アキレスと亀
昨日と同じく、について考えたこと。正確には思い出したことですが。
アキレスと亀2(2004.4.18)
アキレス: 「この前はうまく騙されたが、今度はそうはいかないぞ。時間で考えれば良かったんだ。」
亀: 「さて、それはどうでしょう。」
アキレス: 「そうだとも。もし、君よりも少しでも早く進んだら、簡単に追いつけるさ。」
亀: 「それは有限の時間で、ということですね。」
アキレス: 「もちろんさ。」
亀: 「では、こういう場合はどうでしょう。まず私が先に出発します。そして、1分後にあなたが私の2倍の速度で追いかけます。」
アキレス: 「この前と同じみたいだな。」
亀: 「途中まではね。まずあなたは私のいる地点にたどり着く必要があります。」
アキレス: 「まだ同じだな。いいとも。たどり着くのに必要な時間は分だ。」
亀: 「その間に、私は先に進んでいます。最初の距離の半分です。で、あなたは今度は私の倍の速度で追いかけます。」
アキレス: 「なになに。そうすると最初の半分の距離を進むわけだから…。えーと、割るだから、今度は分で追いつくぞ。」
亀: 「追いつきはしませんよ。私はまた先に進んでいます。今度は倍の速度で追いかけてください。」
アキレス:「いいとも。今度は分の間に進んだ距離を倍の速度だから…、分だ。」
亀: 「その通り。以下同様に続けていきます。」
アキレス: 「以下同様って、そうか、最初は分で次は分、そして分だから、分、分と続いていくのか。」
亀: 「そうです。つまりあなたの追いつくまでの時間は、、と続く数列を足し合わせたものになります。」
アキレス: 「そうか、そうするとその合計はいったいどの位になるのかな。」
亀: 「無限です。」
アキレス: 「えっ。だってその数列はだんだん小さくなって最後は0に収束するじゃないか。」
亀: 「そうですよ。でも、無限数列の総和が一定の有限値になる場合は、項が0に収束するんですが、項が0に収束するからといって一定の有限値になるとは限らないんです。」
アキレス: 「そんなバカな…。そうか、速度が同じになるからだな。」
亀: 「そんなことはありませんよ。あなたの速度はいつでも私よりも速いんですから。つまり、n番目の速度はになるわけですから。」
アキレス: 「ちょっとまて。そうすると君より速く進んでいるのに、いつまでたっても追いつけないってことなのか?」
亀: 「そうなりますね。」
(http://homepage1.nifty.com/ROYGBIP/back20.htm#achilles2から引用)
ゼノンのパラドックスの「アキレスと亀」とはちがいますが、この話でもアキレスが亀よりも速いのは同じです。でも、この話では永遠にアキレスが亀に追いつけないことが数学的に証明できます。
(追記)
http://members.jcom.home.ne.jp/miurat/puzzl3-y.htmの下の方ににある「098★アキレスと亀:変則バージョン」では、『アキレスは常に亀の2倍のスピードで走る。両者はいつまでも同方向に走り続ける。にもかかわらず、アキレスは亀に永久に追いつけない』という問題があります。
私が思いついたのは、通常のアキレスと亀を と表すとして、それを にするのが上の話とした場合に、になるようにするという方法です。