今年の 1 月 1 日から Windows メールと予定表を起動しようとすると新しい Outlook for Windows (以下、新しい Outlook) が起動されるようになりました。
また、従来の Outlook を使用している場合でも、Enterprise ライセンスがなければ今月から既定で新しい Outlook に移行されるようになります。
そのため、今年から新しい Outlook の利用が本格化してくると考えられます。
一方で、従来の Outlook に比べて新しい Outlook では不足している機能があり、新しい Outlook を使うメリットがわからないというような話も聞きます。
そこで、今回は新しい Outlook を使うメリットを紹介します。
メリット 1: 従来の Outlook よりも多くの Copilot の機能が使用可能
Microsoft 365 製品では Copilot を使用することで生成 AI による様々な機能が使用できますが、新しい Outlook では従来の Outlook では使用できない Copilot の機能があります。
一つ目は、Copilot in Outlook のチャット機能です。
従来の Outlook にも左側のアプリ バーに Copilot のアイコンがありますが、こちらで使用できるのは Microsoft 365 製品共通の Copilot チャットであり、Outlook 固有の作業はできません。
一方、新しい Outlook のタイトルバーの右側、最小化ボタンの左にある Copilot ボタンをクリックすると、Outlook 固有の Copilot チャットが使用できます。
これを使うと、自動仕分けルールの作成や会議の作成など、Outlook 固有の操作ができるようになります。
二つ目は、メール スレッドから会議出席依頼を作成する機能です。
メールでのやり取りが長引き、会議で話し合ったほうが良いというようなことになった場合、[Copilot を使用してスケジュールする] を使用してそのメール スレッドを基にした会議出席依頼を作ることができます。
これによって作成された会議出席依頼は、出席者にメールスレッドの受信者が含まれ、本文にはメールスレッドの要約が含まれています。
三つ目は、Copilot で Outlook テーマを作成する機能です。
従来の Outlook では Office 共通の数種類のテーマの中から選択するしかありませんでしたが、新しい Outlook では Copilot を使用して現在地や天気などを基にしたテーマが生成できます。
また、テーマを日替わりにすることもできます。
メリット 2: 会議に関する新機能が使用可能
新しい Outlook では、従来の Outlook で実装されていない様々な会議に関する新機能が使用可能です。
一つ目は、Teams 会議の概要を表示する機能です。
Teams 会議で録画をしておくと、会議終了後に録画された内容をもとに会議の概要が本文に表示されるようになります。
そして、[要約を表示] をクリックすると、Teams の会議の要約画面が表示され、会議のトピックごとのまとめや、会議後にすべきアクションなどが表示されます。
これを使うと議事録作成がほぼ不要になります。
二つ目は、会議のフォロー機能です。
従来の Outlook では、会議に対するアクションは承諾、仮承諾、辞退の 3 つだけでしたが、新しい Outlook にはフォローというアクションが加わります。
これは、都合により参加できない会議について、後で会議の結果を参照したいという意思を開催者に伝え、自分の予定表には空き時間として保存するというものです。
この機能を使うと、実際には参加できなかった会議についても前述の Teams 会議の概要により、会議でどのようなことが話し合われたなどが確認できます。
メリット 3: 新しい機能が早く追加される
マイクロソフトとしては今後は新しい Outlook への移行を促すため、新機能のほとんどは新しい Outlook に先行で追加されていくことになるでしょう。
そして、それらの中には従来の Outlook には実装されず、前述のような新しい Outlook でしか使用できない機能というものが、今後も増えることが予想されます。
メリット 4: HTML メールがブラウザで表示される
従来の Outlook では HTML を含むすべてのメール形式の本文が Word のコンポーネントにより表示されていました。
そのため、Word でサポートされていない HTML タグや CSS のスタイルを使用したり、Word 固有のタグに変更などが加わることで、表示が乱れたり、本文の一部が表示されないというようなトラブルが発生していました。
一方、新しい Outlook では本文の表示が WebView2 という Microsoft Edge や Google Chrome と同じエンジンにより表示されるので、HTML メールの表示で問題が発生することが非常に少なくなるでしょう。