イタリア編(90):ウィーン・ミュージアム(12.8)

 そして路面電車に乗ってショッテンリンク(Schottenring)へ、ドナウ運河越しに、オットー・ヴァーグナーが設計したカイザーバート水門監視所を遠望。青と白の対比がきれいな愛らしい物件です。オットー・ヴァーグナー(Otto Wagner 1841-1918)は、「芸術は必要にのみ従う」(Artis sola domina necessitas)と主張して、機能性・合理性を重視する近代建築の理念を表現した建築家・都市計画家ですね。彼の作品であるカールスプラッツ駅や郵便貯金局も、これから訪れる予定です。
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 今度はリンクをまわる路面電車に乗ってウィーン・フィルの本拠地、楽友協会(Wiener Musikverein)へ。ニューイヤー・コンサートが開かれる「黄金のホール(Goldenner Saal)」をはじめ、内部を見学するガイド・ツァーがあるというので、ぜひとも参加したく考えていました。『地球の歩き方』には"月~土曜の13:00(英語ガイド)"と記されていたのですが、"7~8月には変更あり"という付言が咽喉にささった魚の小骨のように気になります。やはり直接確認したほうが無難だと判断し、とりあえず現地に行ってみることにした次第です。まずは1870年に建てられたという建物の優美な外観を拝見。周囲にはウィーンに関係する音楽家のプレートがたくさんありました。ヘルベルト・フォン・カラヤン、アントン・ウェーベルン、ドミトリ・ショスタコーヴィチ、ヨハン・シュトラウス、J・S・バッハ、ピエール・ブーレーズ、フランツ・シューベルト、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、アントン・ブルックナー、パウル・ヒンデミット、アルノルト・シェーンベルク、そしてヨハネス・ブラームス。血沸き肉踊りアドレナリンが分泌するような名前に興奮しながら、写真撮影。
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 窓口に寄って見学時間を確認すると、英語によるガイド・ツァーは午前11時からでした。石橋を叩いて渡る、やはり早めに来てよかった、見逃すところでした。受付で料金を支払い、ツァーを予約。一時間ほど時間があるので、近くにあるウィーン・ミュージアム・カールスプラッツ(Wien Museum Karlsplatz)に寄って、「ウィーン・ミュージアムのクリムト・コレクション」を鑑賞することにしましょう。
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 楽友協会と通りをはさんで建っているウィーン・ミュージアムに入場、今回初めてすべてが公開される約400点のクリムト素描コレクション、「エミーリエ・フレーゲの肖像」「パラス・アテネ」、ポスター、出版物、あのお馴染のスモック(画家用の仕事着)、デスマスク、エゴン・シーレが描いたクリムトの亡骸などを拝見。幸いなことに写真撮影は可能でした。クリムトの香気あふれる作品を堪能しているとあっという間に時間が過ぎてしまいましたが、そろそろ午前十一時、楽友協会へと戻りましょう。
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 建物の裏側にはベーゼンドルファーのショー・ルームがありました。お土産に一つ…というわけにもいかないので指を咥えて通り過ぎ、受付に入ると人だかりができていましたがそれほどの混雑ではありません。
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 本日の五枚です。
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by sabasaba13 | 2014-03-10 06:19 | 海外 | Comments(0)
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