人も多いなかに作られたものです。
日本の人口が自然に減り、転業・転職も (簡単ではないが) 選択できる昨今、自動化や廃止も検討されるべきなのです。
さて、今までは失業者を作らないための公共事業,細かい仕事や雑務がありました。
これからは、人口減少の本格化や人工知能 (AI) による仕事の代替が考えられます。
“失業” ではなく、“働かない人” が当たり前に生活できる社会にするとよいでしょう。
また、“年金だけでは2,000万足りない” などの不安をあおらずに、“50歳で2,000万あれば一生安泰” と言える社会を目指しましょう。
参考文献
- 『月別結果の季節調整値及び原数値,主要項目』(xlsx),総務省統計局 (2019年)
- 『(関連資料) 主要国の失業率』(xlsx),総務省統計局 (2019年)
- "New Deal" ,en.wikipedia
- 『平成31年度国土交通省・公共事業関連予算のポイント』(2019年度,PDF),国土交通省 (2018年)
訪問ありがとうございました。
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