イタリア編(41):ペルージャへ(12.8)

 さてそろそろペルージャへと向かうため駅に戻りましょう。列車の発車時刻まですこし時間があるので、中央市場を経由して歩いてホテルに行くことにしました。てくてくと歩いていると、道に迷ったらしいフランス人家族から中央市場への道を訊ねられました。それでは御一緒に、と市場まで同行。われわれ二人、こうして海外旅行をしていると、道を訊ねられたり写真撮影を頼まれたりすることがよくあります。人畜無害に見えるためでしょうか、きっといいことですね。掏摸が狙わず、他者が頼み事をしたくなるような服装・物腰を心がけていますが、一応功を奏しているようです。さて中に入りましょう。見知らぬ土地へ行くと、その地の日常を知るためにできうる限り市場に寄るようにしています。食肉や鮮魚、チーズ、ワイン、オリーブオイル、パスタなどを売るお店を興味深く拝見。ミラノ大聖堂やピサの斜塔などイタリア名所をかたどったパスタには思わず緩頬してしまいました。それにしてもイタリアの方はよく喋ること喋ること。売り手と買い手の丁々発止のやりとりを見ているだけで幸せな気分になってきます。日本のコンビニエンス・ストアでの沈黙交易を見たら唖然とするだろうなあ。
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 そしてホテル・アルバーニに到着、預けておいた荷物を受け取り丁重にお礼を言ってフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅へと行きました。自転車マークのついた車両を見ると、ああヨーロッパにいるのだなあと実感します。売店でサンドイッチを購入し、14:12発の列車に乗り込みました。Arrivederci, Firenze! なおこれは後の祭りなのですが、『あしたはアルプスを歩こう』(角田光代 講談社文庫)によると、フィレンツェには18世紀末に作られた多数の人体解剖蝋人形を所蔵・展示するラ・スペーコラ(La Specola)美術館というユニークな美術館があるそうです。見たいような見たくないような…もし再訪できたらその時に判断しましょう。
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 サンドイッチをぱくつきながら車窓を流れゆく風景を楽しんでいると、大地を黄色く染め上げるひまわり畑を発見。ヴィットリオ・デ・シーカ監督の『ひまわり』を思い出すなあ。
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 そしてトラズィメーノ湖が見えてくると、そこはウンブリア州です。人呼んで「イタリアの緑のハート」、半島の中央に位置し、山岳と丘陵と緑と古い町にあふれた魅力的な地方です。今夜の宿泊地ペルージャには16:19に到着の予定、そろそろ降りる準備をしましょう。念の為JTBでもらった宿の地図と『地球の歩き方』で再確認、ペルージャ・サンタンナ駅で降りて数分のところにホテルがあります。しかしこの駅は行き止まりのターミナル駅のはず、列車が停まろうとしているペルージャ駅にはその気配がありません。あわてて昨日撮影した時刻表をディスプレイで確認すると、「Perugia 16:19→Perugia P.S.G. 16:29」とありました。ガイドブックの地図をもう一度よく見ると、ある道路に「ペルージャ駅へ 900m」と表記してあります。もしや…ペルージャ・サンタンナ駅は違う路線で、この列車は停まらない! あわてて荷物をかつぎ下車、その直後にぷしゅーとドアが閉まりました。やれやれ間に合った。

 本日の一枚です。Buon appetito !
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by sabasaba13 | 2013-12-28 08:07 | 海外 | Comments(0)
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