記事一覧

オシロスコープDSO138を使ってみます(2)


この記事は、広告を含む場合があります。

今回も、オシロスコープ “DSO138” を使ってみます。

見ているほうはつまらないかもしれませんが、やってるほうは理科の実験みたいで楽しいです。ソーラー発電も、突き詰めれば科学なんですね。

三部作の第二回めは、矩形波 (くけいは) です。

矩形波 (Square wave) というのは、いかにもデジタルな四角い波のことです。方形波 (ほうけいは) とも呼ばれます。

言葉では説明しづらいので、さっそくイメージを。

矩形波インバーターのイメージ

直流の電源に対して、4つのスイッチを2つずつ交互にオン・オフし、電流の向きを切り替えています。

電流の向きが時間とともに変化しているので、この出力は交流です。

こういうのを “インバーター回路” といいます。

50Hz (ヘルツ) がほしい場合は、プラスとマイナスの切り替えを1秒間に50回 (スイッチを100回カチカチ) します。60Hzなら、切り替えが60回 (120カチカチ) 必要です。

これを人間の手でやり続けると腱鞘炎 (けんしょうえん) になるので、通常は半導体を使います。

具体的には、“MOS-FET (metal-oxide-semiconductor field-effect transistor;金属酸化膜半導体電界効果トランジスター)” や “IGBT (insulated-gate bipolar transistor;絶縁ゲートバイポーラトランジスター)” が使われるそうです。

矩形波の原理がわかったところで、実際に観察してみましょう。

カーインバーター

矩形波の出力には、このインバーター機器を使います。いわゆる、カーインバーターです。

オフグリッド・ソーラー発電から電気を取り出す

電源は、オフグリッド・ソーラー発電から用意しました。

まずは、インバーター機器に入力する前の波形 (直流) です。

DSO138で直流

かわいい。

では、インバーターの波形を……と言いたいのですが、先に全波整流の波形を見てください。

正弦波で使ったブリッジダイオードを外すのがもったいなくて、全波整流、半波整流、そのままという順番になりました。

“矩形波の交流を整流すると、通常の直流に戻る” と私は想像しました。

ということで、矩形波の全波整流から。

DSO138で矩形波の全波整流

え、こうなる?

なんでしょう。この、すきっ歯みたいな波形は……

納得できないので、続いては半波整流。

DSO138で矩形波の半波整流

これも、思ったよりスカスカな波形です。

この時点で、自信がなくなりましたね。

“イメージ図でウソついたべか……”

最後は、矩形波をダイレクトで。

DSO138で矩形波

あー。そういうことか!

これは、“修正正弦波” です。ふつうの矩形波 (イメージ図のやつ) よりも、ちょっとだけ正弦波に近づけた波形です。

修正正弦波は、プラス側とマイナス側の間に、ゼロの時間があります。修正正弦波も、矩形波の一種です。疑似正弦波とも呼ばれます。

ゼロのところは、全波整流でも半波整流でもゼロなので、スカスカだったのですね。

理屈とは違いましたが、これはこれで感動しますね。

さて、周波数は56Hzとなっています。

矩形波のインバーター機器の周波数は、商用電源の50Hzと60Hzの間を取って55Hzということが多いです。

次回は、位相 (いそう) 制御の波形を見てみます。

閲覧ありがとうございました。

関連記事
にほんブログ村 その他生活ブログ 一人暮らし貧乏・生活苦へ

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

しゅう

Author:しゅう
1991年北海道三笠市生まれ。プロフィール

全記事表示リンク